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( 香水工場の )

香る生活


スペクタクルな香水発表会
先日お取引先と銀座でディナー。銀座で食事など太古の昔に記憶があるかないかの彼方。茫洋として思い出せません。

久しぶりに降り立ったJR有楽町駅。有楽町マリオンまでの道は「世界のラグジュアリーエリア・銀座」へのメインルートにもかかわらず道路の左右は戦後風情が懐かしい商店街だったように記憶しています。が、かなり変貌していて、本当に「開けてびっくり玉手箱」状態でした。久しぶりの銀座は異国情緒が漂い、街ブラブラだけで楽しかったです。

さて、お目当てのレストランは、ミシュランガイドに載っているお店だそうで、正直、私のガラではありません。私にミシュランレストランの値段に見合う味が堪能できるはずもありませんが、経験にはよかろうと出掛けました。こういうものは自分の大切なお金を使ってこそ勉強になるものですが、成り行き上、ご馳走になる結果となり、うれしいやら、有り難いやら、申し訳ないやら・・・複雑なディナーとなりました。

お相手は同じ業界の方々なので、当然香水の話で盛り上がりました。

その中でおもしろかったのが、ある大ブランドさんの香水発表会の話。聞き惚れました。

実は、私は大手ブランドさんの製品発表会に行ったことがありません。ブランドさんは何か新製品をリリースする際、数ヶ月前からマーケティング活動を活発化させますが、その典型的な周知活動が「新製品発表会」です。

このイベントは、マーケッターにとって腕の見せ所でありハレの場。まず大切なことは、有名雑誌や新聞社などいかに多くの影響力のあるプレスやマスコミ、記者、ビューティーライターさんを動員できるかといことです。

そして、製品発表会のイベントやショーでは、いかに彼らを驚かせ、唸らせ、最終的に記事やニュースにしてもらえるかということが勝敗の分かれ目であり、評価の分かれ目になります。

こんへんは、林真理子さんの『コスメティック』に詳しく書かれています。読むと「そんな感じ、そんな感じ」と共感します。外資系化粧品会社への就職や天職をお考えの方は一読されると参考になるかも。

有名雑誌で自社製品が取り上げられた分量や紙面面積(文字通り縦横cmの掛け算)で担当マーケッターの会社貢献度が計算されるという評価方法はちょっとショックです。

競合他社による嫌がらせとして、ライバルの「新製品発表イベント」に合わせて、わざわざ同じ日時・別の場所・別のイベントをぶつけ、記者やライターを奪い取る話、そのための対抗手段として、記者やライターを離島などリゾートなどに連れて行き途中退場させない手法などリアルな描写に満足させられる作品に仕上がっています。

話を戻します。彼女が話してくれた香水発表会は、彼女が実際に出席してきたイベントでした。

イタリア、シシリー島。海岸に面する巨大なコロッセウムで開催されたイベントは夕刻、地中海をバックに古代遺跡の巨大な石の建造物や石像のあちらこちらに無数の灯がともります。その豪華な様が目に浮かぶようです。そういう古代コロッセウムはおそらく国家的な遺産・文化財としての立入規制や使用制限があると思います。そういう場所を借り切って開催されるイベントというだけですでに圧倒的です。

近年のブランドさん・セレブさんのイベントは高級ホテルより、伝統あるお城や重要文化財の遺跡など借り切って会場にしたり、どうかするとその数時間のイベントのためだけに建物を建造してしまうケースもあります。スペクタクル度が加速しています。貴族社会の再来でしょうか?

彼女が出席したもう一つのイベント会場はヨーロッパアルプスの最高峰・モンブランの山中で行われました。出席者はヘリコプターで連れて行かれます。ヘリコプターから見下ろす白銀モンブランなど、考えただけでも気分が高揚しそうです。ああ、白ワインの連射で私はすでに酔っていました。その頃は私には眼下に拡がるアルプス連邦が見えていました。

香水発表会に続々とスペクタクルな光景が展開されています。

偉大です。圧巻です。

翌朝は軽い二日酔いで、夢の後。

(2008-07-23)
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