( 香水工場の )
香る生活
香るイチジクの葉っぱ
お客様からイチジクの乾燥葉をいただきました。意外にもよい香りに驚く話(2017/06/05)
(イチジクの乾燥葉っぱ。この香り、癒やされます。※写真に見えるサンタさんは、サンタ型のクリップ、特に意味はありません)
私の実家にはイチジクの樹があり、初夏に実を付けていました。イチジクの記憶と言えば、初夏に実がなること、そして、子供の頃、それをちぎって食べていたこと。
ただ、子供にとって、そんなに驚喜するような食べ物ではありませんでした。
今となっては、イチジクが練り込まれたイチジクパンなどはワインのお伴として、ちょっと贅沢なおつまみとなっていますが、あの味は大人にならないとわからない味なんだなと今さら感じます。
フレグランスの仕事をするようになって、海外ではイチジクの葉っぱの香りをフレグランスとして楽しむ人々が存在することに気づきました。日本ではあまり聞きませんよね。
イチジクの葉っぱは英語では「フィグリーフ」。「フィグ」がイチジク。
子供の頃、食べていた自家製イチジクの食感や味や、そして、葉を折ると吹き出す白色の液体の記憶はあるのですが、ニオイの記憶はありません。
数ヶ月前、別件にてお客様と電話協議していたら、何かのはずみで話題がイチジクの葉の香りになりました。梅雨の頃になると葉っぱを収穫して室内で干しておくそうです。
そうすると時間とともにイチジクの葉の香りがお部屋に漂うようになり、ナチュラルな香りで自宅が満たされるそうです。
内心「そんないい香りだったかな?」と受話器を握っておりましたが、次回、葉っぱを送ってあげましょうと提案されました。
いえいえ、そんなお手数には及びませんと返答しましたが、ある日、封筒に入れられたイチジクの葉っぱが我が社のポストに投函されておりました。
封筒から取り出したイチジクの葉っぱは、プレスしたように(電話帳で押し花にしてもらった模様)、平坦で乾燥していました。
鼻を近づけると、うーん、これは柏餅の匂い。
近くにいたスタッフに「どんな香り?」と言いながら「柏餅みたいでしょう? これイチジクだって」と完全に誘導・ネタばらし・完結型の質問をしておりました。
会社の壁に一枚貼り、自宅の天井に数枚つり下げて香りを観察中です。送られてきて一週間程度、香りはやや変化している気がします。
どこか「ニッキが混じったような・・・」というスタッフもおります。ニッキ(シナモン)のような香り(日本のお菓子・八つ橋はニッキの香りが特徴ですよね)も確かに潜んでいます。
おもしろい香りです。
興味が湧いて、ちょっと調べてみました。なになにアダムとイヴの例の"局所隠し菜っ葉"は、イチジクの葉だったか。
イチジクは、旧約聖書の"エデンの園"に登場するレギュラー樹木。つまり、キリスト教の人々からすれば、神が住まわれる楽園の樹木ですから、いかに神聖なものか察しが付きます。
日本人の感覚からするとおそらく、樟脳か菩提樹あたりに相当するのでは。
アダムとイヴは、蛇にそそのかされ「禁断の果実」を食べて楽園を追われますが、この禁断の実、リンゴかイチジクかで論争が絶えなかったこともはじめて知りました。
当社のパフューマーにも香りを見せたところ「おもしろい香り」と言っておりました。
葉っぱのグリーン感がベースの香りですが、独特の甘さがあり、スパイスのように気持ちをちょっと刺激してくれるところが印象的です。
お部屋に吊すというお客様の趣旨がわかりました。
吊しておくと乾いた干し草のようなグリーン感のある香りがじわーっと下りてくるのです。お客様はセクシーな香りとも表現されていました。
お香を焚かれるご家庭はそれなりにあると思いますが、もしご自宅にイチジクの樹が生えているなら、お香代わりにこんな使い方も、オススメかもしれません。
焚かれたお香ほど、はっきりとは感じませんが、しかし、タダですし、手間暇かけずに香りライフが楽しめますよ。
米国カリフォルニアに拠点を置く"香水なんでも辞典"「Fragrantica」(フラグランティカ)には、フィグリーフの香りについての濃い内容の記事が掲載されています。
世界のフィグリーフ・フレグランス製品も、このページに多数リストアップされています。こんなにあるですね。
そして、フィグリーフの雰囲気を出すためのキーとなる香り成分(香料)の紹介もあります。
キーとなる香り成分(香料)とは「ステモンとγ-オクタラクトン」(stemone and octalactone gamma)
ステモンとは、大手香料会社ジボダン社の香料。グリーン感を演出する香りです。
γ-オクタラクトンは、果物のプルーンのような香りで、この二つを合わせることでフィグリーフのような香りになると解説されています。
これらの香料は、当社でも使っていますが、この二つだけでは、本物の香りからは、ほど遠いでしょう。経験的にそう感じます。時間が許せば、ちょっとテストしてみたいような・・・
上記のフラグランティカのページでフィグリーフの説明に「この香りは、どこか地中海を感じさせる(To give a Mediterranean feel)」だそうです。
欧米人にとってフィグリーフは、地中海の夏のバカンスのイメージも香ることが伝わってきます。イチジクには、彼らにとって歴史的・文化的背景があるんですね。
(2017-06-05)
(イチジクの乾燥葉っぱ。この香り、癒やされます。※写真に見えるサンタさんは、サンタ型のクリップ、特に意味はありません)
イチジクの記憶
私の実家にはイチジクの樹があり、初夏に実を付けていました。イチジクの記憶と言えば、初夏に実がなること、そして、子供の頃、それをちぎって食べていたこと。
ただ、子供にとって、そんなに驚喜するような食べ物ではありませんでした。
今となっては、イチジクが練り込まれたイチジクパンなどはワインのお伴として、ちょっと贅沢なおつまみとなっていますが、あの味は大人にならないとわからない味なんだなと今さら感じます。
フィグリーフのフレグランス
