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香る生活


香りと脳の関係 (5)・・・香り成分は脳に届くの?
鼻に取り込まれた香りは、脳で何の香りか判断されます。ところが、香りの成分自体は脳まで届くことはありません。電気信号だけが伝達されます。これが意味すること、メリットとデメリットについて。


簡単には脳に入れない防衛システム


通常、消化された栄養分や摂取された医薬品成分は、血液に取り込まれ、全身に拡散しますが、脳だけは例外です。

脳には関所というべき「血液脳関門」(BBB)という防衛システムが存在し、これを通過できる物質には大きな制約があります。医薬品の成分も例外ではありません。

これは脳が非常に重要な機関であり、特別なセキュリティ機能を進化させた結果と思われます。


香りの分子は脳内に入れない


香りの場合、香り成分そのものではなく、その情報だけが脳に伝達されます。

具体的には、香りの成分が分子レベルで鼻腔内にあるレセプター(受容体)と呼ばれる嗅神経の突起の一部に物理的に結合して電気信号として、大脳辺縁系の扁桃体や海馬に伝達されます。

そのため香り成分そのものは、鼻腔内のレセプターまでで、あとは廃棄され体外に排出されます。これも脳を守るためのセキュリティの一部と考えられます。


だから香りは脳にダメージを与えにくい


成分が脳に取り込まれないメリットは、体外の化学成分が脳にダメージを与える可能性を排除できる点です。つまり、副作用がない、もしくは少ないことです。

医薬品には、必ず多かれ少なかれ副作用問題が伴いますし、副作用が致命的なレベルの場合も少なくありません(そういう医薬品は当然認可されませんが)。

香りにはそういう副作用問題がないため、香りよる何らかの効用や治療法が開発された場合、安全性の高さは魅力的です。

また、電子信号によって香りの効能・効用が発生するとすれば、実際の香り成分なしにシミュレートされた電気信号で同じ効果を発揮できる可能性があります。未来の話ですが。


しかし、シンナーは危ない


香りは安全ですが、シンナー(トルエンなどの有機溶剤)は危険です。シンナー遊びは、気化したシンナーを鼻腔内に取り込みますが、香りと同じメカニズムで電気信号が脳内に伝達されるわけではありません。

シンナーは、鼻腔から直接、脳脊髄液(脳の周囲を覆う液体)に溶け込み、脳にダメージを与えます。リン脂質で多く構成されている脳細胞・神経細胞は、脂溶性の有機溶剤が溶け込みやすい性質があるために起こる現象です。

有機溶剤は、神経細胞の髄鞘(ずいしょう、軸索の周囲を覆うリン脂質)を文字どおり溶かすと言われており、神経細胞の壊死、萎縮などを引き起こします。

世間では「シンナー遊びは、脳を溶かす」と言われます。抑止効果を狙った表現かと思っていましたが、現実に起こりうる現象のようです。本当に怖いですね。






(続く・・・)

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※この記事は[(5)香り成分は脳に届く?]

香りと脳の関係 (8)嗅覚のメカニズム
香りと脳の関係 (7)香りで痩せる
香りと脳の関係 (6)リアルに蘇る記憶
香りと脳の関係 (5)香り成分は脳に届く?
香りと脳の関係 (4)再生可能な嗅神経
香りと脳の関係 (3)香りと脳内血流
香りと脳の関係 (2)香りと認知症
香りと脳の関係 (1)なぜ脳の話
(2015-08-21)
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香る生活


香りと脳の関係 (4)・・・再生可能な嗅神経
過去1世紀「脳の神経細胞は再生しない」と信じられてきましたが、実は再生可能かもと言われ出したのでは1990年代。ちょっとだけ希望が見えてきました。


神経細胞(ニューロン)とは?


