香水の選び方

( あれこれ悩むより、実際に購入した方が早い )
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香水の選び方

香水はとにかく種類が多く、名香と呼ばれるものがあったり、「芸能人御用達の香水」と宣伝されたり、彼に・彼女にモテる香水と宣伝さたり、初心者には迷うばかりです。

日常的に香水をつけない人にとっては試行錯誤がしにくい商品です。

そんな初心者の悩ましい香水選びにお答えします。

購入目的を明確にしよう

どんな商品でも、香水に限らず目的がはっきりしない商品選びは迷走しがち。

何のための香水か? 案外きちんと知っている人は少ないかもしれません。

たとえば、「かわいらしさ」の演出はフルーツ系やスウィートなフローラル系がいいでしょう。

アクティブな印象なら柑橘系など・・ある程度の傾向と商品系統の目星がありますので、下記のような目的を明確にしてみてください。
  • 自分自身のため:リラックスしたい
  • 自分自身のため:気合いを入れたい
  • 自分演出のため:清潔感を出したい
  • 自分演出のため:加齢臭対策
  • 自分演出のため:体臭対策
  • 自分演出のため:フォーマルな印象を演出
  • 自分演出のため:スポーティでアクティブな印象を演出
  • 自分演出のため:センスのよさをアピール
  • 自分演出のため:特定の彼女・彼氏に気に入られたい
  • 自分演出のため:かわいらしを演出
  • 自分演出のため:若々しさを演出
  • 自分演出のため:セクシーに見せたい・・・など

第1条件:自分の好きな香りでなければいけない

仮に彼女にモテるために彼女の好きな香水を聞き出して、それを買っても、そもそも自分がスキになれない香りだとキツイ。

香水は他の商品と違い、個人の嗜好がかなり明確に分かれる性質があります。

たとえば人気がある電気製品は多くの人にとって、やはり使いやすく納得しやすいのですが、香水は違います:
  • 人気のある香水 = 私も気に入るかどうかはかなり別問題
  • 人気のある香水 = 周囲の人も気に入るかどうかはかなり別問題
そして、超人気の香水を買うと、なんと、同じ香水を付けた人と出会うという悲しいシチュエーションも。人とかぶると気まずいです。

だから「売れているから」や「ランキングが高いから」を選択理由にすることは危険。

自分がつけるのだから、最低でも自分が気に入ることは大切な条件。

自分の好きな香りの探し方

テスティング(スメリング)しかありません。百貨店などで専門知識のある店員さんに下記のことを伝えましょう:
  • 自分の好きな香りのタイプや傾向
  • 購入目的
あとは提案されたモノを試すしかありません。

1度に試す香りは3-4種類が限度

鼻は嗅覚(きゅうかく)疲労を起こしやすくすぐに香りを感じなくなります。

これはトレーニングで、かなり鍛えることができますが、一般に疲労を起こしやすい嗅覚は3〜4種類の香りを嗅ぐだけでわからなくなります。

よって意欲的に何種類も試しても無駄です。

コーヒー豆を嗅いで嗅覚疲労を癒す人がいますが、それほど効果があるとは言えません。

完全に回復するには時間がかかります。

ムエットにつける、自分自身につける、どっちがいい?

香水を3〜4種類試す際、それだけの香水を自分につけると自分の周囲で香りが混じり合って混乱します。

逆にムエット(匂い紙)なら混乱せずに個別の香りを評価できますが、こんどは自分の体臭との馴染み具合がわかりません。

どちらも利点・欠点があります。

おすすめははじめはムエットで選び、2種類程度にアタリをつけ、今度は1種類を左手に、もう一種類を右手につけて香りの変化を見ます。

香りは水もの、体調で変化

体調によって香りの感じ方はいくらでも変化します。

調香師の中には早朝が感覚がもっとも研ぎ澄まされているとして早朝に一番重要な調香を行う人がいます。

人によって違うのでしょうが、疲れたり体調不良の時は識別できる香りもできなくなることはよくあります。

風邪などをひいているときなどは調香はあきらめた方がいいです。

訓練を積んだ調香師(パフューマー)でさえ体調の変化、一日の変化、気温・湿度の変化、季節の変化、気分の変化で香りを違った香りに感じるのですから、一般の方はなおさら、体調の悪いときには香りを判別しにくいと思います。

靴は夕方買いに行けと言われますが、香水は体調が良い日の、疲れがまだでていない朝買いに行くことをお勧めします。

当社は香水メーカーで、香水を毎日販売しているわけですが、馴染みのお客様から「香り変わりましたか?」とたまに質問が来ます。

実際に変わった場合はいいのですが、処方も製造方法も変えておらず、また他のそういう申し出のお客様がいない場合はお客様側の体調の変化が疑われますが、なかなか説明が難しく、また信じてもらえないものと感じています。

小さめ香水でリスクヘッジ・・・後悔しないために

そこまで慎重に選んだ香水でも、長い使用期間には思わぬ発見や絶望もあるでしょう。

だから、小さなボトルからはじめてリスクを最小限にしてください。

「これが自分のお気に入り」という香水を見つけるまで、大きめサイズの購入はリスクが高いでしょう。

ところが、「これが自分のお気に入り」を見つけても、人間の香りの嗜好は年齢や時間とともに比較的簡単に変化します。

「私の定番」も長く持たないことが多いことをご理解下さい。

定番の香水は可能なら数種類ほしい・・・シチュエーションに合わせて

香水の香りに対する感じ方はそのときどきの自分の気分やマインド、周囲や状況や雰囲気にとても微妙に連携する商品です。

そのときどきのシチュエーションにベストな香水って、やはり1種類では足りなくなるものです。

ファッションと同じでTPOに合った香水を使い分けることで、香りのセンスを磨けるし、また周囲の人の評価も高まると思います。

お気に入りの香水は数種類あったほうが理想的です。

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