フレグランスの仕事をするようになって、海外ではイチジクの葉っぱの香りをフレグランスとして楽しむ人々が存在することに気づきました。日本ではあまり聞きませんよね。
イチジクの葉っぱは英語では「フィグリーフ」。「フィグ」がイチジク。
子供の頃、食べていた自家製イチジクの食感や味や、そして、葉を折ると吹き出す白色の液体の記憶はあるのですが、ニオイの記憶はありません。
イチジクの乾燥葉っぱ
数ヶ月前、別件にてお客様と電話協議していたら、何かのはずみで話題がイチジクの葉の香りになりました。梅雨の頃になると葉っぱを収穫して室内で干しておくそうです。
そうすると時間とともにイチジクの葉の香りがお部屋に漂うようになり、ナチュラルな香りで自宅が満たされるそうです。
内心「そんないい香りだったかな?」と受話器を握っておりましたが、次回、葉っぱを送ってあげましょうと提案されました。
いえいえ、そんなお手数には及びませんと返答しましたが、ある日、封筒に入れられたイチジクの葉っぱが我が社のポストに投函されておりました。
第一印象は「柏餅」
封筒から取り出したイチジクの葉っぱは、プレスしたように(電話帳で押し花にしてもらった模様)、平坦で乾燥していました。
鼻を近づけると、うーん、これは柏餅の匂い。
近くにいたスタッフに「どんな香り?」と言いながら「柏餅みたいでしょう? これイチジクだって」と完全に誘導・ネタばらし・完結型の質問をしておりました。
会社の壁に一枚貼り、自宅の天井に数枚つり下げて香りを観察中です。送られてきて一週間程度、香りはやや変化している気がします。
どこか「ニッキが混じったような・・・」というスタッフもおります。ニッキ(シナモン)のような香り(日本のお菓子・八つ橋はニッキの香りが特徴ですよね)も確かに潜んでいます。
おもしろい香りです。
調べてみて知った奥深いイチジク
興味が湧いて、ちょっと調べてみました。なになにアダムとイヴの例の"局所隠し菜っ葉"は、イチジクの葉だったか。
イチジクは、旧約聖書の"エデンの園"に登場するレギュラー樹木。つまり、キリスト教の人々からすれば、神が住まわれる楽園の樹木ですから、いかに神聖なものか察しが付きます。
日本人の感覚からするとおそらく、樟脳か菩提樹あたりに相当するのでは。
アダムとイヴは、蛇にそそのかされ「禁断の果実」を食べて楽園を追われますが、この禁断の実、リンゴかイチジクかで論争が絶えなかったこともはじめて知りました。
おもしろい香り
当社のパフューマーにも香りを見せたところ「おもしろい香り」と言っておりました。
葉っぱのグリーン感がベースの香りですが、独特の甘さがあり、スパイスのように気持ちをちょっと刺激してくれるところが印象的です。
お部屋に吊すというお客様の趣旨がわかりました。
吊しておくと乾いた干し草のようなグリーン感のある香りがじわーっと下りてくるのです。お客様はセクシーな香りとも表現されていました。
お香を焚かれるご家庭はそれなりにあると思いますが、もしご自宅にイチジクの樹が生えているなら、お香代わりにこんな使い方も、オススメかもしれません。
焚かれたお香ほど、はっきりとは感じませんが、しかし、タダですし、手間暇かけずに香りライフが楽しめますよ。
フラグランティカの記事
米国カリフォルニアに拠点を置く"香水なんでも辞典"「Fragrantica」(フラグランティカ)には、フィグリーフの香りについての濃い内容の記事が掲載されています。
世界のフィグリーフ・フレグランス製品も、このページに多数リストアップされています。こんなにあるですね。
この香りを創るとしたら?
そして、フィグリーフの雰囲気を出すためのキーとなる香り成分(香料)の紹介もあります。
キーとなる香り成分(香料)とは「ステモンとγ-オクタラクトン」(stemone and octalactone gamma)
ステモンとは、大手香料会社ジボダン社の香料。グリーン感を演出する香りです。
γ-オクタラクトンは、果物のプルーンのような香りで、この二つを合わせることでフィグリーフのような香りになると解説されています。
これらの香料は、当社でも使っていますが、この二つだけでは、本物の香りからは、ほど遠いでしょう。経験的にそう感じます。時間が許せば、ちょっとテストしてみたいような・・・
(余談)フィグリーフは、ヨーロッパ人の憧れ?
上記のフラグランティカのページでフィグリーフの説明に「この香りは、どこか地中海を感じさせる(To give a Mediterranean feel)」だそうです。
欧米人にとってフィグリーフは、地中海の夏のバカンスのイメージも香ることが伝わってきます。イチジクには、彼らにとって歴史的・文化的背景があるんですね。
(2017-06-05)
( 香水工場の )
香る生活
山麓の香水工場
久しぶりに会った友人は、田舎でのビジネス・プランに邁進中だった(2017/06/02)
(香水工場の模型。ロフト付きでダイニングルームも設置される計画)
一昔前まで地方移住は、やや都落ちのようなイメージがなきにしもでしたが、近年、田舎暮らしは、むしろ、オシャレな響きに感じてしまいます。
私の周囲でも都会の仕事を捨て、田舎に戻った人や、もともと東京に小さな事務所を構えながら、近県に住宅兼事務所を建てて、二拠点で仕事をする働き方に変化した人もいます。
今のところ、当社内では地方移住を計画している人間はいませんが、取引先であり同業者である友人が、八ヶ岳の麓に工場を新設することになりました。
彼は小さな化粧品メーカーの経営者。香水もたくさん製造しています。その彼が一年ぶりに当社を訪ねてきました。
用件は別件でしたが、話ついでに「いい土地みつけて」から始まり、それで「秋には完成するので、遊びに来て」と。
彼の計画は、一年くらい前、聞くには聞いていましたが、冗談と軽く聞き流していたのですが「地鎮祭も無事終わった」と。
内心「本気だったの?・・・」
青天の霹靂よろしく、しげしげと彼の顔をのぞき込みました。
場所は長野県の諏訪郡・富士見町という山村。八ヶ岳の麓に拡がる自然豊かな土地。標高千メートルくらいで夏は冷涼、冬は寒さが厳しいらしい。
