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( 香水工場の )

香る生活


20代の2〜3年は人生の誤差
20代の2〜3年は人生の誤差、60を過ぎると切実な時間

アンチエイジング・マーケットを制する競争は当然ながら製薬業界において熾烈さを極めています。各国の政府を巻き込んだ闘いへと変貌していますが、実はアンチエイジングは食品メーカーや化粧品メーカーにとっても大きなテーマで、次世代の化粧品や健康食品・サプリメントの巨大な潮流になります。

製薬業界とは法的区分の違うアンチエイジングのサブ市場を争う図式です。そんな時代を予測して現在食品業界と化粧品業界が泥沼の闘争を繰り返しています。

化粧品会社をやっている限り、アンチエイジングは避けて通れないテーマで、私もリソースが許す範囲で業界の動向をウォッチしています。

去年の話です。横浜のとある喫茶店でコーヒー一杯でアンチエイジングの研究をされている大学の先生と遅くまで話しました。コーヒー一杯でとことん話すなど学生の時分に戻った気分でした。

老化の原因とメカニズムは完全には解明されていないのですが、その先生は細胞組織がどのように劣化(=老化)していくのかタンパク質の分子構造レベルで研究されています。

私の関心は化粧品で細胞の劣化は防げるかどうかです。さまざまな企業や研究者がYES!と連呼してさまざまな製品を投入してきますが「ホントはどうよ?」と私自身疑問符だらけです。

お肌が若返る「ノーベル賞受賞成分」も案外チープだったりします。

その先生がおっしゃった「20代の2〜3年は人生の誤差範囲ですが、60を過ぎてからの2〜3年間は切実な時間」は印象深かったです。

待ったなしの人々はワラをも掴みたい現実。世界のどこかでその解が生み出される日は来るのでしょうか?

簡単には来ないでしょう。アンチエイジングに対してマーケティング的に大騒ぎしている人がいる一方、アンチエイジングは「幻想」と割り切っている人もいます。

米国のある大手化粧品会社はアンチエイジングを逆手に取り、エイジング(老化)は自然なこと、正しく受け入れ美しくアクティブに老いるという姿勢を打ち出していますし、現状は現実的な姿勢と私は共感します。ただし、裏ではこの会社さんでさえアンチエイジング関連商品開発に巨費の開発費を湯水のように注ぎ込んでいるハズです。

一方、フランスの世界最大の化粧品メーカーは、お肌が若返るアンチエイジング・クリームを開発・販売しています。米国では広告を監視する政府系機関に誇大広告のワーニングを受けました。政治的な意図も見え隠れするものの、ブランドらしからぬ行為に世界の識者の眉をひそめさせる小さな事件となりました。

市場が巨大なだけにアンチエイジングは迷走気味です。

インターネットがグーグルによって制覇されたように、アンチエイジング市場を制覇するのは世界の製薬会社か、それとも名もなきベンチャー企業か、それとも世界を征服してもなお不老不死のクスリを探し出せなかった始皇帝のように永遠に無理な話なのでしょうか。



(2008-08-15)
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