ムスクの香り#4

香水にムスクを入れる理由


ムスクは香水には欠かせない原料です。一般にムスクは香りに持続性と奥深さを与えるとされています。あるパフューマーはムスクをこのように表現しています:

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以前ムスクが高騰したとき、とりわけ高級品のトンキンムスクを、ある香水から試しに抜いてみたことがある。まるで別物になってしまった。ムスクなしの試作品の香りは、冷たく、平面的で、豊かさに欠け、みすぼらしいものに変わっていた。

改めてムスクの偉大さを思い知ったものだ。香りに「酷」、「幅」、「温かさ」、「女らしさ」、「セクシーさ」などを与え、広がりのあるものに変えてします、不思議な力をもつ物質である(中村祥二『香りの世界をさぐる』)
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出来上がった香水からムスクを抜くことはできませんので、おそらく様々な香水の試作品を作る過程でテストされたものと思われます。



ムスクが醸し出す「セクシーさ」


気になるのが、ムスクが醸し出す「女らしさ」と「セクシーさ」という部分です。事実ながら理解できない部分です。

そもそも麝香鹿(ジャコウジカ)にとってムスクとは?・・・

ジャコウジカは自分の縄張り(テリトリー)を他のオスのジャコウジカに示すためにムスクを分泌し、定期的に地面や岩肌に付け、かつメスのジャコウジカを呼び込む手段にしている考えられます。

すると、普通に考えればムスクとは「オスがオスらしくあるための物質」と思えるのですが、人にとっては、なぜか「女らしくセクシー」であるというのはどうでしょうか?

せっかく自分の縄張りを誇示しても、セクシーだとメスよりもオスを呼び込みそうで、これでは闘争が絶えなくなりそうです。


  • (2018-01-12)
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