脳細胞のメインというべき神経細胞(ニューロン)は、特殊な細胞で、一般的な細胞にプラスして樹状突起(他のニューロンからの入力情報)と軸索(他のニューロンへの出力情報)が備わっています。

文字通り「樹木のような」細胞です。

もう一つの強烈にふしぎな特徴が「非再生系細胞」と呼ばれる性質。普通、細胞は分裂を繰り返して再生しますが、神経細胞(ニューロン)は、3歳ぐらいまでに細胞分裂と増殖を繰り返した後、なぜか分裂をやめて、死滅する一方の細胞群となります。

神経細胞(ニューロン)が非再生系細胞である原因に関して学説はいろいろでてきていますが、定説はまだありません。

脳内には、神経細胞(ニューロン)だけでなく血管を構成する通常の細胞もあれば、神経細胞(ニューロン)をサポートしているグリア細胞もあります。グリア細胞は、神経細胞(ニューロン)の10倍あるともいわれ、神経細胞(ニューロン)への栄養補給や軸索の保護を行っています。

一般に「脳細胞」と言った場合、脳の脳たる機能は、やはり神経細胞(ニューロン)が果たしているわけで、神経細胞(ニューロン)の再生は、認知症や脳の機能障害の方には、夢の治療法です。



現在脳科学の基礎を築いたカハール博士


サンティアゴ・ラモン・イ・カハール(Santiago Ram?ny Cajal,1852-1934,スペイン)によって確立した「ニューロン説」(The Neuron Doctrine)は、現代の脳科学の基礎になっている重要な学説です。

ニューロン説の基本は下記の4項目です:

・脳神経の基本構造はニューロンによって構成されており
・ニューロンは独立した一つの細胞であり一つの単位である
・ニューロンは3パートで構成されている - 細胞本体(body)・軸索(axon)・樹状突起(dendrite)
・電気信号(情報)は、一方向にのみ流れる(樹状突起 → 細胞 → 軸索)

これは脳細胞が通常細胞と違うこと、ニューロン同士は直接の結合がなくシナプスという接合部位が存在するなど、中学校や高校の教科書に書いてあった内容を思い出させます。

カハール博士は、解剖学の専門家でしたが、現在の脳科学はすべてこの方に通じると言っても過言でないほど影響力があります。ニューロン説によって1906年ノーベル賞を授与されました。



毎日、脳細胞は死んでいる!


論文の中で博士はこう言われています:

「(ニューロンは)死ぬことはあっても再生することはない」



”Once the development was ended、the founts of growth and regeneration of the axons and dendrites dried up irrevocably. In the adult centers、the nerve paths are something fixed、ended、and immutable. Everything may die、nothing may be regenerated. It is for the science of the future to change、if possible、this harsh decree.”

「幼少期に脳細胞の発育が止まれば、ニューロンの軸索や樹状突起の成長と再生枯れてしまう。成熟した脳では神経経路は固定化されており変化することはない。すべてのニューロンは死ぬことはあっても再生することはない」


おそらく1913年前後の論文に書かれているらしいですが、これが延々90年、世界中の人々が信じてきた「脳細胞は再生しない」という"常識"の原点と思われます。



近年、脳細胞再生のニュースが急増


1990年以降、脳細胞再生のニュースが急増しています。

神経細胞(ニューロン)は非再生系で「再生不可」が、過去100年くらいの「脳の常識」でしたが、現在では脳内でも「海馬」と「嗅神経」(嗅覚細胞群)は再生していることが知られるようになりました。

このエリアの神経細胞(ニューロン)は、「脳神経幹細胞」が含まれているのではないかと考えられているそうです。

「幹細胞」とは、他の細胞に分化可能な夢の細胞です。

海馬は、前回のセクションにでたとおり短気記憶に深く関わるエリアですが、嗅覚の情報もダイレクトに受けるエリアです。香りが脳細胞再生に役立つと期待する研究者達のテーマになっています。


(続く・・・)

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※この記事は[(4)再生可能な嗅神経]

香りと脳の関係 (8)嗅覚のメカニズム
香りと脳の関係 (7)香りで痩せる
香りと脳の関係 (6)リアルに蘇る記憶
香りと脳の関係 (5)香り成分は脳に届く?
香りと脳の関係 (4)再生可能な嗅神経
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香りと脳の関係 (1)なぜ脳の話
(2015-08-18)
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香りと脳の関係 (3)・・・香りと脳内血流
ある種の香りを嗅ぐと脳内の血流が増加することがわかってきました。脳血流の増加は、脳活性化と考えられます。


