香り好きのミュージシャンって実は多い。香りと音楽に関連性はあるのでしょうか?香りを愛するミュージシャンとしてサックス奏者の○○さんにお話をお聞きしました。マスメディアで活躍される一方、ストリートミュージシャンとしての印象が強いアーティストの○○。近年はギターの△△氏とともにボサノバ・ユニット「SAPATOS」を結成、全国で精力的に演奏活動に邁進中!武蔵野ワークスでは、○○さんとともにSAPATOSの香り「Eau de SAPATOS」(オー・ド・サパトス、非売品)を制作中です。実は○○さんは、当社の近所ということもあり取材に快く応じていただきました。まずは身の上話から。
---音楽をはじめたきっかけは何ですか?
もともと音楽好きの家庭に生まれた影響もあるかもしれません。中学生のころは人並みにビートルズに憧れてギターなんかやりはじめました。
---音楽は桐朋(※)で勉強されたのでしょうか?
桐朋は音楽大学として有名ですが、私は桐朋学園高校の普通科に通っていたので音楽とは無縁でした。しかし、次第に音楽への憧れが強くなり高校2年の時、自分は音楽の道に進むことを決めました。
---それでバークリー音楽大学(※)へ?バークリーは世界的に著名な音楽学校と思いますが、音楽の正規教育を受けずに入れるのでしょうか?
アメリカの大学はよくできたもので、取得した単位を引き継いで大学を変えることが可能だったりしてシステムが柔軟です。セメスターごとに大学を変える学生もいました。学生の受け入れ間口が広いので趣味で音楽をやっているというレベルの学生がたくさんいます。
厳密なクラス分けがされて「勝手にやってね」というレベルから世界的なミュージシャンや音楽家、プレイヤーまで超高層ピラミッドを形成しています。世界のトップレベルのミュージシャンの近くにいると、なんだか自分もすごいミュージシャンになった気になりますが、さまざなま意味で歴然たる差がありました。
---音楽の基礎はそのとき学ばれたのでしょうか?
バークリーでギターからサックスに転向しました。苦労しました。バークリーでは様々なこと学びましたが、目に見える形としてはサックスが吹けるようになった程度です。音楽理論もかなり勉強しましたが、それがそのまま役立つことはありませんでした。音楽理論が役立つのは後ずっと後になってからです。
---米国人は大学生の時点ですでにビジネスを前提に単位を取ったりビジネス活動をはじめる人が多い印象を受けますが、音楽関係のビジネス活動や就職活動はされなかったのでしょうか?
職業のことはどこか現実的な実感が乏しく、ひたすら勉強して4年間を過ごしました。それでなんとなく卒業したのですが、その時点で突然路頭に迷いました。社会からまったく隔離されたような、社会性をいっさい失った感覚です。きちんとした職に就かない状態でしたが、とりあえず腕を磨くために人前で演奏する活動を始めました。それはストリートであったり駅であったり、聞いてくれそうな人の近くで演奏します。そして様子を観察します。ちょっとしたおひねりもでますので生きていく術にもなりました。
現代風にいえば「フリーターの走りのような存在」でした。しかし、人を感動させる演奏がどういうものなのか、ストリートで学んだと思います。よい演奏とは音楽理論から生み出されるより、どちらかというとビートルズ聴いて「カッコいい、こんな感じか」というノリで吹いた方が聴衆の心に伝わる、と。じゃあ、理論はいらないかというと、それはまったく了見違いで、音楽理論とは音楽のテクニックやスキルを分析するための有力なツールなんです。聴衆の心に伝わる演奏ができるようになってバークリーで学んだ音楽理論の意味をようやく理解しはじめました。
そういう強力なツールを手にしたおかげでかなりのジャンルの音楽を分析し理解し自分のものとして演奏できるようになりました。反面、どんな音楽にも合わせられるので自分の音楽のアイデンティティや個性が薄れるというマイナス面もあります。また、性格的にも人を押しのけて前に出ていくタイプでないので、ソロでは大胆に表現できても、人との演奏ではそれがでにくくなることがあります。
---現在はどんな活動を?
