これらのグローバルビッグカンパニーのそれぞれの売上90〜95%は、20社前後の同じくグローバルカンパニーの顧客によって支えられています。
その後○○氏はバイエル傘下のハーマンアンドライマー社に移籍します。一方でPFWのフレーバー事業部はアメリカの食品香料専門の会社と合併し「テイストメーカー」という新会社を設立します。
しかし、7年後にこのテイストメーカーはロッシュ傘下のジボダン・ルール社のM&A買収後ジボダンに名称を変え現在に至っています。このジボダン社は凡そ過去20年間に1回の合併と4社のM&Aを行い世界最大の香料会社に発展して来ました。
グローバル企業の買収は時として、買収された側がビジネスイニシアチブをとる事が間々あります。テイストメーカーのケースが典型的な例です。結果過っての○○氏の上司が新生ジボダンジャパンの日本代表に就任したそうです。縁あって○○氏はジボダンに移籍します。
欧米の外資系企業では、同じ業界内でライバル企業間を社員たちが移籍を繰り返すという現象が見られます。スタッフの回遊現象は香料会社でも同じようです。日本の外資系香料会社で働く日本人は正確な統計はありませんが、○○さんのざっとした印象では数百人、会社を越えて知人ばかりになってしまうそうです。
○○さんはドラゴコからジボダンまで長い年月大手化粧品会社の担当として日本のフレグランス動向をつぶさに見てきましたが、2年前にジボダンを退職し独立します。設立した会社がネオネクリエーションです。
大手の香料会社がM&Aでより巨大化し、より巨大な取引先(たとえばユニリーバ、P&G、コルゲート、ロレアルなど)だけをカバーするようになると無数の小さなニッチマーケットが置き去りにされる現象が出始めていると○○さんは憂うと同時にほくそ笑んでいます。
アジア市場においてフレグランス需要が長年停滞している日本は、香料メジャーにとって、ことフレグランスに関してはまったく取るに足らないマーケットです。当然彼らのアジア向けリソースは、フレグランスに関して日本には目もくれず中国やインドに投入されています。資金しかり、工場しかり、営業拠点しかりです。
そこでぽっかり空いたニッチな日本市場に○○さんは目を付けました。スタンスは極小規模・知識集約型のビジネスユニットでニッチな市場のフレグランス文化全体の底上げをしたいと考えています。大きい組織が良いか悪いか別として、大企業には様々な部門があり様々な人材がそろい、様々な研究や試行錯誤がなされた結果相当数のノウハウやデータが蓄積されています。
小さい企業や個人レベルでは経験しがたいそういう懐の深い環境で学んだ経験を武器に小さい企業にも大企業並みのノウハウを伝えたいとい考えています。
----「たとえば、日本のホテルには消臭や掃除を徹底しても異様にタバコ臭い部屋がありますが、ヨーロッパではほとんどありません。これは消臭化やマスキングのノウハウがあるためです。そういったノウハウを提供します。」
----「最近特に拡販したいのが天然香料やノンリアクションナチュラルケミカルと呼ばれる天然由来食品香料原料です。これは食の安全を求めるマーケットに答えるためです。」
----「フランスには香りに対する長い伝統と文化があるだけに一般の人々の香りに対する目も厳しいというか鼻には厳しいものがあります、そんな中で生まれ育まれてきたてきたフレグランスには一朝一夕には太刀打ちしがたい高さがあります。」
----「天然香料に関して言えば日本ではほとんど産出されないため、或いは天然香料の扱いにコストが掛かりその一方でマス製品の香料に専念する傾向にあるため天然香料に強い調香師の方々は多くないのが現状かもしれません」
ネオネクリエーションは日本の市場では、天然香料、調合香料、ナチュラルケミカル、食品用天然エキストラクト、容器並びに一流のデザイナーとタイアップしたクリエーションサービスを中心にビジネス展開を行っています。
----「特に、天然香料を駆使するビジネスは自ずとそのビジネスモデルは供給量と共に決まります。ですからマスマーケットとは疎遠になります。グローバル企業の商品開発ではすべての原料が一定品質で安定かつ継続的供給が絶対条件です。」
----「天然香料は本質的に不揃いで不安定な産物です。今年は豊作だったが来年はどうなるかわかりません。その年の天候更に天変地異にかなり影響されます。」
----「天然品とは、本来そう言うものです。」
「年間5千本位のフレグランスしか売る力が無い」と考える企業のオーナーの方には逆に商品に付加価値を与えるビッグチャンスです、と○○氏は語ります。
ネオネクリエーションは天然香料の産地に直接パイプのある仏フレグランス・コンタクト社の代理店です。また○○氏は長年築いた個人的財産としての知己であるフランス人パーフューマー・セールス・フレグランスマーケッターとのネットワークを活用し今日のビジネスを行っています。
○○さんの話には随所に有名なパーフューマーの名前が出てきます。調香師の多くは香料会社に所属しているケースが多いので様々な外資系香料会社に所属した○○さんならではの話です。
最後に、日本人でパーフューマーになりたい方は多いようです。なれますか?、と聞いてみました。
----「フランスでもかなり人気ある職業です。香料会社のM&Aの影響で現役のパーフューマーがあふれており、パーフューマーになりたくてもラボランティーヌ(パーフューマーのアシスタントとして作業的調合などを行う)どまりのケースも多いです」
そして、重要なポイントとして「コネ社会」と指摘されるフランスでは「やはりコネも必要です」と付け加えてくれました。では、コネのある○○さんに相談すれば、なにか道は開けるかも?と考えたのは私の甘すぎる推測かもしれません。
●(右)△△氏が調香し株式会社ベルローズからリリースされたローズのオードトワレ『ローズマニア』。●香水専門店『ディパフィ』、表参道ヒルズ『ドゥ ラ ローズ』、『銀座ビビ』などで販売されている。
●(左)△△氏。「カルチェ」「ヤドレー」「ランカスター」「ピエール・カルダン」「ダニエル・へシュター」など手掛けるパフューマーにして「フレグランス・コンタクト社」(パリ)代表。●フレグランス・コンタクト社はネオネクリエーションの取引先というだけでなくベルジュ氏自身、ネオネ社の役員を兼ねる。
【企業データ】
●株式会社ネオネクリエーション
102-0084 東京都
http://www.neonecreation.com
info@neonecreation.com
03-3262-0040
●取引先:
・フレグランス・コンタクト社(天然香料、調合香料)
・ルネ・ロラン社(食品香料)
| 「香る生活」のトップ | |
Copyright ©1996-2008 Musashino Works Inc. |