ムスクの香り#2

石鹸の残り香 = ムスク


このムスクは、石鹸、洗剤、クリーム、香水などあらゆる化粧品・トイレタリーに使用され私たちの生活を豊かにしてきました。

たとえば、石鹸で手を洗ったあと、ほのかに暖かみのある香りを残すなどの用途にこのムスクは力を発揮します。

近年、環境問題に敏感なヨーロッパがこのムスクの自粛に動いたため世界中の先進国で自粛傾向にあります。


情報公開が少ないムスク


ムスクは香料産業とって非常に大きなテーマで微妙です。研究者の間でも合成ムスクの化学的・学術的な情報が、なかなか公開されないという嘆きが聞こえてきます。


一枚岩ではなくEUの環境政策


上で「環境問題に敏感なヨーロッパが多環ムスクの自粛に動いた」と書きましたが、もちろん、ヨーロッパも一枚岩ではなくEUの環境政策には、「環境」や「安全」という大義名分による国家間の政治闘争の側面もあります。

フランスの化粧品業界のある偉い方が小さなセミナーで言った内容は印象的でした。

「化粧品の安全性の問題は、安全性の問題ではなく、むしろ政治の問題です。化粧品産業をもたない国は『安全』を交渉に利用しているのです」

EU内の複雑さを感じました。


開発が続く合成ムスク


現在では生分解性の高い合成ムスク(「大環状ムスク」、たとえばエチレンブラシレート)がムスコンの代替成分として使用されるようになりました。

香りのパワーとしてはニトロムスクに及ばないとされますが正しい方向に向かっているように感じます。

今後さらに安全性が高く、よりムスコンに近い安全な合成ムスクが開発されていのではないかと期待しています。

ムスクの香り#5(2018-01-12)
ムスクの香り#4(2018-01-12)
ムスクの香り#3(2007-09-15)
ムスクの香り#2(2007-03-12)
ムスクの香り#1(2007-03-09)
ムスクの謎(2005-12-22)

※この記事は、2007-03-12に投稿した記事を加筆訂正して新規に投稿したものです


  • (2018-01-12)
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