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( 香水工場の )

香る生活


ワインと香水の意外な共通性#2(香りを楽しむモノ)
香りと味の深い関係
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・ワインと香水:どちらも香りを楽しむモノ。

ワインは「色」「香り」「味」で楽しむモノ・・・とは20年くらい前、私たち平均的な日本人が、まだ日常的に体験していないワインに触れたはじめたとき、最初に指南された教えです。レストランではテイスティングなんかもさせられました。しかし、当時の儀式がかったテイスティングは本当に恥ずかしかったです。

子供の頃からワインを飲んできた私(「赤玉パンチ」を飲む少年でした)にとって、ワインとはガブっと飲むのものでしたので、蝶ネクタイのニイさんがインギンにワインを注ぐ姿は妙でした。

テイスティングの際は、カブっと飲んでにっこり笑って「旨い!」と言うのですが、多くの給仕たちに「田舎者め」という眼差しで見下されたものです。

今ではワインはすっかり私たちの日常に溶け込み普通に飲むお酒です。「色・香り・味を楽しむワイン」という意味も普通に理解されるようになりました。

グラスを持ち上げ水平や斜めにしてワインの色彩を自然に愛で、グラスに鼻を近づけ香りを確かめて、グラスのステムか脚座の縁を持ってグルグル回して香りを確かめる人も多く見かけます。

中には口に含んで舌の上で転がせるように飲んでいる人(端から見ると、うがい?しているとしか見えない)人までいますが、かなり本格的です。

味と香りは密接です。おいしいものの味は舌で判断されると考えられがちですが、味とは、舌と鼻すなわち嗅覚の相互作業で感じれるもの。その証拠に鼻を摘んで匂いを絶ちながらモノを食べると味がわからなくなります。

匂いは鼻の内側の奥にある嗅覚受容体(きゅうかくじゅようたい)や匂いレセプターと呼ばれる神経細胞郡によって認識されます。舌が判別できる味は、現在の定説では「塩味、苦味、甘味、酸味、うま味」の5種類。

ワインももちろんですが、すべての食物がこの5種類の味で表現されることはなく、一般に言われる食品の「風味」はその食品に含まれる香りによって体験する味と考えられます。

よって、香りが味の決め手という説も納得できるところです。食品における香りとは「匂い」ではなく「味そもの」と考えて差し支えないと私は信じています(異論もあるでしょう)。

ちなみに食品の「味付け」のことを英語では「フレーバーリング」と言いますが、フレーバーとは事実上「香料」そのものです。味と香りの深い関係が推察できます。

ワインの香りは、すなわちワインの味そのものでもありワインを評価する際、香りのよさは特に重要視される項目です。一方、香水は香りの商品、香りがすべてです。ワインも香水もどちらも香りを楽しむのもという点で共通点の第一に挙げさせて頂きました。

(続く・・・)

ワインと香水の意外な共通性#8(保管方法)
ワインと香水の意外な共通性#7(オリ)
ワインと香水の意外な共通性#6(よい製品はよい畑作りから)
ワインと香水の意外な共通性#5(優勢なフランス語)
ワインと香水の意外な共通性#4(アッサンブラージュで奥深く)
ワインと香水の意外な共通性#3(明記されない賞味期限)
ワインと香水の意外な共通性#2(香りを楽しむモノ)
ワインと香水の意外な共通性#1(似た関係)
(2009-06-18)
( 香水工場の )

香る生活


ワインと香水の意外な共通性#1(似た関係)
ワインと香水の似た関係を発見
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楽しいお酒はいいですよね。私の例にもれず日本酒やワインは仕事の後の楽しみです。

とくにワインは、近年とても身近になってきました。過去20年間に起きたワインブーム、たとえばボージョレ・ヌヴォーや赤ワイン・ブーム(ポリフェノールブーム)を経て日本でも本格的なワインが安価に飲めるようになりました。

ボージョレ・ヌヴォーブームは、あえて日本人が騒ぐのはどうか!?というブームでしたが、結果としてワイン人口を拡大させた功績もあります。痛し痒しですね。

ソムリエさんなどワイン関係者がマスコミに頻繁に取りあげられたことも普及の要因かもしれません。ワイン消費量は国産ワイン・輸入ワインともに確実に伸びているそうで、ワインはすっかり日本に定着した感があります。

ところがワインの本場、ヨーロッパでは日本の日本酒同様、年々ワインの消費量が減少しています。

その上、南米やアメリカ、オーストラリア、南アフリカなど世界的規模でワイン生産が拡大していますので、ワインはますます安価になる反面、ヨーロッパの伝統的なワイナリーやワイン用ブドウ栽培農家の苦戦や惨状がニュースなどで流れるようになりました。心が痛みます。

