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( 香水工場の )

香る生活


液体爆弾になりうる香水の渡航禁止令
商品の海外発送の休止のおしらせ
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以前、カナダ宛の荷物が現地の税関で差し止められ、無念にも廃棄処分を受けました。

その事件以来、何かと送り先の国の「禁制品」や「禁止物品」には気を遣っていましたが、荷受けをする郵便局(日本郵便さん)自体、受け入れに規制強化をされるようになり、ついに当社も商品の海外発送を休止しました。

「禁制品」や「禁止物品」は、国際郵便・EMSを運用する万国郵便連合の規約・法律で決められています。さらに各国独自の「禁制品」や「禁止物品」がリストアップされる2段構えに規制になっています。

しかし、特に万国郵便連合の規約は具体的でないため判断や解釈が分かれる部分も多々あります。カナダ税関で没収された際、カナダの輸入「禁制品」や「禁止物品」リストを念入りに見なおしましたが、香水は明記されていなかったと記憶しています。

火薬類や麻薬、高圧ガスなどは明確かつ共通に規制されているものの、化粧品となると国によっても担当税関によっても判断が分かれるところです。ところが、数年前のロンドン・ヒースロー混合液体爆弾によるテロ未遂事件を機に、液体物資の空輸規制はどんどん厳しくなっています。

化粧品は危険物ではありませんが、アルコールが使用されている製品、たとえば香水やマニキュアは引火性があるとの理由で前から解釈によっては規制対象になりうる品物でした(アルコール度数や引火点などで別れる)が、私の知る限り、テロ未遂事件までは世界中多くの国に送る事ができました。

現在では、世界的に香水は御法度、という常識になりかけています(船便はOK)。

比較的大らかだった近所の日本郵便の窓口も我々が香水の会社のスタッフということをご存じのようで、中身についていろいろ質問されたのは今年の4月頃。壁にはEMS「禁制品」ポスターもはりだされ、内心、

「いつの間にこんなものが!?・・・」

と驚かされたました。ポスターの禁制品リストにには今まで明白には記述されていなかった「香水」の文字が含まれるようになりました。

窓口のスタッフの方に万国郵便連合の法改正があったのか、など具体的な理由を聞いてみましたが、要領を得ませんでした。少なくとも一つだけ核心的なことを聞けました。

規制強化は、バックに航空会社から日本郵便に対する強い要請、もしくは政府からの強い指導がある模様です。テロへのリスク対策の一環なんでしょうか。

世界の航空会社が加盟する団体・国際航空運送協会(IATA, International Air Transport Association)は、各国の政府が指定する禁制品とは別に航空安全の面から航空会社独自の「空輸禁制品」を指定しており「航空危険物規則書」なるマニュアルも存在するとのことです。

万事休す、です。

今回の海外発送休止措置は簡単には復活できる見込みは、今のところ少ないようです。

(2009-09-15)
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