こういう気候は、ウイスキーや香水の熟成に向いています。
もっと言えばワインの熟成と保管に適した冷涼なワインセラーのような場所は、香水や香料の保管場所としても最適。
勝沼(山梨)から南アルプスの麓に至る一帯は、日本有数のワイナリー地帯で、サントリーの白州工場などお酒メーカーの工場も点在します。
香水メーカーが点在していてもよく似合うエリアです。
「日本のグラース」(南フランスの街 = 香水業界では香水文化の中心地としての象徴になっている)になれるポテンシャルを感じます。
彼が購入した土地の周辺には農道しかなく、工場建設のためには、舗装された道路が必要とのことで(何らかの規制があるようで)、自費で舗装し、公道として市町村に寄付したとのこと。
彼の話によると、東京近郊なら、千坪の土地購入となると土地だけで軽く「億越え」。
こういうコスト問題も大きいのですが、さらに都心や住宅密集地に行くほど様々な規制も多く、工場新設は、資金があっても、そもそも法的に不可というケースが多いそうです。
(原野を切り拓いて)
これだけ聞くと"仕方なく"遠く離れ、建設地を探し回ったのかとも感じましたが、話しぶりは、山麓での仕事開始が待ちきれない様子。
現地での人材採用も計画し、また現在働いているスタッフで希望者には現地で働いてもらうようで、これからはじまるビジネスの新展開に燃える期待が伝わってきました。
電気・ガスはあるの?とか、水道は? 下水道は? 税金は高い? 行政さんとの友好関係は?といった目先の設備や実利面について、私は質問攻めをしていました。
田舎でビジネスを始めるなら、文筆家さんやデザイン、IT関連など、通信ネットワークにて仕事が可能な人々に向いていると思います。
しかし、彼の場合は設備の投資から始めますので、よりリスクを負いながら田舎暮らしとなります。
東京オリンピックを控え、建築資材・建設費用ともに割高な昨今、投資資金の工面も心を砕いているはすですが、そんな風情は微塵も感じさせないところがビジネスマンらしい。
田舎に旅立とうとする彼が輝いて見えました。
(2017-06-02)
(香水工場の模型。ロフト付きでダイニングルームも設置される計画)
むしろオシャレ
一昔前まで地方移住は、やや都落ちのようなイメージがなきにしもでしたが、近年、田舎暮らしは、むしろ、オシャレな響きに感じてしまいます。
私の周囲でも都会の仕事を捨て、田舎に戻った人や、もともと東京に小さな事務所を構えながら、近県に住宅兼事務所を建てて、二拠点で仕事をする働き方に変化した人もいます。
友人の工場移転計画
今のところ、当社内では地方移住を計画している人間はいませんが、取引先であり同業者である友人が、八ヶ岳の麓に工場を新設することになりました。
彼は小さな化粧品メーカーの経営者。香水もたくさん製造しています。その彼が一年ぶりに当社を訪ねてきました。
用件は別件でしたが、話ついでに「いい土地みつけて」から始まり、それで「秋には完成するので、遊びに来て」と。
冗談と思っていた
彼の計画は、一年くらい前、聞くには聞いていましたが、冗談と軽く聞き流していたのですが「地鎮祭も無事終わった」と。
内心「本気だったの?・・・」
青天の霹靂よろしく、しげしげと彼の顔をのぞき込みました。
場所は長野県の諏訪郡・富士見町という山村。八ヶ岳の麓に拡がる自然豊かな土地。標高千メートルくらいで夏は冷涼、冬は寒さが厳しいらしい。
香水メーカーが点在してもよく似合う
こういう気候は、ウイスキーや香水の熟成に向いています。
もっと言えばワインの熟成と保管に適した冷涼なワインセラーのような場所は、香水や香料の保管場所としても最適。
勝沼(山梨)から南アルプスの麓に至る一帯は、日本有数のワイナリー地帯で、サントリーの白州工場などお酒メーカーの工場も点在します。
香水メーカーが点在していてもよく似合うエリアです。
「日本のグラース」(南フランスの街 = 香水業界では香水文化の中心地としての象徴になっている)になれるポテンシャルを感じます。
道路の舗装も自己負担
彼が購入した土地の周辺には農道しかなく、工場建設のためには、舗装された道路が必要とのことで(何らかの規制があるようで)、自費で舗装し、公道として市町村に寄付したとのこと。
彼の話によると、東京近郊なら、千坪の土地購入となると土地だけで軽く「億越え」。
こういうコスト問題も大きいのですが、さらに都心や住宅密集地に行くほど様々な規制も多く、工場新設は、資金があっても、そもそも法的に不可というケースが多いそうです。
(原野を切り拓いて)
やる気マックス
これだけ聞くと"仕方なく"遠く離れ、建設地を探し回ったのかとも感じましたが、話しぶりは、山麓での仕事開始が待ちきれない様子。
現地での人材採用も計画し、また現在働いているスタッフで希望者には現地で働いてもらうようで、これからはじまるビジネスの新展開に燃える期待が伝わってきました。
電気・ガスはあるの?とか、水道は? 下水道は? 税金は高い? 行政さんとの友好関係は?といった目先の設備や実利面について、私は質問攻めをしていました。
ビジネスマンはリスクも喜んで負う
田舎でビジネスを始めるなら、文筆家さんやデザイン、IT関連など、通信ネットワークにて仕事が可能な人々に向いていると思います。
しかし、彼の場合は設備の投資から始めますので、よりリスクを負いながら田舎暮らしとなります。
東京オリンピックを控え、建築資材・建設費用ともに割高な昨今、投資資金の工面も心を砕いているはすですが、そんな風情は微塵も感じさせないところがビジネスマンらしい。
田舎に旅立とうとする彼が輝いて見えました。
(2017-06-02)
( 香水工場の )
香る生活
新練り香水 試作中
今年の10月、リニューアル予定の練り香水、試作中です(2017/05/23)
(ベースとなる基剤のテスト。クリーム基剤は、さらさら感があり、伸びすぎず、それでいて香りを立たせやすいものが理想!)