かっては大手のプロダクション事務所に所属してマネージャーがいた時期もありました。ビジネス的にはそちらの方がよいのでしょうが、悩ましい問題もあります。プロダクション事務所やマネージャーは、ビジネスを成功させるためにあらゆる手法を駆使します。一方ミュージシャンという人間を商品として扱うわけですから商品であることと自分の音楽性との間には葛藤のようなものがあります。それはすべてのアーティストに共通する悩みです。
私の場合は、マスプロダクションよりストリートミュージシャンとして演奏することに魅力を感じました。現在事務所には所属していません。マネージャーもいません。その代わりエージェントのような存在の人間が世界中に何人かいて、緩い友好関係の中で様々な案件や仕事をこなしているという状況です。ストリートでたまたまそこに居合わせた聴衆、一回切りの演奏、そこには本物の演奏と感動があると思います。国民性も地域性もありますが、音楽に対する感動と感性はどこの国、どんな民族でも同じです。
---香り創りは香りのイメージが一番大切ですが、○○さんは演奏中に大切になれていることは何ですか?
うーん、難しい質問です。私の場合は、自分より高いところに意識を集中しようとします。気持ちをそこに持っていくという感じです。座禅中の禅僧のような心境かもしれません。それは天であったり、神様であったり、空(くう)であったり・・・うまく表現できないですね。たとえば神様とすると形あるものとして存在することになるので、それとはまた違っていて、どこか別の世界の中に漂う感じです。
もちろん演奏に集中することも大切ですが、ここでこう吹こうとか、きれいな音を出そうと意識するとダメですね。瞑想しているような状態で演奏していると、もともとあるべき音が出てくるというか・・・いい演奏ができているとき、妙に懐かしい感覚に襲われる瞬間があります、ひょっとしたらそれは前世の感覚ではないかと錯覚したくなるような不思議な瞬間です。
---今後の活動は?
現在の活動を精力的に進めることと今まで書きためたオリジナル曲を形にしたいこと、また今後はオリジナル曲の作曲に力を入れること、音楽を学びたい人への音楽理論の手引きのようなものを書きたいなどいろいろあります。また、音楽のメディアは劇的に変化しています。レコードからCD、そして現在では「ファイル」という形になりました。メディアはDVD、メモリー、CD、MD・・・。音楽は耳だけでなくパフォーマンス的な楽しさもありますので、音楽と映像を中心としたパフォーマンスというファイルをどんどん制作していきたいですね。
---音楽と香り、関係はありますか?
香りそれ自体に昔から興味があります。また敏感な方です。私にとって香りは料理と同じで楽しむものです。ナチュラルなアロマ系の香りを部屋には香らせています。視覚的な情報は音楽家の私にはtoo muchですが、香りは楽しめます。ハーブティーやコーヒー、紅茶など香りを味わう飲み物は大好きだし、お酒も香りを楽しめます。料理は味を楽しむものですが、味と香りは一体です。食べること、香りを楽しむこと、大好きですね。
ミュージシャンにはなぜか料理とお酒が大好き人が多いと思います。ミュージシャンがよい音楽を創り、よい演奏をするためには音楽だけを訓練していればよいというわけではなく五感全体が大切だと思います。五感全体を研ぎ澄まして芸術を創ること。アーティストにすればそれは生活そのものであり創作活動そのものだと思います。
(※)桐朋学園・・・小学校、中学・高等学校、大学その他からなる学校法人。桐朋学園大学(とうほう)は音楽大学として有名で小澤征爾をはじめとして優秀な演奏家を多数輩出している。音楽関係者には「きりとも」と呼ばれることもある。
(※)バークリー・・・バークリー音楽大学(Berklee College of Music)。マサチューセッツ州ボストン。コンテンポラリーミュージックを中心にした音楽教育を行う総合音楽大学。著名なアーティストを多数輩出している。学生の40%が海外留学生という超インタナショナルな音楽大学
SAPATOSの香り「Eau de SAPATOS」(オー・ド・サパトス、非売品)
○○コメント:私は香水香水している香りは少し苦手で、ゴージャスよりは自然な感じのアロマオイルのような香りが好きです。柑橘系中心の爽やかな香り。SAPATOSの音楽には、いきなり満腹になるより「もう少し聞きたいな・・・」と思うようなテイストがあります。SAPATOSの香りも、そんなまとわりつかない優しい香りです。
●SAPATOS(サパトス)
Sapatosとはポルトガル語で「靴」。アコースティック・ボサノバ・ユニット。ボサノバを基調に様々なジャンルの音楽を演奏。東京都ヘブン・アーティスト。
【データ】
●○○(Sax)
・http://www2.gol.com/users/sax346
●△△(Guiter)
・http://jun-kimura.jp
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