オリジナルブランド、プライベートブランド化粧品・・・そんな夢を実現してくれる会社#2/4
●社長の少女時代
小さい頃から化粧品をかなり意識されていましたか?
--特に強く意識はしていませんでした。子供の頃はお母さんの鏡台で口紅を付けたりしたものですが、化粧品会社の娘だからというわけでなく、子供はだれでも大人の世界にある種の憧れを抱くものです。
--ただ、覚えているのは小学3年生の時、学校で父兄会があり授業参観に来ているお母さん達の中で香水が漂っていたことがあります。女性らしいというか、とても衝撃を受け、そして新鮮でした。そのときからお化粧を強く意識するようになりました。
●製品へのこだわり・・・
ビジネスはOEMに注力されていますが、こだわりやポリシーについてお聞かせください。
--安全性です。化粧品は肌につけるものです。本当に安全なものを製造することがメーカーとして最優先事項と考えています。
--そのために当社では成分の由来にこだわります。由来のはっきりしないものは使用しませんし、長年使用され安全性が確認された原料のみを使用するというポリシーがあります。逆に言えば新素材や今流行の成分にあまり飛びつきません。流行に遅れることもありますが、安全性を優先します。
●大田社長にとって化粧とはなんでしょうか?
--化粧は美容整形でも薬でもありません。マジックではないのだから、化粧でできることとできないことをきちんと分けることが大切です。化粧とは人をきれいにするためのものです。「きれい」とは化粧の結果ではなく、化粧をしようという段階ですでに人は美しくなるものです。心構えと言ったらよいかもしれません。
●化粧することの意味
「女性の時代は案外長い。80でも90でも、みなさんとっても美しい」という大田社長の信念は、心もカラダもお肌も「きれいに生き抜く」こと。この辺にくるとパワーさえ感じさせる話しぶり。化粧とは「自立し、成熟した女性」であるための一つのアイテムであり武器であるかのようです。
コスメ界の世界的ブランド、エスティ・ローダー社の創業者にして総帥だったエスティ女史も同じ言葉を残しています。「Beauty is an attitude」(美しさとは生き方です。美しくない女性などいません。もしいるとすれば、それは美しくありたいと願う心を失った人のことです)。
製品の90%が女性によって消費される化粧品。ほとんど「女性のための消費財」なのに大手化粧品会社の役員や管理職はほとんどが男性。女性の方が会社のトップだからこそ女性の共感を呼ぶ商品開発が可能なかもしれません。
●松戸工場
次に工場の山田さん(仮名)にお話をお聞きしました。
化粧品会社と言っても研究開発から商品販売まで総合的に行うところもあれば、設備は持たずに商品企画だけを行ったり、逆に製造だけを行う化粧品会社など形態はいろいろあると思いますが、ポイントさんはどのような形態の化粧品会社さんでしょうか?
●小ロットOEMに技アリ
--私どもは自社ブランドよりもOEMに注力しています。つまり、お客様が持ち込まれる商品企画案に対して試作から製品製造までを行う形態ですね。しかもかなり小ロットでやれることが大きな特徴となっています。
--原料にしても容器にしても小ロットでは割高なコストがかかるものですが、それどころか、少なすぎてメーカーから原料を仕入れられないということもあります。当社はそのような小ロット製品開発を計画しているクライアントに応えるビジネスを展開しています。
プライベートブランド、ローカルブランド、小ロット製品を計画するクライアントさんにとってポイントさんのような会社さんは実にありがたい存在です。大手クライアントさんでもマーケティング用の小ロット生産や試作の際だけをポイントさんに頼むケースもあります。
●クライアント
どういうクライアントさんが多いですか?
--エステティックサロンさんなど多いですね。4千億円のエステ市場、日本全国に数万サロンあると言われますが、比較的個人経営が多いのも特徴です。比較的小規模のサロンさんがプライベートブランドのシャンプーなど制作したいとしたらやはり小ロットからはじめたいところです。
--サロン経営者の中には、かなりこだわりのある方が多く、小ロットだけれども気合いの入ったローションやマッサージオイルなどの制作を希望されます。とはいえ大手さんに相談されても、小ロットでは「ウチはやっていません」と言われるケースが多いと思います。
●具体的にどれくらい小ロット?