脳血流を増やすもの


脳血流の増加は、脳をよく使ったときにも見られますし、手足の運動やピアノなど複雑で緻密な指の動作でも観察されます。

そして、意外と知られていない脳血流ブースターが「よく噛むこと」と「香り」です。


「よく噛む」と脳内血流


私たちは、小さい頃から「よく噛んで食べなさい」と言わてきたと思います。消化がよいからと聞かされていましたが、発育盛りの子供達にはそういうトラブルの実感は薄く、よく噛む意味、というか価値がわかりにくいと思います。

しかし、私の場合、年齢とともに胃腸もお疲れ気味で、さらに噛めば脳内血流が増加する事実を知り、「よく噛む = 脳活」であることを知って、今ではとっても御利益を感じるようになりました。

実験によると硬い食べ物・歯ごたえがある食品の方が、柔らかい食品よりも効果的です。

これは体内に取り込まれた栄養が脳を活性化させることよりも、顎を動かす(咀嚼とは顎・舌の協調動作や唾液分泌など複雑な協調作業が求められる活動らしいです)行為が脳神経を刺激し、脳を活性化させていると推測されます。

実際、栄養や養分を含まないチューインガムを噛むだけでも血流の増加が知られています。


香りで刺激される脳血流


また香りも脳血流を増加させる要素です。香りで食欲が増すことは日常的によく体験します。香りが食欲を増進させる脳内のメカニズムはどうなっているのでしょうか?

・おいしい香り →
・脳細胞や神経がアクティブになる(酸素消費増加) →
・多くの酸素が必要 →
・脳内血流が増加する

と考えられています。香りが脳に与える刺激になりうる実例です。


香りの種類により活性化される強さや部位には差がある


しかし、すべての香りで同じような脳内の活性化が見られるわけでなく、香りの種類によって、強度や活性化する脳内の部位には大きな違いが観察されるとのことです。

ある香りは副交感神経を刺激(交換神経は抑制)し、ある香りは逆の現象を引き起こすなどのデータが、とくに精油の分野で調査が続いています。たとえば、

・ラベンダー精油 → 副交感神経刺激(交換神経抑制) → 鎮静作用
・レモン精油 → 副交感神経抑制(交換神経刺激) → 興奮作用

香りが自律神経系を刺激することができるとすれば、それは体内における何らかの生理的な現象を引き起こすことができるポテンシャルがあることを意味します。今まで経験的に知られてきた精油の効果が脳科学の分野でも実証されはじめています。


香りが刺激する自律神経系・ホルモン系


香りが交換神経・副交感神経系の自律神経系を刺激することが実験によってエビデンスが集積されつつありますが、実は自律神経系だけでなく、香りは体内ホルモン系あるいは免疫系のシステムにも影響を与えることが知られるようになってきました

(続く・・・)

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※この記事は[(3)香りと脳内血流]

香りと脳の関係 (8)嗅覚のメカニズム
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香りと脳の関係 (5)香り成分は脳に届く?
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香りと脳の関係 (2)香りと認知症
香りと脳の関係 (1)なぜ脳の話
(2015-08-11)
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香りと脳の関係 (2)・・・香りと認知症
認知症患者の方には、香りを認識できないトラブル(=嗅覚異常)をかかえている患者さんが多いそうです。認知症と香りにどんな関係があるのでしょうか?


嗅覚(きゅうかく)という感覚


「きゅうかく」と読みます。嗅覚はヒトの五感の一つです。ヒトの嗅覚は、視覚や聴覚と違って、他の高等動物よりも劣るとされます。

たとえば「イヌの嗅覚はヒトの1億倍」と言われます。これは酢酸をどこまで薄めて認識できるかという実験をした結果のデータだそうですが、ちょっと大きすぎて実感できない数値ですよね。嗅覚の能力差を物語るごく一例でしょう。

嗅覚細胞の数や認識できる香りの種類などいろいろなデータを集めて総合すると一般に「イヌはヒトの数千倍から百万倍程度の香りの認識能力がある」という程度に理解していればよいかと感じています。

