開発ステップ4:経済効果の初期ロット
小ロットの制約事情
とにかくリスクのあるオリジナル化粧品製造。リスク回避のためにはなるべくロットを少なく始めたいのが人情と思います。しかし、ロットが少ないために製造を引き受けてもらえないケースが多々あります。それは少なすぎてラインを回せないという物理的な事情以外に、様々な周辺事情もあります。ロットが小さいとどのような制限があるのでしょうか?
- 原料が入手できない
- 化粧品容器が調達できない
- 化粧品容器へのシルク印刷や転写印刷がやれない、または割高になる
- シールやラベルの印刷ががやれない、または割高になる
- 外箱が作成できない、または割高になる
- 薬事法の申請など管理コストが割高になる
「ビーカーワーク」(手作業)にて10本程度作って欲しい、というご要望もあることでしょう。ビーカーワーク自体は化粧品会社にとっても技術的に問題ありません。実際試作レベルではその本数で制作します。しかし、商品として10本単位で製造するかという問題になるとその判断は個々の化粧品会社さんごとに分かれると思います。
手作業になりますので品質の安定性に問題があることと商品の法的な対応(化粧品会社さんは法的に製造責任を負うためのサンプルや資料の長期保管義務があります)や管理上の煩雑さを考えると、特殊な事情がない限り受ける化粧品会社さんはほとんど存在しないと思われます。
使用可能な原料や容器は、化粧品会社さんにその時点で在庫しているもののみに絞ったとしてもラベルや容器印刷はかなり問題です。品質を問わなければオンディマンド印刷など近年小ロット対応の印刷も利用できないことはないのですが、経験的にオススメできません。
10本単位の製造を受注する化粧品会社さんもあるとしても、結果的にコストは10本製造しても1,000本製造しても同じですよ、というスタンスになるかもしれませんのでご注意ください。
化粧品容器の販売単位
化粧品容器は容器メーカーや容器の問屋さんから購入します。バラ売りもあるかもしれませんが、それなりの卸価格であるためにはケース単位(製品ごとの専用段ボール単位)となります。容器メーカーさんによってはそもそも一般クライアントさんと直接取引されるケースは多くないようですが、されるとしてもケース単位は必須と思われます。スキンケア用のボトルやジャー50mL〜100mL程度の容器なら1ケース100本〜300本程度が平均てきです。
釜の大きさは、化粧品の生産能力を示す尺度
釜の大きさは、工場の化粧品の生産能力を示す尺度ですが、この釜のサイズがその化粧品工場にとっての最低ロットの目安になります。たとえば100リットルの釜があるとすると、100mLの化粧水が1,000本製造できます。それ以下だと釜自体が動作しなかったり、それ以上だと1,500本といった半端な数は許されず1,000本単位で増やす必要があります。
また原料面から考えるとその工場に在庫している原料なら小さく使えますが、新規に原料メーカーから購入する必要があると、その購入単位が原料によってバラバラですが、割高になる可能性が多々あります。そういう意味でもその分野が得意で実績のあるメーカーを選ぶと有利です。なぜなら過去の案件のため様々な原材料をすでに多数の種類在庫されている可能性が高いためです。化粧品の原料は数万種類、すべてを在庫している会社などありえません。
小ロットパッケージ
周辺のパッケージなどについても小ロットは割高です。仮にラベルを100枚印刷するのと1,000枚印刷するのでは大差ないはずです。印刷やパッケージの経済効果がでるのは3,000枚〜5,000枚程度からではないでしょうか。
経済効果が発揮される小ロットの数量:1,000本->5,000本->1万本〜
個人的な印象で、あえて大雑把にデフォルメすれば、化粧品の最低ロットは1,000本。これが5,000本になると見違えるように割安感がでてきて、1万本で様々な方面で経済効果を実感します。化粧品OEMメーカーさんの中には魅力的な集客のために「最低ロット10本から」と謳うところもあるかもしれませんが、かなりムリがあり、よって制約が多いことも理解しておいた方がよいかもしれませ。
※なお、お客様のご要望で多い本数は、容器の1ケース単位です。容器はケース単位の販売ですので、容器の過不足をなくすためにケース単位の数量で指定される場合も少なくありません。
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