#0740衝撃的な質問だった「オードトワレはトイレでしか使えないのか?」・2008/03/10 17:38:44こういう時、英語では「オー・マイ・ゴッド」と叫ぶのでしょうが、わが日本には「ガチョーン」という便利な表現があります。といっても40以上のおじさんの間でしか使用されていません。ついでに言えば「ビフテキ」なんて言葉もこの世代は比較的自然に使えます。その話題は今回置いておくとして、お客さまより電話をいただきました。 「オードトワレと書いてあるが、トイレでしか使えないのか?」 椅子から「コケちゃいそう」になりました(谷口浩美選手がバルセロナ五輪で吐いた「コケちゃいました」を思い出してくれた人は、私と似た世代の方ですね)。 まず最初に断言させてください。オードトワレとは香水のことです。香水としてお使いください。 オードトワレの英語表記は「Eau de Toilette」。もともとフランス語ですが、英語としても通用します。問題はフランス語の「Toilette」が、英語の「Toilet」、そして日本語の「トイレ」になるか?という問題です。 直訳すると「Eau de Toilette=トイレの水」(Eau=水、de=英語のof)? つまり、それって「トイレの芳香剤」?・・・という図式で、お客さまは素朴にそういう思考を展開されたのだろうと思います。ふつう日本人には読みにくいフランス語ですが、Toiletteという単語に関しては、なんとなく「トイレット」と読めてしまうところにも誤解が起きる原因があります。 英語の「Toilet」には日本語で意味する部屋としてのトイレや排泄行為、さらには便器の意味もありますが、フランス語の「Toilette」は、そういう意味もありながらが、同時に「化粧室」のことです。イメージは英語の「Toilet」と比較するとなかり柔らかで上品です。 フランス人にとって「Toilette」は「身だしなみ」「身づくろい」「身だしなみを整える部屋」としてのニュアンスが強く、決してネガティブなイメージではありません。 実際「Toiletry」(トイレタリー)といえば、英語でもフランス語でも「化粧品」になります。 ですので、「Eau de Toilette」は、専門家には異論があるかもしれませんが、私が訳すなら「身だしなみのための化粧水」「身づくろいのための化粧水」ということになります。 けっしてトイレとは関係ありません。まして、トイレで使用する芳香剤などでもありません。 「オードトワレ」とは、香水類を濃度で分類するための作り出された化粧品用語・香水用語の一つで「香水」の一種です。化粧品業界では、香水をその濃度で分類し香料濃度が高い順から ・パルファン(Parfum) ・オードパルファン(Eau de Parfum) ・トワレ(Toilette) ・オードトワレ ・コロン(Cologne) ・オーデコロン(Eau de Cologne) と呼びます。 日本語の「香水」は厳密には「パルファン」を意味しますが、広い意味で「コロン」から「パルファン」まで、これらすべてを差します。 おそらく「Toilette」も「Toilet」と同じギリシア語源から来ていると思いますが「Toilet」にはトイレのイメージが付き過ぎたために、香水を意味する場合は英語でも「Eau de Toilette」というフランス語をそのまま使用します。 「Eau de Toilette」の直訳が「The Water of Toilet」になるにしても、香水の意味としてのトワレなら、決して「The Water of Toilet」ではなくそのまま「Eau de Toilette」です。 ちなみに米国ではトイレの意味で「Toilet」が使用されているところを見たことがありません。米国で見るトイレの表示は「REST ROOM」(レストルーム、休憩所)や「BATH ROOM」(バスルーム、浴室。欧米の個人宅やホテルではトイレとシャワー室は一体化しているためでしょうか?)。 「Toilet」という直接的な表現は日本の「便所」「厠(かわや)」同様、チョヨーモロすぎて今後英国でも使用されていかなくなるかもしれません。 反面フランス語の「Toilette」は「身だしなみ」そして暗示的に「トイレ」という意味で生き残りるのではないかと考えています。 ところでですが・・・ じつは「Eau de Toilette=トイレの水」かという質問を受けて、私自身、こういう誤解をなくすためにも「オードトワレ」という表現を断念し「オードパルファン」か「オードパルファム」に移行しようかとまじめに悩んでいます。 実はこの問題はかなり前から考えていたことです。化粧品業界にもそういう動きが出始めています。 しかし、思い立ったらすぐに移行できるようなモノではありません。数年がかりのプロジェクトになると思います。社内で検討を重ねたいと思います。 |
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