イヌはとくに嗅覚に優れていますが、おおむね、ヒトの嗅覚は他の多くの動物に劣ります。これはヒトの嗅覚が未発達というより、高度で論理的な計算ができる大脳皮質を進化させる過程で、嗅覚は「それほど重要性がない」感覚として劣化させた結果ではないかと考えられています。


嗅覚の最重要ミッション


嗅覚の重要なミッションとは何でしょうか? 私はこの2つではないかと考えています:

「この食べ物は摂食可能か?」
「この生き物は仲間か、敵か、生殖活動のパートナーか」

嗅覚とは、生命を守ることに直結する上記判断に関して、直感的衝動を瞬時に発生させるためのセンサー兼指令機関。

鼻腔(びこう・びくう)内の嗅覚細胞から繋がる神経は、直接「大脳辺縁系」という進化の中で古い時代に属する脳に直結しています。視覚・聴覚など他の感覚が「大脳皮質」という高度な脳をいったん経由して「大脳辺縁系」に伝えられることを考えると非常に特別な構造です。

なぜ嗅覚は大脳辺縁系に直結しているのか、現在の最先端の研究でも不明です。


香りを感じる嗅覚と脳の仕組み


鼻腔内の上皮には嗅覚細胞と呼ばれる香りを感じる細胞が配置されています。それらは嗅覚受容体(レセプター)を持っており、香りの分子がこのレセプターにキャッチされることで香りの信号が電気信号として伝達されます。

ヒトのレセプターの種類は350程度で、それぞれのレセプターが捕捉できる香りの分子は物理的な分子構造に依存しています。香り分子は複数のレセプターに捕捉され、その組み合わせで認識される香りは数千から1万種類程度になると考えられています。


なぜ認知症で嗅覚が衰えるのか?


認知症は、短気記憶力の衰えが発現しやすい傾向があります。実際、認知症患者の脳は、大脳辺縁系内のとくに「海馬(かいば)」の萎縮や壊死(えし)が多く観察されます。

海馬は、短気記憶の中枢機能ですが、同時に香りの信号を受け取り処理して感情を起こしたり、もっと高度な判断ができる大脳皮質の「嗅覚野」(きゅうかくや)に情報を伝達する働きがあります。

つまり、海馬の損傷は、香り・ニオイ認識機能に大きな打撃になります。


簡単ニオイテストで認知症の早期発見?


このように認知症と香りの嗅覚能力の間には、相関関係があることが多く、簡単なニオイ(嗅覚)テストで、認知症の早期発見ができる可能性があるとして研究されています。


香りと味覚の関係


香りがわからないと食べ物のおしさがわかりません。味覚は、甘味・酸味・塩味・苦味・うま味の認識をしますが、食品の風味自体は香りとともに行われているようで、鼻(嗅覚)に異常があると、食べ物がおいしく感じられません。

試しに鼻をつまんで食べてみると「味が感じられない」という錯覚さえ覚えます。食事の楽しみは人生の大きな部分ですし、生活自体の楽しさが損なわれます。


逆に香りは脳を再生させられないのか?


認知症患者さんは嗅覚障害を起こされている方が多いので、結果的に食事の楽しみもなくなり、生活の刺激も薄れ、脳を刺激する要素が次々と失われる負のスパイラルに陥る危険性があります。

逆に香りで直接、神経が繋がる海馬を刺激することはできないのか、という疑問が現在多くの脳科学者やアロマテラピー研究者のテーマとなってきています。


(続く・・・)

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※この記事は[(2)香りと認知症]

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香りと脳の関係 (1)なぜ脳の話
(2015-08-10)
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香る生活


香りと脳の関係 (1)・・・なぜ脳の話
何かと「脳の活性化」が話題になる昨今です。「脳活」「脳トレ」「脳活性化」「脳若返り」「脳年齢」・・・なんてコトバもややブーム気味ですよね。


ワークショップ開催の背景


8月初旬、日本橋の三越百貨店さんのカフェで香りのワークショップを開催させていただきました。こちらのカフェでは、毎日何かしらのワークショップを開催されています。集客と同時にお客様サービスの一環かと思われます。

