調香は楽しい!カンタン!

ここに記述されている内容は、香水の作り方を初心者の方のために書かれたものです。かなり大雑把になっていますが、プロもアマチュアも大体似たような手法とプロセスで調香を行います。

香料は、小口化され市販されるケースはあまりありません、趣味として調香を行いたい一般消費者の方にとって、第一のハードルは、香料の種類を揃えることでしょう。

しかし、調香そのものは比較的簡単で楽しく入れます。しかし、イメージ通りの香水を作れるかどうかは、訓練と経験とセンスが必要です。

  • ・プロのパフューマーも似た手順で調香
  • ・香料は一般に市販されていないため趣味として調香を行うには種類の確保が課題
  • ・調香そのものは、混ぜるだけなので比較的簡単
  • ・イメージ通りに調香するには訓練と経験が必要

必要な機材・基剤

平均的な化粧品と比較して、香水はきわめて少ない資材・機材で製造可能です。工業生産を想定していなければ、香水ほどカンタンに作れる化粧品は他にないでしょう。

  • ・スポイト・・・香料を計り取るための用具。スポイトの目盛りの単位は0.1mL程度がいいでしょう。ピペットならなお良い。エッセンシャルオイルを扱っている店などで購入できます。
  • ・ムエット・・・香料や出来上がった香りをチェックするための匂い紙。エッセンシャルオイルを扱っている店などで購入できます。ムエット先端数mmに香料を少量付け、香りを嗅ぎます(付け過ぎると香りがよく嗅ぎ分けられないので、注意してください)。香料を付けた側3cm位を目安に折り曲げて使用します。反対側の先端には、香料名、香料を付けた時間などメモ書きします。机の上に置くときは、香料を付けた部分が汚染されないように、また、机に香料が移らないように上に折り曲げた状態で置くようにしてください。
  • ・ビーカー・・・小さなガラス容器でも可。調合用です。
  • ・無水エタノール・・・香料を溶かす溶媒として。また下項目の洗浄液として。薬局で購入できます。
  • ・掻き混ぜ棒・・・調合した香料を掻き混ぜるためのガラス棒、スパティラ。小さなスプーンでも可
  • ・ボトル・・・香料を入れるためのボトルです。完成した香りはこのままこのボトルでお使いいただくか、もしくは市販のボトルやアトマイザーに移しかえてください。
  • ・洗浄液(2-3本)(市販エタノール)・・・洗浄液は、薬局などで販売されている無水エタノールです。2~3本用意します。スポイトなどに付いた香料を洗浄するための液。まず、洗浄液1で数回洗浄、更に洗浄液2で同様に洗浄します。香料の汚染を防ぐため、使用した用具はよく洗浄してください。洗浄液は次第に汚れますので (色が付く・匂いが付く等)、汚れてきたら取り替えてご利用ください。
  • ・香料・・・天然香料(精油)、合成香料など

香りの基礎:匂い立ちの基礎知識

調香はカンタンですが、まずは基礎知識を学びましょう。多くはありません。ご安心ください。

まずは、香りの「匂い立ち」という現象。香りは時間の経過にともなって変化するという性質があります。香水を付けてすぐに感じた香りが、しばらくすると違って感じるなと思われた経験が皆さんもあると思います。

それを「匂い立ち」(においだち)と言います。匂い立ちは、三段階に分けられます。

  • ・トップノート(香りの第一印象)・・・5~15分
  • ・ミドルノート(香りの主要部)・・・3~4時間
  • ・ラストノート(残香)・・・半日~2/3日
各ノートの時間は、あくまでも目安で、香りのタイプや特徴によって異なります。また、ミドルノートをハートノート、ラストノートをベースノートと呼んだりもします。

匂い立ちは香りの中に揮発の早さが異なる芳香物質が様々に含まれていることによって起こります。香りを創る上で、この匂い立ちを考え各ノートに適切な香料を配分し、調香の変化が美しい調べになるような香りになれば香りの完成度も高いと言えます。

香りの基礎:賦香率(ふこうりつ)と香水の分類

香水類はアルコールと香料が含まれていることから、アルコリック・パヒューマリーと言います。アルコリック・パヒューマリーはその中に含まれる香料の濃度(賦香率)によって香水、オードトワレなどと呼ばれます。

  • ・Parfum(パルファム、香水)・・・香料 15~30% + アルコール
  • ・Parfum de Toilette(パルファン・ド・トワレ)またはEau de Parfum(オー・ド・パルファン)・・・香料 8~15% + アルコール + 蒸留水
  • ・Eau de Toilette(オー・ド・トワレ)・・・香料 4~8% + アルコール + 蒸留水
  • ・Eau de Cologne (オー・デ・コロン)・・・香料 2~5% + アルコール + 蒸留水
なお、日本語の「香水」は厳密には、パルファムを指しますが、一般にはパルファムからオーデコロンまで、すべての濃度の香水類を指します。

