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( 香水工場の )

香る生活


とっても臭い話、発酵食品
蒸し暑くなってきました。みなさんの地方はどうでしょうか?東京は梅雨の中休みといった天気ながら空気はムシムシの今日この頃です。

街を歩いていると生ゴミの匂いも気になりますが、どこからともなく排水溝の匂いなども漂ってきますが、それはそれで生活の一部かもしれません。

昔、東南アジアのある大都市に行ったとき、街全体が生ゴミ臭に包まれていて衝撃を受けました。しかし、反面、生命力の活気が感じられたものです(補足:現在この街の衛生状態はかなり改善された模様)。

さて、きょうはとっても臭い話です。

人にとって「臭い」ものはなんといっても腐敗臭。ある日本人の捕虜体験記です。ビルマ戦線に従軍した兵士が敗戦後イギリス軍の捕虜となりさまざまな強制労働を課せられる話ですが、その中に土葬した人間の埋め直し作業がありました。

ボロボロになった死体を掘り起こす作業は「臭う」とか「臭い」というレベルではなく「涙が出る」と記述されていました。腐敗臭が人体に与えるインパクトを知った忘れられない場面です。

その後、涙が出る発酵食品が韓国にあることを知りました。「発酵食品」って、ズバリ「腐敗食品」のウチ、人間が無事食べることができた物が発酵食品と呼ばれますので、とっても臭い物が多い。

涙が出る韓国の発酵食品を教えてくれたのは実際に食べてきた知人。その名は「ホンオ・フェ」。

生のエイ(魚)を発酵させた韓国名産。ある地方では結婚式必須の料理で、それだけ高価で珍味なもののようです。結婚式に海外や遠方から来てはじめてホンオ・フェに出会う参列者は、あまりの衝撃に、文字通り一生の想い出を記憶に刻む結婚式となります。

東京農業大学小泉教授の本ですっかり有名になった「シュールストレミング」は教授が調べた中で、現状世界最強の「臭さ」とされています。

シュールストレミングとは、スウェーデン産の生ニシンの発酵食品。日本のクサヤや鮒鮓(ふなずし、近江名産)、韓国のホンオ・フェのように臭い発酵食品は魚由来が多いようです。

シュールストレミングは缶詰です。発酵で発生したガスのため缶が丸く膨らみ変形することもあります。缶を開けるときガスとともに吹き出す飛び汁が衝撃的です。あまりの臭さに失神者も出るほど。

危険物資につき「空輸禁止措置」が取られており、日本ではほとんど入手困難な食品となっています。

ここまで読んで、恐怖に震えている人も多いかと思いますが、これが不思議です。

「ほんのちょっとだけ嗅いでみたい」

と衝動に駆られている人も多いはずです。人間は臭い物を忌み嫌いながらも、一方で興味をそそられる本能を持っているようです。

この本能は、男性より女性に強いようです。

清潔を愛する一方で臭い物のがあると嗅がずにいれない、いわば「怖い物見たさ」「臭い物見たさ」という興味を抱く人もみなさんの周囲に普通におられると思います。そして、彼女たちは「クサー」と絶叫しながら撃沈していきます。

シュールストレミング試食映像がこちらにありました。



シュールストレミング開缶(奇食の館)

臭さを撮っているというより、臭さをみんなで楽しんでいる情景がよく伝わってきます。ああ、嗅いでみたい怖さ・・・

缶を開けるときは、屋外で行うことはもちろんのこと、くれぐれもゴーグル、使い捨て手袋、全身雨合羽はお忘れないように・・・。

(2008-06-19)
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