ある雑誌社さんの取材を受けた際に、香りのワークショップやってみない?と打診され、軽い気持ちでお受けした次第です。この雑誌社さんは雑誌記事だけでなく、こちらのカフェさんのワークショップ企画なども担当されているようで、そういうご縁で開催となりました。

ただし、雑誌『ときめき』(世界文化社)の大きなテーマが「脳活」や「若返り」ですので、香り創り+脳活という内容になりました。


嗅覚(きゅうかく)の研究はごく最近盛んになった


もともと嗅覚の研究は非常に遅れていると言われてきました。

が、2004年にコンロンビア大学のリンダ・バックさんとリチャード・エクセルさんが嗅覚の受容体遺伝子に関する研究でノーベル賞を受賞したことで、嗅覚の研究が世界的に脚光を浴びるようになりました。

それまで、視覚や聴覚と比較すると一般に嗅覚の重要性は低いイメージありましたので、このノーベル賞は生物学や医学会だけでなく香水の業界でも話題になったちょっとした"事件"でした。

この事件はもう10年も前ですが、なんか私たちからすれば、つい最近のことのように感じます。

嗅覚は脳の中心部、大脳辺縁系と呼ばれる本能系の脳に直結しているだけに、そのまま脳研究になりますが、当然、わからないことだらけ。しかし、このノーベル賞から嗅覚分野の研究を志す研究者も増加し、研究は大幅に進んみ現在も次々に新しい研究成果が生み出されています。

香りと脳の関係については、日本ではとくにアロマセラピーの分野で研究が盛んになってきていますので、書籍などもだいぶん増えてきました。


体験的に感じる香りと脳の関係


脳の話は、当社には専門外なので書籍や公開されている資料から調べるしかありませんが、それらを読み進めると、香りの仕事をしていて体験的に共感する内容もちらほらあり、おもしろいですね。

そんな情報と体験談を交えてワークショップでは、香水制作実習の前座としてお話をさせていただきました。ワークショップ用に作成したメモを元に何回かに分けて「香りと脳」を書きます。


(続く・・・)

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(2015-08-08)
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ベタガード生産、夏場の生産開始
ベタガードは冬場によく売れる商品です。そのため、ベタガードは毎年、秋口に集中的に生産し、11月から3月まで怒濤のように販売しておりました。

ハンドクリームって夏場も必要な方がそれなりに


冬場、よく売れるベタガードも、通常は、3月後半から急速に販売数が落ちます。しかし、今年の落ち込みは例年ほどでなく、5月には、むしろ販売数が伸びだして、ついに想定外の早さでほぼ在庫切れ状態です。

そのため5月に入ると、Amazonでの販売を休止し、販売窓口を当社サイトのみに絞り、細々と販売しておりますが、打開策として6月から生産を開始することになりました。6月に開始しても、小さな工場なので量産できる体制でなく、初冬まで作り続けることになりそうです。


夏場も必要な理由は?


それにしても、なぜ5月にハンドクリームが売れるのか?異常な暑さとの関連があるのか?当社も分析できていません。梅雨も近くなり、湿度も高くなりました。空気の乾燥自体は少なくなってきていますが、季節の変わり目は、手湿疹など出やすい方も多いようです。

また、夏に近づくことで日焼けケアとしてベタガードを利用される方もおられます。

日焼け止めに使用されているというお客様もおられました。ワセリン自体に日焼け止めの効果は、科学的には証明されていなかったと思います。

ただ、第二次世界大戦までは、世界の海軍でワセリンが、水兵さん達に「日焼け止め」や「日焼けケア」に利用されていたという記録がありますので、何らかの効果があるのかもしれません。


夏生産チャレンジ


このようなわけで若干、うれしい悲鳴状態ではありますが、夏の暑い季節に製造することは今回はじめてです。

ベタガードの原料(ベタガードに限らず、多くのハンドクリームも)は、気温によって柔らかさが全然違うため、充填機や工場のラインの調整が違ったものになります。

このへんの研究やノウハウ収集もしっかり「夏生産」で獲得したいと意気込んでいます。


(2015-06-01)
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