"練り香水"という物体をご存じない方のためにその説明から。練り香水(ねりこうすい)とは、クリーム状の基剤に香りを溶かし込んだフレグランスです。
アルコールを使用する香水が発明される以前から存在した香水の原型ともいうべき"香りモノ"です。
練り香水は、クリームを基剤として使用します。アルコールベースの香水は、周囲までその香りを拡げるパワーがありますが、練り香水は、自分とごく近くの周囲しか香りが感じられません。
その代わり、お肌にとどまって長時間、穏やかに香ってくれます。
香水をファッションととらえれば、「自己主張の香水」に対して、「自己満足型の練り香水」といったところでしょうか(あくまでも個人の意見ですが)。
当社が練りをリリースした年は、正確な記録が手元にないためうろ覚えですが、2005年だったか、それくらい前です。
この辺は、練り香水の終了と再参入プラン(2017/01/08) に書かせてもらいました。
当時、練り香水はブームの頃で、ライバルたちが、練りで好調な売上げを更新していた時期も、当社の練り香水はあくまで我が道を歩んでおりましたが、ついに撃沈。
しかし、今秋、リバイバルして再度マーケットの判断を仰ぐことになります。今から興奮しております。
練り香水は、どうあるべきかを考えました。
練り香水は、端的に言えば「ステキな香りが付いたスキンケアクリーム」という考え方もありますが、香りあってのクリーム、いわば「香りファースト」なクリームになることが商品開発の目標です。
・香りが立ちやすいこと・・・基剤それ自体の問題と、基剤と香りの相性の問題もあります。香り立ちがよい基剤と香りのコンビネーションを選ぶこと
・サラサラの基剤・・・基剤はクリーム状成分なので、ベタつきは避けがたいが、その中でもさらさら感を感じさせること
・伸びはほどほど・・・スキンケアではクリームの伸びはスムーズな方が好まれますが、点(ポイント)で付ける練り香水では、伸びすぎると逆に使いにくい
・固さもそれなりに・・・柔らかいクリームだと指先に取れすぎる場合があります。使用量が少ない練り香水では、指先に取れすぎるのは考えもの(戻すのも衛生的にオススメできない)
6月・7月・8月、モニターになってくださる方、募集します。とはいえ、この記事を書いているこの日現在、6月枠の募集はすでに終了済み。
毎回メルマガにて募集しますので、ご関心ある方は、メルマガ購読をおすすめします。
ただ、練り香水のモニターは、先月の銀の消臭剤のモニターと比較すると希望者が多くて当選確率は、低いこと、ご了承ください。
なお、モニターと言っても「6月・7月・8月」枠は、完成製品ではなく、テスト容器に手書きラベルで、香りも付いていないかもしれない、本当の開発途中のガラクタですよ。
練り香水リニューアルでは、まず4種類リリースし、反響を見ながら、必要に応じて種類を増やす計画です。アンケートにご協力ください。
あなたなら、どれを練り香水シリーズに加えたいですか?
現状、候補に挙がっているアイテム
・スノーミント
・ホワイトフリージア
・ブラックベチベル
・すずらん
・蜜柑の花
・藤
・睡蓮
・沈丁花
・ろうばい
・月桃メン
・白梅
・沈香
・葛の花
・水仙
・白檀
・柑橘系
・ロサブラン
・スイカズラ
・樹海
・金木犀2015
【関連ブログ記事】
(2017/09/30)練り香水 (武蔵野ねりこ)
(2017/08/17)練り香水の歴史
(2017/08/15)最後の調整中
(2017/07/31)試作品プレゼント
(2017/06/06)アンケートの結果
(2017/05/23)試作中
(2017/01/08)練り、再参入プラン
【NEWS】
(NEWS)リリース予定
(2017-05-23)
(ベースとなる基剤のテスト。クリーム基剤は、さらさら感があり、伸びすぎず、それでいて香りを立たせやすいものが理想!)
「自己主張の香水」vs「自己満足の練り香水」
"練り香水"という物体をご存じない方のためにその説明から。練り香水(ねりこうすい)とは、クリーム状の基剤に香りを溶かし込んだフレグランスです。
アルコールを使用する香水が発明される以前から存在した香水の原型ともいうべき"香りモノ"です。
練り香水は、クリームを基剤として使用します。アルコールベースの香水は、周囲までその香りを拡げるパワーがありますが、練り香水は、自分とごく近くの周囲しか香りが感じられません。
その代わり、お肌にとどまって長時間、穏やかに香ってくれます。
香水をファッションととらえれば、「自己主張の香水」に対して、「自己満足型の練り香水」といったところでしょうか(あくまでも個人の意見ですが)。
武蔵野ワークスの練り香水
当社が練りをリリースした年は、正確な記録が手元にないためうろ覚えですが、2005年だったか、それくらい前です。
この辺は、練り香水の終了と再参入プラン(2017/01/08) に書かせてもらいました。
当時、練り香水はブームの頃で、ライバルたちが、練りで好調な売上げを更新していた時期も、当社の練り香水はあくまで我が道を歩んでおりましたが、ついに撃沈。
しかし、今秋、リバイバルして再度マーケットの判断を仰ぐことになります。今から興奮しております。
「香りファースト」な練り香水
練り香水は、どうあるべきかを考えました。
練り香水は、端的に言えば「ステキな香りが付いたスキンケアクリーム」という考え方もありますが、香りあってのクリーム、いわば「香りファースト」なクリームになることが商品開発の目標です。
・香りが立ちやすいこと・・・基剤それ自体の問題と、基剤と香りの相性の問題もあります。香り立ちがよい基剤と香りのコンビネーションを選ぶこと
・サラサラの基剤・・・基剤はクリーム状成分なので、ベタつきは避けがたいが、その中でもさらさら感を感じさせること
・伸びはほどほど・・・スキンケアではクリームの伸びはスムーズな方が好まれますが、点(ポイント)で付ける練り香水では、伸びすぎると逆に使いにくい
・固さもそれなりに・・・柔らかいクリームだと指先に取れすぎる場合があります。使用量が少ない練り香水では、指先に取れすぎるのは考えもの(戻すのも衛生的にオススメできない)
モニター募集
6月・7月・8月、モニターになってくださる方、募集します。とはいえ、この記事を書いているこの日現在、6月枠の募集はすでに終了済み。
毎回メルマガにて募集しますので、ご関心ある方は、メルマガ購読をおすすめします。
ただ、練り香水のモニターは、先月の銀の消臭剤のモニターと比較すると希望者が多くて当選確率は、低いこと、ご了承ください。
なお、モニターと言っても「6月・7月・8月」枠は、完成製品ではなく、テスト容器に手書きラベルで、香りも付いていないかもしれない、本当の開発途中のガラクタですよ。
そして、香り候補のアンケート
練り香水リニューアルでは、まず4種類リリースし、反響を見ながら、必要に応じて種類を増やす計画です。アンケートにご協力ください。
あなたなら、どれを練り香水シリーズに加えたいですか?
