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( 香水工場の )

香る生活


「工房」への原点回帰
ブランドを目指すなら「工房」への原点回帰が必要かもしれない。


当社は、自社のことをファッション用語で言うところのSPA(Specialty Store Retailer of Private Label Apparel)と考えています。SPAとは、文字通り訳せば「プライベートレーベルのアパレル専門店」。

メーカーから商品を仕入れて販売するデパートや通常の小売りとは違い、自社で商品開発の企画から生産、販売までトータルに事業をやり遂げる垂直統合型総合アパレル小売業のことです。

リテイラー(小売業)なのに製造するという意味で「製造小売業」と訳されることがあります。

しかし、実際の製造は他社の工場に生産を委託しているところも多く「製造小売業」ってのはどうでしょうか。

SPAのキーポイントは「ブランドの確立」と「直営店」です。


SPAというコトバは米国のGAP社によって1980年代に使用されたもので、この手法でGAP社は大きく前進しました。

日本ではユニクロさんがSPAで日本のアパレル界に一代旋風を巻き起こしたのはご存じの通りです。経済界では、ユニクロの大成功を見てSPAが一大ムーブメントとなりました。

SPAは、アパレルというワードが含まれていることから、ファッション産業に限定した形態を差しますが、実はファッションに限らず、このような形態の企業が増えてきています。

もともと世界の大ブランドの生い立ちは、ほとんど「自社開発かつ自社販売」でした。

SPAは逆にブランドの原点回帰と言える現象ではないでしょうか。

わざわざブランドの普通の運営形態を違うコトバで言い換える必要はなかったのかもしれません。

ヨーロッパのラグジュアリーブランドの歴史を見ればわかりますが、ヨーロッパ・ブランドの原点はだいたい「工房」です(日本もまったく同じですよね)。

工房には職人さんがいて親方がいました。

ブランド工房では、一階が店舗、二回が工房、その上の階や近所に親方や職人さんたちの住まいがあったものです。そういう工房はフランスでは「メゾン」と呼ばれました。

つまり、「自分たちで企画し、自分たちで作り、自分たちで売る」。

これがブランドのブランドたる形態だったのです。

現代では、工場は本社からはるか離れた中国に建てて、マーケティングは電通さんのような大手PR・広告会社に任せる。

そして、売場は世界の空港や世界の一流百貨店内にオープンという現代資本主義経済のお手本のような量産型マーケティング体制に変化したブランドさんも少なくなりません。

しかし、ブランドのメゾン回帰はすでに始まっています。

百貨店を出て直営店を持つ、中国工場を閉鎖して自国に戻すというラグジュアリーブランドさんが後を絶ちません。もっともなことです。

これからのブランドは、コストが安いという理由だけで他国に工場を建てず、自国で、しかもなるべく自分たちのブランドアイデンティティがある土地の産物・原料を利用して、その土地で生産し、自分たちで直営店を運営する。

そして、生産者が直接顧客と接点を持つ直営店や直販の形態へと変化していくと思います。


世界の消費者心理も日用消耗品(コモディティ)は、最先端資本主義メカニズムの恩恵によってもたらされる「安くて、どこにでも売っていて、どこでも同じで、コストパフォーマンスの優れたもの」、心の贅沢には「ちょっと特別なもの」とメリハリをつけて商品を選び購入する人々が増えいます。

世界の香水業界では現在、ニッチブランドやニッチパフューマリー、香水メゾンと呼ばれる新興香水メーカーが続々と生まれています。

その一つのブランドさんにUlrich Lang New York Fragrances(ウルリッチ・ラン・ニューヨーク・フレグランシーズ)があります。

もとロレアルの役員でアートディレクターだったUlrich Lang氏が創業した香水ブランドですが、最近のインタビューで答えていた内容は新興香水メーカーが目指す姿が端的に表現されています。

「ラクジュアリーに対する考え方は変化しつつあります。人々は量産型商品ではなく、もっとパーソナルな商品を求め始めています。ブランドは新しい贅沢を追求していくとこになるでしょう。そのような商品には派手な広告や宣伝など必要ありません」

"The notion of luxury is changing," Lang said in a recent interview. "People are looking more into personal products, less mass-marketed products ...it goes hand in hand with the new luxury -- they don't need to flaunt it." (Charlotte.com, Jan. 31, 2008)

(2008-02-04)
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