Home > ブログ
リスト表示 | (edit)
( 香水工場の )

香る生活


「限定バージョン」花盛り
世界のブランドでは「限定バージョン」の商品を出すことが非常に流行しています。

この傾向はさらに強くなるでしょう。さらに多く、さらに高価になっていくようです。超価格帯の「限定バージョン」は、先日投稿したマスマーケットに向かうラグジュアリーでは「ULTRA-LIMITED EDITION」(ウルトラ限定エディション)とか「STRATOSPHERIC PRICE」(成層圏プライス)などど呼ばれていました。

本当はよいものを内容変更せずに安定して長〜く製造し販売し続けることがビジネス上のメリットは最大限に振れるわけですので企業経営上「定番商品」を持つことが理想的なのですが、さまざまな理由で「期間限定」や「数量限定」を矢継ぎ早に出していく会社さんが急増しているのが今時のビジネス模様です。

今回フローラル・フォーシーズンズ「金木犀」の練り香水をネット販売用には限定500個リリースしましたが、大変好評で「こんなに喜んでもらえるのならもっと作とけば・・・」とやや反省しています。

数量限定の商品の場合、それを企画するメーカーサイドは大変気を遣います。というのは、売れ残れば大変(在庫リスク・廃棄リスク)ですが、少なすぎて購入できなかった消費者に不満が残る事態はぜひ避けたいというのが担当者の本音です。

こういうリスクを軽減するために希に使われる手法が「数量を公開しない限定発売」。「限定生産」ながら数量を公開せず最初の売れ行きを見て生産数量を調整するというものです。

「限定」「限定」と連呼するわりには「いったいいつく作るのか、さっぱりわからない、どこにも書いていない」という「限定キャンペーン」のあれです。一見消費者には腑に落ちない点もありますが、少なすぎて混乱や迷惑をかけるより合理的です。

しかし、こういう実話もあります。ある商品を数量非公開の「数量限定発売」を実施したところ大変好調で、社内的に想定していた1万本をすぐに突破。3万本を急遽追加生産。ところが、それでも勢い衰えない。メーカーサイドにはうれしい悲鳴ですね。

こうなると欲が出てくるのが人間の悲しいサガ。さらに強気の5万本追加を計画したら、さすがに社員の間から「やりすぎではないか。これでは『限定』の意味がなくなる」という反対意見が強くなり断念したというものです。

笑うに笑えない限定販売の裏事情ですネ。

(2007-10-16)
search
月一メルマガ

TOP