現状、候補に挙がっているアイテム
・スノーミント
・ホワイトフリージア
・ブラックベチベル
・すずらん
・蜜柑の花
・藤
・睡蓮
・沈丁花
・ろうばい
・月桃メン
・白梅
・沈香
・葛の花
・水仙
・白檀
・柑橘系
・ロサブラン
・スイカズラ
・樹海
・金木犀2015
【関連ブログ記事】
(2017/09/30)練り香水 (武蔵野ねりこ)
(2017/08/17)練り香水の歴史
(2017/08/15)最後の調整中
(2017/07/31)試作品プレゼント
(2017/06/06)アンケートの結果
(2017/05/23)試作中
(2017/01/08)練り、再参入プラン
【NEWS】
(NEWS)リリース予定
(2017-05-23)
( 香水工場の )
香る生活
母の日のプレゼント、感じ方いろいろ
今日は「母の日」、自社の「母の日キャンペーン」企画を振り返ってみました(2017/05/14)
(今年の「5月の贈り物」はローズマリーの香り)
みなさんは「母の日」に何かプレゼントされますか?
思い返して見れば、私は、学生のとき以来「母の日」に母へ何かプレゼントしたことがありません。もちろん、自慢ではありませんが、後悔も感じません。
小さい頃は、学校で母の日に向けて「マッサージ券」などの制作実習がありました。母に持っていくと笑って受け取ってくれますが、母がそれを行使したことは、ついにありませんでした。
学生時代、帰郷のとき、たまたま「母の日」と重なったため、帰り道、デパートで店員さんに相談してワンピースを選んでもらいました。
学生だった自分には、それなりに高価なものでした。母にプレゼントしたところ喜んでくれましたが、ついに一度も着ることはなかったと思われます。趣味が合わなかったのでしょう。
逆に申し訳ないことをしたなと反省し、それ以降、なんとなく母の日のプレゼントという習慣は完全消滅しました。
当社では今年も「母の日キャンペーン」を開催中です。母の日のプレゼント需要を見込んでいることは事実です。
母にプレゼントをしない私が「母の日キャンペーン」企画責任者というのもおかしな話ですが、うまく合えば「ローズの贈り物」や「5月の贈り物」をプレゼントにご利用いただければという趣旨で開催しています。
このうち「5月の贈り物」は、製品化されるかどうかわからない新作香水のお披露目の意味も若干込められています。
こう言えば、不純な動機が、若干香る「母の日キャンペーン」ですね。そのかわり、やる気満々の通販業者さんがやりがちな"煽る売り方"はしないように注意しています。
香水は、海外では非常にポピュラーな贈り物です。
個人の記念日や日常のプレゼントにも利用されますが、クリスマスシーズン、相当大きな需要があります。
香水メーカーや香水ブランドさん内に、年末のホリデーシーズンに向けて大増産する年間の生産計画が普通にあることからもうかがえます。
また欧米の雑誌社などが開催するクリスマスプレゼント・アンケートでは、香水は毎年安定して上位にランキングする常連アイテムです。
贈り物としての香水は、このように人気のアイテムですが、実は、ホリデーシーズン後、廃棄されるプレゼントの上位のアイテムでもあることも事実。
香水は、相手に香りの好みの問題があるので難しいプレゼント・アイテムですね。
しかし、とってもハッピーになる人々も多いからこそ、毎年クリスマス・プレゼントの上位アイテムにランクインし続けられるのでしょう。
今年の「5月の贈り物」も5月1日リリース後「母の日」に向けて、それなりに好調に出荷されていきました。
コメント欄や感想を読むと母の日プレゼントでなく、ご自分で利用される方が多いようですが、やはり、プレゼントという方もそれなりに多かったようです。
ご注文時「母へのプレゼントです。明細書は入れないで」といったコメントも何件かありました。
「5月の贈り物」を手にされた方が、お気に召れることを祈るばかりです。
なお、「母の日キャンペーン」では「ローズの贈り物」という商品もリリースしますが、こちらも安定したリピーターさまに支えられ、例年通り・予想通りの出荷となりました。
本日、2017年5月14日現在、「ローズの贈り物」「5月の贈り物」ともに多少在庫が残っております。
今年の「5月の贈り物」(ローズマリー)は、メンズとして男性のお客さまにも似合う香りだったと思います。今さらですが、香りの説明に付け加えさせていただきます。
最初に書いたように私の母は、何かプレゼントされても、それほど喜ばないようなので、今年は帰郷した際、思い切ってモノではなく、こんな提案をしてみました。
日本を出たことがない母に「海外旅行、行ってみる?(LCCだけど)」
昨年、数年の闘病生活の後、父が亡くなりました。病院通いが終わった母へのプレゼントのつもりでしたが「飛行機に乗ると耳がね・・・」。
気圧の変化で耳がおかしくなり具合が悪くなるそうで、まったく乗り気ではありませんでした。
(2017-05-14)
(今年の「5月の贈り物」はローズマリーの香り)
母の日のプレゼント、私の場合
みなさんは「母の日」に何かプレゼントされますか?
