山麓の香水工場
久しぶりに会った友人は、田舎でのビジネス・プランに邁進中だった(2017/06/02 国分)

新香水工場(香水工場の模型。ロフト付きでダイニングルームも設置される計画)


むしろオシャレ


一昔前まで地方移住は、やや都落ちのようなイメージがなきにしもでしたが、近年、田舎暮らしは、むしろ、オシャレな響きに感じてしまいます。

私の周囲でも都会の仕事を捨て、田舎に戻った人や、もともと東京に小さな事務所を構えながら、近県に住宅兼事務所を建てて、二拠点で仕事をする働き方に変化した人もいます。


友人の工場移転計画


今のところ、当社内では地方移住を計画している人間はいませんが、取引先であり同業者である友人が、八ヶ岳の麓に工場を新設することになりました。

彼は小さな化粧品メーカーの経営者。香水もたくさん製造しています。その彼が一年ぶりに当社を訪ねてきました。

用件は別件でしたが、話ついでに「いい土地みつけて」から始まり、それで「秋には完成するので、遊びに来て」と。


冗談と思っていた


彼の計画は、一年くらい前、聞くには聞いていましたが、冗談と軽く聞き流していたのですが「地鎮祭も無事終わった」と。

内心「本気だったの?・・・」

青天の霹靂よろしく、しげしげと彼の顔をのぞき込みました。

場所は長野県の諏訪郡・富士見町という山村。八ヶ岳の麓に拡がる自然豊かな土地。標高千メートルくらいで夏は冷涼、冬は寒さが厳しいらしい。


香水メーカーが点在してもよく似合う


こういう気候は、ウイスキーや香水の熟成に向いています。

もっと言えばワインの熟成と保管に適した冷涼なワインセラーのような場所は、香水や香料の保管場所としても最適。

勝沼(山梨)から南アルプスの麓に至る一帯は、日本有数のワイナリー地帯で、サントリーの白州工場などお酒メーカーの工場も点在します。

香水メーカーが点在していてもよく似合うエリアです。

日本のグラース」(南フランスの街 = 香水業界では香水文化の中心地としての象徴になっている)になれるポテンシャルを感じます。


道路の舗装も自己負担


彼が購入した土地の周辺には農道しかなく、工場建設のためには、舗装された道路が必要とのことで(何らかの規制があるようで)、自費で舗装し、公道として市町村に寄付したとのこと。

彼の話によると、東京近郊なら、千坪の土地購入となると土地だけで軽く「億越え」。

こういうコスト問題も大きいのですが、さらに都心や住宅密集地に行くほど様々な規制も多く、工場新設は、資金があっても、そもそも法的に不可というケースが多いそうです。


(原野を切り拓いて)


やる気マックス


これだけ聞くと"仕方なく"遠く離れ、建設地を探し回ったのかとも感じましたが、話しぶりは、山麓での仕事開始が待ちきれない様子。

現地での人材採用も計画し、また現在働いているスタッフで希望者には現地で働いてもらうようで、これからはじまるビジネスの新展開に燃える期待が伝わってきました。

電気・ガスはあるの?とか、水道は? 下水道は? 税金は高い? 行政さんとの友好関係は?といった目先の設備や実利面について、私は質問攻めをしていました。


ビジネスマンはリスクも喜んで負う


田舎でビジネスを始めるなら、文筆家さんやデザイン、IT関連など、通信ネットワークにて仕事が可能な人々に向いていると思います。

しかし、彼の場合は設備の投資から始めますので、よりリスクを負いながら田舎暮らしとなります。

東京オリンピックを控え、建築資材・建設費用ともに割高な昨今、投資資金の工面も心を砕いているはすですが、そんな風情は微塵も感じさせないところがビジネスマンらしい。

田舎に旅立とうとする彼が輝いて見えました。

  • (2017-06-02)
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