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( 香水工場の )

香る生活


香水瓶の歴史#3 ガラスである理由

容器は文明の証


容器は、食物や薬品、その他もろもろを収める入れ物。

あまりにも身近な存在で、ありがたさを忘れがちですが、どこの民族の遺跡でも必ず出土する文物が土器や石器製の「容器」です。

容器は、人類に知恵が備わると同時に作られ始めた最初の必需品だったということでしょうか。

ハイテクが進む現在、容器素材の主流は樹脂(プラスティック)に移行しました。

樹脂は、整形が容易で、軽く安価で丈夫で量産可能で、新しい新素材の開発に関しても可能性を秘めているため今後の容器素材の主流としてもしばらく揺るぎないと思われます。

にもかかわらず香水や一部の香料・薬品の容器には依然としてガラス瓶が好まれ採用されます。

なぜ香水は未だに香水瓶に入れられるのでしょうか?なぜエッセンシャル・オイルや薬品の容器にガラス瓶が好まれるのでしょうか?


ガラス瓶:香水・香料を保管するための優れた性質


香水・香料や薬品の弱点は共通しています。それらは

・熱
・光(紫外線)
・高温
・温度変化
・酸素

これら香水・香料の弱点は、香水・香料だけでなくすべての物質を劣化させます。たとえば酸素は金属に錆を発生させますし、人体においては細胞を酸化・劣化させ老化の原因となっています。

ガラス瓶は、ガラス素材自体が自然劣化、経年劣化に強いだけでなく、それを保管する中身の物質に対して強い耐性を与えます:

・耐熱性・熱伝導率の低さ
・耐腐食性・耐薬品性(化学的に非常に安定した素材)
・耐摩耗性・表面硬度の強さ
・酸素透過性・ガス透過性の低さ


ガラス瓶:美しさ


ガラス瓶には対環境耐性だけでなく素材独自の美しさがあります。

樹脂工芸作家はあまり聞きませんが、ガラス工芸作家やガラスを使用した芸術家は歴史上多く輩出してきましたし、現在でも多くのガラス工芸家やガラスのアーチストが活動しています。

ガラス素材の魅力や美しさが多くの人を魅了します。
(2010-02-11)
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