思い返して見れば、私は、学生のとき以来「母の日」に母へ何かプレゼントしたことがありません。もちろん、自慢ではありませんが、後悔も感じません。
小さい頃は、学校で母の日に向けて「マッサージ券」などの制作実習がありました。母に持っていくと笑って受け取ってくれますが、母がそれを行使したことは、ついにありませんでした。
学生時代、帰郷のとき、たまたま「母の日」と重なったため、帰り道、デパートで店員さんに相談してワンピースを選んでもらいました。
学生だった自分には、それなりに高価なものでした。母にプレゼントしたところ喜んでくれましたが、ついに一度も着ることはなかったと思われます。趣味が合わなかったのでしょう。
逆に申し訳ないことをしたなと反省し、それ以降、なんとなく母の日のプレゼントという習慣は完全消滅しました。
「母の日キャンペーン」
当社では今年も「母の日キャンペーン」を開催中です。母の日のプレゼント需要を見込んでいることは事実です。
母にプレゼントをしない私が「母の日キャンペーン」企画責任者というのもおかしな話ですが、うまく合えば「ローズの贈り物」や「5月の贈り物」をプレゼントにご利用いただければという趣旨で開催しています。
このうち「5月の贈り物」は、製品化されるかどうかわからない新作香水のお披露目の意味も若干込められています。
こう言えば、不純な動機が、若干香る「母の日キャンペーン」ですね。そのかわり、やる気満々の通販業者さんがやりがちな"煽る売り方"はしないように注意しています。
香水のプレゼントは難しいが、ハッピーになれる
香水は、海外では非常にポピュラーな贈り物です。
個人の記念日や日常のプレゼントにも利用されますが、クリスマスシーズン、相当大きな需要があります。
香水メーカーや香水ブランドさん内に、年末のホリデーシーズンに向けて大増産する年間の生産計画が普通にあることからもうかがえます。
また欧米の雑誌社などが開催するクリスマスプレゼント・アンケートでは、香水は毎年安定して上位にランキングする常連アイテムです。
贈り物としての香水は、このように人気のアイテムですが、実は、ホリデーシーズン後、廃棄されるプレゼントの上位のアイテムでもあることも事実。
香水は、相手に香りの好みの問題があるので難しいプレゼント・アイテムですね。
しかし、とってもハッピーになる人々も多いからこそ、毎年クリスマス・プレゼントの上位アイテムにランクインし続けられるのでしょう。
今年の「5月の贈り物」の出荷傾向
今年の「5月の贈り物」も5月1日リリース後「母の日」に向けて、それなりに好調に出荷されていきました。
コメント欄や感想を読むと母の日プレゼントでなく、ご自分で利用される方が多いようですが、やはり、プレゼントという方もそれなりに多かったようです。
ご注文時「母へのプレゼントです。明細書は入れないで」といったコメントも何件かありました。
「5月の贈り物」を手にされた方が、お気に召れることを祈るばかりです。
なお、「母の日キャンペーン」では「ローズの贈り物」という商品もリリースしますが、こちらも安定したリピーターさまに支えられ、例年通り・予想通りの出荷となりました。
本日、2017年5月14日現在、「ローズの贈り物」「5月の贈り物」ともに多少在庫が残っております。
今年の「5月の贈り物」(ローズマリー)は、メンズとして男性のお客さまにも似合う香りだったと思います。今さらですが、香りの説明に付け加えさせていただきます。
最後に、その後の私の母
最初に書いたように私の母は、何かプレゼントされても、それほど喜ばないようなので、今年は帰郷した際、思い切ってモノではなく、こんな提案をしてみました。
日本を出たことがない母に「海外旅行、行ってみる?(LCCだけど)」
昨年、数年の闘病生活の後、父が亡くなりました。病院通いが終わった母へのプレゼントのつもりでしたが「飛行機に乗ると耳がね・・・」。
気圧の変化で耳がおかしくなり具合が悪くなるそうで、まったく乗り気ではありませんでした。
(2017-05-14)
( 香水工場の )
香る生活
一年で一番、花の香りが楽しめる季節
4月から5月は一年で一番、花の香りが楽しめる季節かもしれません。香りの花、いろいろ(2017/05/14)
(5月14日、近所のツツジ。花のピークが過ぎて香りがほとんどありませんが、ピークの頃は甘いフルーティな香りを発しておりました)
4月から5月とは、この辺では春から初夏にあたる時期ですが、この時期に開花する香りの花はたくさんあります。新緑が濃くなる5月中旬に向けて、多彩な香りの花がピークを過ぎていきました。
これ以外の季節に咲く花も多いのですが、春から初夏にかけて咲く香りの花は、やはり、特に多いようです。
香りの花だけでなく、一般に春から初夏にかけて咲く花は、一番多いのではないかと思います。
この季節に開花する花が多い理由はなんでしょうか?・・・一説には、花粉を運んでくれる虫の活動が活発になるためと言われています。香りは虫たちを誘引するための小道具です。
ただ、ジャスミンのように夜間に香りが強くなる花は、この昆虫誘因説からするとちょっと当てはまらないケースです。というわけで、昆虫誘因説も、どこまで信じて良いか、よくわからないのが実情です。
夏に咲く花も多いのですが、こちらはどうも原産地が熱帯に属するモノが多い気がします。たとえば、夏に咲く香りの花と言えば、・・・
・ユリ
・クチナシ
・イランイラン
・月下美人
・プルメリア
いろいろありますね。書き綴っているだけで、甘ーい香りが漂ってくる気がします。春の花と比べて、香りの甘さが、さらにパワーアップしている花が多いですよね。
通勤時やぶら歩きのときに見つけた香りの花を数種類カメラに収めました。
(4月21日、会社近くの公園、まだ蕾で香りは強くありません)
藤棚ですね。満開の時、この下に来ると藤の花の甘い濃厚な香りで、茫洋とした感覚に襲われます。
(5月8日、会社近くの民家の軒先、連休明けに撮影。花の寿命としては、もはや終盤で周囲の多くの花がしおれ気味でした)
民家の軒先に植えられているスズラン。こちらのお宅のスズランはかわいいだけでなく香りも豊富に発散してくれるので、「香りの定点観測」"勝手ポイント"にして毎年拝見しています。
ただ、こちらのお宅の公認でないため、ゆっくり観察できない点が難点。おっさんが香りを確認していると、もうそれだけで怪しすぎで、さらりと写真を撮りました。
香りですが、やはり、香水の三大香料と言われるだけあり、気品の高さは圧倒的です。正直に言います、香水でこの香りを創ることは不可能ですね。当社ももちろん、世界的に有名なブランドであってもムリな話。
(5月8日、会社近く「アカシア通り」の「アカシア公園」にて)
当社がある小平市には「アカシア通り」という通りがあります。そこに小さな小さな「アカシア公園」があり、この季節、アカシアの花がすずなりになります。
蜜が豊富で多くのミツバチを引き寄せるだけに、その香りは甘く甘美です。
(撮影日不明、4月下旬から連休中・連休明けジャスミンが香っていました)
大型連休のちょっと前くらいから、ジャスミンの香りが風に乗って街中に漂っていました。今年は連休後も、そして、つい最近まで香っていました。
上の写真は、カメラを持ち合わせていなかったので、写真販売サイトから購入しました。よって、撮影日は不明です。
ジャスミンの香りは、それとはっきりわかる官能的な甘さがある香りです。
街中で漂う香りは、薄く広く一定の濃度で拡散するわけでなく、気化した香り成分は、ちょうどお線香の煙のようにたなびきます。
よって、その香り成分の煙の帯に鼻が遭遇したときに激しく「お、どこかにジャスミンが!」となります。
こういうとき、人は反射的に発生源を探しがちですが、キョロキョロするもの挙動不審なので、控え目にしています。
(2013年5月18日、神代植物園のダマスクローズ)
東京都調布市にある都立・神代植物公園は、様々な古代バラ(オールドローズ)が植えられていることで有名な公園です。
現代バラ(モダンローズ)は、見た目が豪華ですが、香りが少ない品種が大半です。逆に古代バラは見た目こそ素朴ですが、香りは凄い!ものがあります。
(香水に利用されるローズは、だから、ほぼすべて古代バラの品種のみ)
5月になると、日本ではあまり見かけないダマスクローズ(古代バラの一種)の撮影のためにこの公園に出向くのですが、なかなかベストなタイミングで撮影に行けるチャンスが少なくここ4年くらいうまくいきません。
(5月12日、イチョウの新緑)
こちらは、香りの花とは無関係ですが、花の季節が、終わると新緑の季節になりますので、花の季節がおおむね終わった感じをお伝えするためにアップしました。
(2017-05-13)
(5月14日、近所のツツジ。花のピークが過ぎて香りがほとんどありませんが、ピークの頃は甘いフルーティな香りを発しておりました)
"香りの花"は、なぜ4月から5月に多い?
