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( 香水工場の )

香る生活


香水、日本の市場規模(2008年)

(追加)2012年の日本の香水市場


本記事は、2008年のものです。2012年の動向はこちら → 香水を作りたがらない日本の化粧品会社


市場規模の定義


私たちが普段口にする「市場規模」という言葉は、だいたい定義が曖昧です。

代理店・ディストリビューター向けの卸価格なのか、コンシューマ向けの価格なのか、コンシューマ向け価格なら定価なのか、実売価格なのか、いろいろ調査の仕方で市場規模は上下しますし、派生商品をどこまでで区切るかも悩ましい。

同じ市場でも違う担当者が計測すると、簡単に数字がぶれます。どうかすると2倍になったり。ベンチャー企業の事業計画書に書かれる非現実的に強気の販売予測のように凄い数字になったり。


日本の香水市場規模500億円


個人的にはこのように考えています。日本の香水の市場規模はズバリ500億円。エンドユーザーが消費する日本市場全体の実勢市場規模です。化粧品全体が1兆5千億円(日本の化粧品会社工場出荷額の総額)。

正確な数字がないので誰も確証がもてないのですが、私が知っている範囲では、化粧品業界では、この程度の数字を信じている人が多いようです。

ある調査会社さんから、国内化粧品市場の調査結果がでましたのでご紹介します。

富士経済、国内化粧品市場の調査

緩やかな下り坂を描く香水市場


それによるとフレグランスの市場規模は「2007年が363億円に達し2008年が339億円(前年比93.4%)」だそうです。つまり、富士経済さんによれば国内の香水市場規模は350億円前後で、今年は前年比マイナス10%とのことです。

厳しいですね。

大きな勢力である並行輸入の香水商品が含まれていない点は、少し注意がいるかも。コンシューマーに出回る実勢規模と少しズレた印象があるかもしれません。

前年比-10%は、香水市場が全体的な傾向として若干縮小気味といった私の印象とも重なります。

しかし、市場の中身は違っています。伸びるところは伸びており、ブランド間やメーカー間で2極化が進行している印象を受けています。

なお、富士経済さんが定義する「フレグランス」に含まれるアイテムは、「パルファン、オードパルファン、オードトワレ、オーデコロン、フレッシュコロン、ノンアルコールフレグランス、メンズフレグランス」の7品目です。

本日のブログでは「香水」と「フレグランス」は同じ意味で使用しています。法的・市場的には「雑貨」に分類されるアロマ関連商品は、当然のことながらフレグランスには含まれませんので妥当な分け方ですが、練り香水は、やはりフレグランスに分類いただければありがたいところです。

---------------(引用)----------------
フレグランス市場は、2007年が363億円に達し2008年が339億円(前年比93.4%)になる見通しだ。

 外資系ブランドについては日本国内法人、総代理店契約業者を介した実績のみを対象としており、並行輸入商品の実績は含まない。また身体に使用する液体の製品を対象としており、アロマオイル/練り香水/髪用フレグランスは市場規模に含めていない。01年の規制緩和による並行輸入品の急増により、市場は縮小しているが、輸入香水卸やプレステージブランド(主に百貨店で販売されている海外ブランド(シャネル、ディオール、ゲラン等))を中心に新商品や限定品を積極的に投入され、また10代女性をコアターゲットとしたオリジナルブランドの展開などによる国内系新興フレグランスメーカーが健闘することで市場は微減に留まっている。

 このような市場環境の中、「ザ・ボディショップ」を展開するイオンフォレストやロクシタンジャポンといったライフスタイル提案型ブランドがボディケアユーザーを取り込み好調に推移していることに加え、07年は「アックス」(ユニリーバ・ジャパン)が“女性にモテる香り”という訴求ポイントのもと、積極的な広告宣伝活動で若年男性のエントリーユーザーを獲得したことで市場は拡大した。トップシェアのブルーベル・ジャパンも毎年新商品や限定品、限定コフレ(クリスマス、バレンタイン等のイベントごとに発売する化粧品などの詰め合わせキット)の投入に加え、データベース化した顧客情報を活用した顧客の育成やアパレルブティックとの協力体制を強化することで実績の維持を図り、並行輸入品との差別化を図っている。しかし、並行輸入品への需要シフトによる縮小傾向が続き、資生堂を始めとした制度品メーカーがフレグランスへの注力度を低下していることで、今後も市場の回復は難しい状況が続くと見られ、08年は前年比93.4%の339億円が見込まれる。
---------------(引用)----------------
(2008-05-11)
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