何本くらいから製造してもらえるのでしょうか?
--状況によって変化しますが、少なければ数百本、通常は数千本単位です。当社がメインで使用している釜は400リットルです。
--製品が400リットル単位でできるという意味ですが、たとえば1本100mlの化粧水を製造すると4千本できます。400リットルよりも小さな容量でも製造できますが、この釜を使用すると限りでは400リットルというのが、製造におけるもっともコストパフォーマンスのよいロットですね。
●巨大な鍋のようなもの
読者のみなさんに少し説明すると、食品であろうと医薬品であろうと、成分を混ぜ合わせて何かを作る作業は家庭でも工場でも基本は同じです。鍋の中に原材料を放り込んで火にかけます。
化粧品も同じで製造量の単位が鍋(釜)の大きさに依存することは予想できます。
大手さんの釜の場合、これは10トンや20トンという巨大なものになります。世界最大のトイレタリー会社P&G社などどれくらいの釜を持っているのか予想もできないです。一度見学に行きたいものです。再びポイントさんに戻ります。
●原料の仕入れは?
化粧品会社といえども原料は、原料メーカーから購入すると思いますが、原料の仕入れについて注意されることは何ですか?たとえば武蔵野ワークスの場合、天然香料の仕入れではそれが本当に天然かどうか、不純物は混ぜられていないのかなどには気を使います。やはり原料の品質はそのまま製品に影響しますので。
●同じグリセリンでも・・・
--同じ成分でも品質に差があるのは確かです。当社の場合、トレーサビリティがしっかりしていることと純度ですね。たとえばグリセリン。医薬品や食品、化粧品に欠かせないとっても有名な素材で通常ヤシの実などから精製されます。
--ところがグリセリンは他の化学物質から製造することも技術的に可能です。極端な話しですが廃油からも作れます。その方が安かったり扱いやすいとそちらを使いたくなるのもまた事実です。
--化粧品は全成分表示が薬事法によって義務づけられていますが、各成分の由来までは問いませんので、この辺の選択は化粧品OEMメーカーのポリシーやモラルに依存する部分かもしれません。
--保湿効果が高いとされるコエンザイムQ10ブームが数年前から続いていますが、当社のクライアントからもQ10を配合したいという打診を多く受けます。
--ところが、数年前はQ10自体が完全に品薄で入手できない状態だったため、一部の化粧品OEMメーカーは出所のはっきりしない海外製のQ10に手を出したという業界話も聞こえています。
●流行よりもトレーサビリティ
--当社ではトレーサビリティがしっかりしていない素材に手を出しません。ブームに乗り遅れることになるかもしれませんが、長年使用され安全性が高いと判明している素材の使用と、ブームに流されずお客様に長年使用され定着する商品をクライアントさんにお勧めしています。
生産管理から品質管理、営業の一部までこなす山田さん。「化粧品は流行もの」という風潮がお好きでない印象も受けました。しっかり腰を据えてよい化粧品を製造していくという職人堅気な姿勢を感じました。
●『コンシンのジェル』のジェル具合は山田さんにお任せ!
武蔵野ワークスの『コンシンのジェル』はポイントさんに製造いただいている商品です。『コンシンのジェル』は一般的な化粧品カテゴリーに当てはめれば「ローズオイル配合のクリーム」です。
しかし、クリームにまで乳化を進めてしまえばローズの香りを殺すことになります。絶妙なタイミングと状態でジェル状に練り上げたクリームが『コンシンのジェル』です。
実はその「絶妙なタイミングと状態」が難しかったのです。それを探すために商開発段階で山田さんの職人的な経験と長い試行錯誤に大きく依存しました。『コンシンのジェル』はこのようにして生まれました。
【企業データ】
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