4月から5月とは、この辺では春から初夏にあたる時期ですが、この時期に開花する香りの花はたくさんあります。新緑が濃くなる5月中旬に向けて、多彩な香りの花がピークを過ぎていきました。
これ以外の季節に咲く花も多いのですが、春から初夏にかけて咲く香りの花は、やはり、特に多いようです。
香りの花だけでなく、一般に春から初夏にかけて咲く花は、一番多いのではないかと思います。
この季節に開花する花が多い理由はなんでしょうか?・・・一説には、花粉を運んでくれる虫の活動が活発になるためと言われています。香りは虫たちを誘引するための小道具です。
ただ、ジャスミンのように夜間に香りが強くなる花は、この昆虫誘因説からするとちょっと当てはまらないケースです。というわけで、昆虫誘因説も、どこまで信じて良いか、よくわからないのが実情です。
夏に咲く"香りの花"
夏に咲く花も多いのですが、こちらはどうも原産地が熱帯に属するモノが多い気がします。たとえば、夏に咲く香りの花と言えば、・・・
・ユリ
・クチナシ
・イランイラン
・月下美人
・プルメリア
いろいろありますね。書き綴っているだけで、甘ーい香りが漂ってくる気がします。春の花と比べて、香りの甘さが、さらにパワーアップしている花が多いですよね。
今年、近場で撮りためた香りの花
通勤時やぶら歩きのときに見つけた香りの花を数種類カメラに収めました。
藤の花
(4月21日、会社近くの公園、まだ蕾で香りは強くありません)
藤棚ですね。満開の時、この下に来ると藤の花の甘い濃厚な香りで、茫洋とした感覚に襲われます。
スズラン
(5月8日、会社近くの民家の軒先、連休明けに撮影。花の寿命としては、もはや終盤で周囲の多くの花がしおれ気味でした)
民家の軒先に植えられているスズラン。こちらのお宅のスズランはかわいいだけでなく香りも豊富に発散してくれるので、「香りの定点観測」"勝手ポイント"にして毎年拝見しています。
ただ、こちらのお宅の公認でないため、ゆっくり観察できない点が難点。おっさんが香りを確認していると、もうそれだけで怪しすぎで、さらりと写真を撮りました。
香りですが、やはり、香水の三大香料と言われるだけあり、気品の高さは圧倒的です。正直に言います、香水でこの香りを創ることは不可能ですね。当社ももちろん、世界的に有名なブランドであってもムリな話。
アカシア
(5月8日、会社近く「アカシア通り」の「アカシア公園」にて)
当社がある小平市には「アカシア通り」という通りがあります。そこに小さな小さな「アカシア公園」があり、この季節、アカシアの花がすずなりになります。
蜜が豊富で多くのミツバチを引き寄せるだけに、その香りは甘く甘美です。
ジャスミン
(撮影日不明、4月下旬から連休中・連休明けジャスミンが香っていました)
大型連休のちょっと前くらいから、ジャスミンの香りが風に乗って街中に漂っていました。今年は連休後も、そして、つい最近まで香っていました。
上の写真は、カメラを持ち合わせていなかったので、写真販売サイトから購入しました。よって、撮影日は不明です。
ジャスミンの香りは、それとはっきりわかる官能的な甘さがある香りです。
街中で漂う香りは、薄く広く一定の濃度で拡散するわけでなく、気化した香り成分は、ちょうどお線香の煙のようにたなびきます。
よって、その香り成分の煙の帯に鼻が遭遇したときに激しく「お、どこかにジャスミンが!」となります。
こういうとき、人は反射的に発生源を探しがちですが、キョロキョロするもの挙動不審なので、控え目にしています。
香りのダマスクローズ
(2013年5月18日、神代植物園のダマスクローズ)
東京都調布市にある都立・神代植物公園は、様々な古代バラ(オールドローズ)が植えられていることで有名な公園です。
現代バラ(モダンローズ)は、見た目が豪華ですが、香りが少ない品種が大半です。逆に古代バラは見た目こそ素朴ですが、香りは凄い!ものがあります。
(香水に利用されるローズは、だから、ほぼすべて古代バラの品種のみ)
5月になると、日本ではあまり見かけないダマスクローズ(古代バラの一種)の撮影のためにこの公園に出向くのですが、なかなかベストなタイミングで撮影に行けるチャンスが少なくここ4年くらいうまくいきません。
そして、新緑の季節
(5月12日、イチョウの新緑)
こちらは、香りの花とは無関係ですが、花の季節が、終わると新緑の季節になりますので、花の季節がおおむね終わった感じをお伝えするためにアップしました。
(2017-05-13)
( 香水工場の )
香る生活
2017年ブルガリアンローズの出来映え
そこかしこにバラが咲き乱れるこの頃、ローズの季節がやってきましたね。今年のブルガリアのダマスクローズの成育状況は、どんな案配でしょう?(2017/05/12)
※中東の放送局アル・ジャジーラのニュース記事、「Europe's late spring freeze(ヨーロッパの季節外れの霜被害)」の画像を直接リンクしています。ニュース配信期間が終わるとリンク切れとなります
この時期になると毎年「今年はどう?」と取引先のネイチャーベース社にメールを出します。
メールの一番の目的は、今年のローズオイルの買い付け予約なんですが、そのついでにバラ(ブルガリアンローズ = ダマスクローズ)の成育状況を聞くというスタイルが、この数年定着しています。
毎年、温暖化が進んで「今年は昨年よりさらに収穫時期が早くなった」という連絡が続いてきましたが、なんと今年は「まだはじまっていない」とのこと。
「なに、まだ始まっていない!? 昨年は4月25日ころに始まったので異様な遅さ」
本当は(というか20年くらい前までは)、5月下旬から6月上旬がブルガリアンローズの平均的な収穫時期でしたので、"正常"(?)に戻っただけですが、これがあちらのローズ農家やローズオイル関係者には大ニュースです。
ネイチャーベースによると、今年は冬の寒さが厳しく「おお、これが冬というもんだ!そして、これが雪だ!」と思い出したと書かれていました。例年になく寒かったようです。