香りの基礎:香りの系統12タイプ

香りを創る上で、香りのタイプを分類すると大変便利です。香りのタイプ分類は、香料会社、各社ブランドによって様々ありますが、ここでは12分類をご紹介します。それぞれのタイプを知ることで作ろうとする香水のイメージをつかみやすくなります。

  • ・シングルフローラルタイプ・・・1種類の花をイメージした香り
  • ・フローラルブーケタイプ・・・数種類の花の香りが調和した花束のような香り
  • ・フルーティタイプ・・・果物の香りが中心となった香り
  • ・アルデハイドタイプ・・・花の香りを中核に、合成香料アルデハイドを特徴とした香り
  • ・グリーンタイプ・・・草原、緑を思わせるグリーンな香り
  • ・マリンタイプ・・・海や水をイメージした香り
  • ・ウッディタイプ・・・樹木を思わせる香り
  • ・シプレータイプ・・・オークモスとベルガモットを特徴とした格調のある香り
  • ・フゼアタイプ・・・オークモスとラベンダーを特徴としたフレッシュな香り
  • ・オリエンタルタイプ・・・アニマルノートを中核に、東洋を思わせる香り
  • ・タバック・レザータイプ・・・葉巻たばこ、皮の香りが特徴になっている香り
  • ・シトラスコロンタイプ・・・柑橘系の香りが中心になった香り

調香の手順・・・イメージを描く

まず、自分が創りたいと思う香りのイメージを描いてください。そして、そのイメージをなるべく鮮明に表現してください(調香チャートのイメージの欄にご記入ください)

調香手順1(イメージ)

採用香料の種類決定

調香手順2(香料チェック)

香料の配合パーセント決定

香料の種類が決定したら、それぞれの香料をどれくらい配合しようかという配合比率を決めます。全香料+アルコールなどの基剤を会わせて100%になるようにしてください。

「調香チャート」とは?

「調香チャート」は、香りのイメージから、香料の種類、配合比などを推測して書きまとまた「香りの処方箋」です。いわば香りの設計図です。

調香の手順・・・調香チャートを描く

  • ・日付
  • ・香りのネーミング
  • ・イメージ
  • ・処方(トップノート)・・・香料/(配合比率%)/(実測値ml)
  • ・処方(ミドルノート)・・・香料/(配合比率%)/(実測値ml)
  • ・処方(ラストノート)・・・香料/(配合比率%)/(実測値ml)
  • ・備考


使用する香料とその配分を決めます。基本的な処方の目安は、つぎの通りです:
  • ・トップノート15%
  • ・ミドルノート70%
  • ・ラストノート15%
一般的にトップノートには柑橘系、グリーン、フルーティなど揮発しやすい香料を、ラストノートにはアニマル、ウッディなど持続性のある香料を配分してください。ミドルノートの70%はイメージをより表現できるよう香料の配分を考えます。

実際の調合・調香作業

調香手順2(香料チェック)

  • ・ビーカーに無水エタノールを入れる
  • ・香料を調香チャートの実測値に沿ってスポイトでビーカーに計り取ります
  • ・スポイトは香料を計量した都度、クリアリキッドで洗浄します
  • ・調香チャートに沿ってすべての香料を計量し終えたら、スパティラで香料を撹拌します
  • ・そして、出来上がった香りをムエットに付けてスメリングします
  • ・香りがイメージした通りに出来上がっていれば、スポイトを用いてボトルへ移します
  • ・手直しをしたい場合は、調香チャートの%を書き換えてどこをどのように直すか考えましょう
  • ・(調香チャートを書き直し、はじめから香料を計量し直しても良いですが、出来上がった香りに何かを加えることでイメージに近づく場合もあります)


香りは作りたてと1~2週間経った後では、香料のなじみ具合が異なり香りの印象が異なってきますので、時間をおいて香りを確認することも大切です。匂い立ちの性質を考え、ムエットに付けた香りを時間をおいてスメリングして確認するとよりイメージした香りに近づけることができます。

調整作業

香りは、イメージ通りにできあがりましたか?普通はイメージ通りになりません。初心者ならなおさらです。少しでもイメージに近づけるために、不足している香りや強すぎる香りを抑えるために、香料を継ぎ足します。

大切なことは、香料は継ぎ足せても、引くことはできない事実です。コンピュータソフトのように「Control+Z」キーで元に戻れる性質のものではありません。よって、香料の継ぎ足しは、少しづつ行います。ある香料を入れすぎたら、それをうち消す香料を足していきましょう。

お知らせ・・・調香体験セミナー

武蔵野ワークスでは、年に数回「香水創り調香体験セミナー」を開催しております。ご希望の方は、セミナー情報を掲載している当社「新着情報」をご覧ください。