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( 香水工場の )

香る生活


危ない原料の転売、ありうるニュース
ここ数日、世間では事故米転売事件が話題を集めています。

<事故米転売>10年以上前から?

残留農薬などで食用にできなくなった政府管理下のお米は、合成糊など工業用途で使用されるそうですが、こっそり食用として転売されいたというものです。

今回もいつものように「内部告発」で判明しました。

ちょっとショックながら「ありうる」ニュース。

食品ではありませんが、化粧品会社をやっていると怪しげな原料売りの電話が舞い込むことがあります。

通常相場からは考えにくいチョー安価なグリセリンやオイルなどの化粧品原料の話が持ちかけられることがあります。

コスト的には関心を引きますが、多くの場合、その怪しさは絶妙です。

第一にトレーサビリティがはっきりしない。「中国で買い付けてきたモノ、絶対安全です」とはいわれるものの詳細に聞くとシドロモドロ。慣れている場合はその辺の裏話も綿密に制作されている場合があるので具体的で詳しいからと言って真実かどうか不明ですが、一般的に詳細な事情が定かでないウマい話は怪しい。

第二に相手の身元がよくわからないこともあります。当社の電話機は発信者の電話番号が表示されるナンバーディスプレイ機。驚くことは「発信者通知拒否」で電話をしてくる業者や会社があることです。

個人で発信者通知拒否は問題ありませんが、企業や会社で発信者通知拒否で電話しくる相手は、経験上、ほとんど場合、怪しい会社さんです。一応警戒するようにしています。

余談ですが、相手の身元がはっきりしない会社の中には度胸のある連中もいて、堂々と「○○物産だよ!聞いたことないのか!?」とすごむヤツもいます。この○○がまた限りなく普通名詞に近くて、どこにでもありそうな会社名でネットで検索することもできないことが何度かありました。

あまり繰り返し聞いているとこの種の人々は怒り出します。あまり話しているとバレますので当然です。

お客さまからよく受ける質問の一つに天然香料などに対して「それが本当に天然100%かどうか、どうすればわかりますか?」があります。

話せば長くなりますし、このブログでも何度か触れきましたのでここでは省きますが、結果的にそれを解明する完全な手法はありません。

「おそらく天然だろう」くらいはわかりますが、その程度です。

たとえば「メタミドホスは含まれているか?」のようにアタリをつけて「ある成分は含まれているか?」なら判別する手法は比較的存在しますが、何が含まれているかわかならない状態から、内容物の全成分解明となると通常不可能です。

ドーピング検査や残留農薬検査の難しさもここにあります。

だから原料の仕入れは信用がモノを言う世界です。特に天然系の原料は世界的に人的信用をベースとした取引コネクションがあり、案外分野ごとに世界中で狭い人間関係を構築していることは化粧品原料だけでなく食品やメタル取引関係者に共感いただくことではないでしょうか。

私がショックを受けるのは、検査だけではわからない不確定さを人と人の信用関係が補完してきた食品や化粧品原料の取引なのに、この汚染米事件では、汚染米の転売がなんと10年以上前から長きに渡ると疑われている点です。

内部告発がなければこの先10年でも20年でも信用を築いていけたのかと思うと、やりにくい世の中です。



(2008-09-07)
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