寒さは春になっても続き、4月下旬には、極めて珍しく大規模な霜が降りたとのこと。サクランボやアプリコットに大規模な霜被害(55%程度)が出ており、ローズもそれなりに影響を受けた(10%)模様です。
このように2017年のローズ収穫は、幸先が悪いスタートとなりましたが、ネイチャーベースのオーナーさんは、温暖化の影響が緩和された分、悪くないのではないかという逆に前向きな意見でした。
ブルガリアの春の寒さを聞いて、日本も似た状況だったとな驚きました。
温暖化が進んでサクラの開花も、3月が当たり前になっていた昨今の我がニッポンですが、今年は学校の入学式前後に開花するサクラも多かったですよね。
「入学式の式典の後、学園内に咲いているサクラの樹の前で記念撮影をすることが日本の入学シーズンの風物詩、それが今年は20年ぶりぐらいに実現できた」と書き送ったら、よかった、と一言気のない返事が来ました。
欧米では(というか世界的に)、学園シーズンは9月に始まります。日本の"4月の入学式+満開のサクラ"のコンビネーションは日本人だけの独特な価値観。欧米人に共感を抱いてもらえないのは当然か。
まだ若く弱々しいブルガリアのローズを襲った寒波は、実は西ヨーロッパから黒海周辺の中央アジアまでの一帯を襲った寒波。
この寒波が原因で、フランス・ボルドーのワインは例年比で今年40%減になるのでは、といったニュースなどもチラホラ報道されています。その他の農作物の被害も甚大です。
上の写真はスイスのブドウ畑です。パラフィンを燃やして霜からブドウの苗を守っている写真だそうです。
「Europe's late spring freeze (ヨーロッパの季節外れの霜被害)」
(※霜対策として効果あるのかな?夜中中焚いているのかな?それにしても手間暇がかかりそうな対策と感じました。余談ですが、当社から車で30分くらいの埼玉県・狭山エリアは茶畑が拡がっていますが、ここの霜対策は畑に常時設置してある扇風機が活躍しています)
温暖化が進む一方で、このような季節外れの寒波が発生する・・・世界的に気候が波乱気味の度合いをますます高めてきている予感ですね。
ブルガリアンローズの出来映えは、収穫が終わった後に再度、お知らせしたいと思います。
(2017-05-12)
※中東の放送局アル・ジャジーラのニュース記事、「Europe's late spring freeze(ヨーロッパの季節外れの霜被害)」の画像を直接リンクしています。ニュース配信期間が終わるとリンク切れとなります
ローズの成育状態は?
この時期になると毎年「今年はどう?」と取引先のネイチャーベース社にメールを出します。
メールの一番の目的は、今年のローズオイルの買い付け予約なんですが、そのついでにバラ(ブルガリアンローズ = ダマスクローズ)の成育状況を聞くというスタイルが、この数年定着しています。
毎年、温暖化が進んで「今年は昨年よりさらに収穫時期が早くなった」という連絡が続いてきましたが、なんと今年は「まだはじまっていない」とのこと。
「なに、まだ始まっていない!? 昨年は4月25日ころに始まったので異様な遅さ」
本当は(というか20年くらい前までは)、5月下旬から6月上旬がブルガリアンローズの平均的な収穫時期でしたので、"正常"(?)に戻っただけですが、これがあちらのローズ農家やローズオイル関係者には大ニュースです。
季節外れの大寒波と霜被害
ネイチャーベースによると、今年は冬の寒さが厳しく「おお、これが冬というもんだ!そして、これが雪だ!」と思い出したと書かれていました。例年になく寒かったようです。
寒さは春になっても続き、4月下旬には、極めて珍しく大規模な霜が降りたとのこと。サクランボやアプリコットに大規模な霜被害(55%程度)が出ており、ローズもそれなりに影響を受けた(10%)模様です。
このように2017年のローズ収穫は、幸先が悪いスタートとなりましたが、ネイチャーベースのオーナーさんは、温暖化の影響が緩和された分、悪くないのではないかという逆に前向きな意見でした。
日本も4月まで寒かった
ブルガリアの春の寒さを聞いて、日本も似た状況だったとな驚きました。
温暖化が進んでサクラの開花も、3月が当たり前になっていた昨今の我がニッポンですが、今年は学校の入学式前後に開花するサクラも多かったですよね。
「入学式の式典の後、学園内に咲いているサクラの樹の前で記念撮影をすることが日本の入学シーズンの風物詩、それが今年は20年ぶりぐらいに実現できた」と書き送ったら、よかった、と一言気のない返事が来ました。
欧米では(というか世界的に)、学園シーズンは9月に始まります。日本の"4月の入学式+満開のサクラ"のコンビネーションは日本人だけの独特な価値観。欧米人に共感を抱いてもらえないのは当然か。
ヨーロッパを覆った4月の寒波
まだ若く弱々しいブルガリアのローズを襲った寒波は、実は西ヨーロッパから黒海周辺の中央アジアまでの一帯を襲った寒波。
この寒波が原因で、フランス・ボルドーのワインは例年比で今年40%減になるのでは、といったニュースなどもチラホラ報道されています。その他の農作物の被害も甚大です。
上の写真はスイスのブドウ畑です。パラフィンを燃やして霜からブドウの苗を守っている写真だそうです。
「Europe's late spring freeze (ヨーロッパの季節外れの霜被害)」
(※霜対策として効果あるのかな?夜中中焚いているのかな?それにしても手間暇がかかりそうな対策と感じました。余談ですが、当社から車で30分くらいの埼玉県・狭山エリアは茶畑が拡がっていますが、ここの霜対策は畑に常時設置してある扇風機が活躍しています)
温暖化が進む一方で、このような季節外れの寒波が発生する・・・世界的に気候が波乱気味の度合いをますます高めてきている予感ですね。
ブルガリアンローズの出来映えは、収穫が終わった後に再度、お知らせしたいと思います。
(2017-05-12)
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