さて、ワインと香水のおもしろい共通性について。「飲み物」対「化粧品」、その違いは当然明白ですが、ワインと香水はとっても似た者同士。案外共通するものがあるんですね。そのいつくかを数回に分けて書きます。

(続く・・・)

ワインと香水の意外な共通性#8(保管方法)
ワインと香水の意外な共通性#7(オリ)
ワインと香水の意外な共通性#6(よい製品はよい畑作りから)
ワインと香水の意外な共通性#5(優勢なフランス語)
ワインと香水の意外な共通性#4(アッサンブラージュで奥深く)
ワインと香水の意外な共通性#3(明記されない賞味期限)
ワインと香水の意外な共通性#2(香りを楽しむモノ)
ワインと香水の意外な共通性#1(似た関係)
(2009-06-17)
( 香水工場の )

香る生活


移転のおしらせ(国立オフィスへ)
事務所が手狭になってきました。

広いところに引っ越すと「それはそれで不思議と荷物が増える」というジンクスどおり、引越す度に増えた荷物を抱えて再引越を繰り返しすことになります。

当社もまたもや引越のタイミングが来ました。

前回の引越から2年半ぶりです。

今度は隣町の国立市にオフィスを移すことになりました。


(2009-06-16)
( 香水工場の )

香る生活


オードトワレとオードパルファム#4
「Toilette」がなんとなく読めてしまうのが問題?
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オードトワレとオードパルファムのあってないような微妙な関係に前回触れました。ネットを検索するとオードトワレとオードパルファムの違いについて濃度の他に「香りの持続時間」の違いも多くのサイトで明記されています。微妙です。

香料濃度が高ければ香りの持続時間も長いという理論はウソでないにしろ実情には合っていません。ムスクなどの動物性の香料やサンダルウッド(白壇)などの樹脂系の香料はごく少量でも翌日や翌々日まで残ったりして驚いたり困ったりした経験はありませんか?

持続時間を左右するのは濃度ではなく成分です。

当社のシャワージェル「白檀」という商品は、半年以上在庫切れを起こしています(今月再生産に入ります)。再生産になかなか踏み出せなかった事情はいくつかありますが、その一つはお客様の意見というか感想というか、ネットで「いつまでも匂いが取れなくて困る・・・」という書き込みを発見したことです。

当社のシャワージェルには現在3種類。ローズ・シトラス・サンダルウッド(白壇)。サンダルは強いのでという理由で、配合比率をローズ・シトラスの濃度の半分におさえました。しかし、香りの持続時間は数倍です。今回ようやく再生産に踏み切りますが、濃度はさらに落として強すぎた方にも使いやすくします。

これは持続時間を目安にしてオードトワレとオードパルファムを分けるのも、実際とは少し違うという一例です。


オードトワレは「化粧室の水」という意味。けど、このトワレ「Toilette」というフランス語が曲者です。何と読むか読んでみると・・・日本人には「トイレット」と読めます。

英語圏の人も同じ状況です。困っています。この辺の事情は昔書かせてもらいました。

衝撃的な質問だった「オードトワレはトイレでしか使えないのか?」

・・・このような事情も「オードトワレ」というネーミングが世界的に減少の傾向に拍車をかけているのではないかと感じています。


オードトワレとオードパルファム#4
オードトワレとオードパルファム#3
オードトワレとオードパルファム#2
オードトワレとオードパルファム#1


(2009-06-13)
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香る生活


オードトワレとオードパルファム#3
パルファム・オードパルファム・オードトワレ・オーデコロンすべてを意味する便利な「香水」というコトバ
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下記は、前々日あげた香水の種類のリストです。

・パルファム(Parfum) -> 厳密な意味での「香水」。
・オードパルファム(Eau de Parfum) -> 香水の水。やや薄め目の香水。
・オードトワレ(Eau de Toilette) -> 化粧室の水。
・オーデコロン(Eau de Cologne) -> ドイツ・ケルンの水。

この他、「パルファンドトワレ」や「シャワーコロン」も比較的使用されます。その他にも違った種類と言い方があります。要はいくらでも命名していいのです。ただ、それが世間で一般的に広く使用されるかどうかの問題です。その言葉がデファクト・スタンダードになるかは別の問題ですので。

