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( 香水工場の )

香る生活


パン工場の香りは風に乗って2

震災と食料ミニパニック


3月11日(金)の震災直後、ちょっとした食料やガソリンのミニパニックが起きたことは記憶に新しいところです。

週明けの14日(月)のお昼時、オフィス近くのコンビニに肉マンを買いに行くと、いつもより人混みで賑わっており異様な空気が漂っていました。

ショックだったことはパンの棚とカップ麺の棚がヤキソバ麺だけを残して、完全に空っぽになっていたこと。


体験がない光景


長く生きていますが、コンビニの商品棚から商品が消えた光景は見たことがありません。それは90年代、ロシアが経済危機に陥り、スーパーから商品が消え去ったときのテレビ報道で見た光景に似ていました。

もちろん、お目当ての肉マンも買えずじまいです。

食料ミニパニックが発生していることは確かです。しかし、日本には当時のロシアと違って食料も物資も豊富にあることは誰でも感じていること。深刻な気分になった人は少なかったと思います。

多くの人がこのパニックは一時的で限定的であることを直感的に感じていました。


経済躍動の香りも


むしろ、商品を棚に並べる一方から飛ぶように売れていく光景はまぶしかったです。ビジネスマンなら、逞しい経済活動が戻ってきたようで「躍動の香り」を感じた人もいたはず。

朝、商品を並べ、夕方に売り切れて商品棚がガラガラになる方が、むしろ、健全なマーケットという印象を改めて感じた人も多かったと思います。

それはともかく、肉マンもお弁当も入手できず、私はパン工場直営店に行きました。


パンを焼く香りは途絶えることなく


問題なく営業中です。種類こそ限定的でしたが、パンの量は豊富です。しかも焼き立て。香ばしい香りが店内に充満していました。

それから数日おきにパン工場に足を運びましたが、パンを焼く香りが途絶えたことはなく、いつも充分な量のパンを買うことができました。

スーパーやコンビニからいっさいのパンがなくなっていた時期もパン工場では途絶えることなく豊富なパンが続々と焼かれていました。

その光景は地元住民の安心の拠り所になったと思います。「パン工場が近くにあってよかった!」としみじみ感じたものです。当然、店内はたいへんな盛況ぶりで、こちらもうれしい光景です。


しかし、すべての人がハッピーというわけではない


一度、見知らぬおばあさんが店員さんに質問していました。

「こちらのパンには卵は含まれていますか?」

聞こえてきた店員さんの返答は「パターと卵は、ほとんどのパンに使用されています」といった内容でした。こんなとき制限のない食事ができる自分はラッキーだということを知ります。




パン工場の香りは風に乗って・・・
(2011-04-08)
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