そういう意味では現状上記4種類(パルファム・オードパルファム・オードトワレ・オーデコロン)が、世界的にデファクトの地位にある香水の種類だと思います。日本語の場合、厳密な意味での「香水」は「パルファム」のみを差しますが、一般には上記4種類すべてを差します。

世界的に流通している主力香水はオードパルファム・オードトワレなので、香水をパルファムの意味限定で使用することは実情に合いません。「香水」を上記4種類まとめて差すコトバとして使用されることが大半でしょう。逆に「香水」という一言で全部含まれるので便利です。

さて、この香水四兄弟、実はちょっと多すぎる感があります。一応各香水メーカーは、たとえば15%以上はパルファムで8%以上はオードパルファムで・・・なんたらと香料濃度による独自のガイドラインを設けているところが多いのですが、3種類くらいでいいのではないかというトレンドが徐々に世界的に拡大中です。

具体的には、オードトワレとオードパルファムは香りの効果も濃度も違いが少なくオードパルファムに収束する傾向にあります。


(続く・・・)

オードトワレとオードパルファム#4
オードトワレとオードパルファム#3
オードトワレとオードパルファム#2
オードトワレとオードパルファム#1

(2009-06-11)
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香る生活


新作「樹海」

富士山麓に拡がる森林がテーマ


香水「樹海」は、富士山麓に拡がる森林の香りをテーマにした香りです。

「樹海」(じゅかい)というネーミングであなたがイメージする光景は?・・・青木ヶ原樹海ですか?社内でもイメージがややマイナスにブレるかもしれないという危惧の声が多かったのですが、悩んだ末決定されたネーミングです。

他に候補になったネーミングも紹介します。

「コメツガ」「モン・フジ」「マウント・フジ」「シュヴァルツヴァルト」「フジ・フォレスト」・・・


コメツガのシトラスな香り


フローラル・フォーシーズンズ「樹海」は、富士山とその森林を覆う空気を吸って受けた感動を香りに託した作品です。

大地の匂い、燻る落葉の匂い、苔の匂い、樹木の匂い・・・様々な匂いが混じり合う世界です。

特にモミの木に似たコメツガの凛々しい姿に心惹かれ、コメツガの葉のグリーン感をベースにメンズの香りへと仕上げました。

おもしろいことにコメツガの葉っぱを手のひらの上で揉んで上がる香りには優しくナチュラルなグリーン感だけでなく、グレープフルーツの香りが内包しています。

それは、針葉樹の葉にありがちなシャープなグリーン感ではなく人の心に懐かしさを呼び覚ます香りでした。パフューマーはインスピレーションを大いに刺激されました。クリエーション魂に灯が灯る香りでした。


樹木の香りをベースに爽やかに


シプレーでもないフゼアでもない、メンズフレグランスに多用されるレザー(皮革の香り)やタバック(葉巻やパイプの香り)も使用せず、とにかく「ナチュラルで爽やか」に仕上げました。

あまりにもナチュラルでユニセックスとしても充分に使用可能です。

コメツガとは、ツガ(栂)という樹木の仲間。葉っぱが小さいので「米粒のツガ」という意味でコメツガ(米栂)と呼ばれるそうです。

マツ科ツガ属の樹木。高地でも低地でもない山岳地帯を好んで生育する日本固有の針葉樹です。

松の木同様、しゃがれた樹皮はいかにも厳しく触りがたく、見る人に近寄りがたい印象を与えます。

とくにコメツガは岩肌がむき出しになった崖や急傾斜地、土壌の薄い尾根や稜線など険しいところもモノともせずに這いつくばって巨木に成長します。そんな様がオトコの強さや逞しさのような安らぎ感を与えます。


別のメンズフレグランス構想から着想を得る


この香りにはちょっとした思い入れとテーマが紛れ込んでいます。

数年前、遊び心ではじまったオードパルファム「土方歳三」という商品開発プロジェクト。

以前このブログで書きました。オードパルファム「土方歳三」のアイデアは、新宿のあるレストランでオヤジ達のトグロから飛び出したものでした。

その後、資料館になっている土方の生家やゆかりの土地に行ったり(もともと多摩地区の人ですから生家もゆかりの地も武蔵野に点在)、資料を集め読んだりしましたが、開発プロジェクトそれ自体は頓挫しました。

そのとき集め溜めた「土方の香り」のスケッチブックは、ずっと頭の中に残っていて、それが形になったものが『樹海』です。

完成したモノは「鬼の副長・土方」には、とても似合わないナチュラルで優し香りですが、森林のような深みは共通しています。

・格調高くナチュラル

・爽やか

・大人の男女におすすめ



樹海
(2009-06-10)
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