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  沈丁花のエピソードをお寄せいただきありがとうございます


06

昔は沈丁花を植えている家が本当に多く、花の季節になると通学路はこの香りにあふれていました。帰り道に花を摘んで、「香水」といってこっそり体に擦りつけたことも。ただ、沈丁花の香りは近くでかぐと思った以上に濃厚で、幼い私にはちょっと息苦しくなるような大人の香りでした。春の訪れを感じさせる沈丁花ですが、私にとっては心を浮き立たせる香りというより、けだるいような切ないような不思議な気持ちにさせる香りです。それにしても沈丁花の香りが漂ってくると、必ず在り処を探してしまうのはなぜでしょうか。


...by  cobicobi

  素敵な香りでも、濃度によっては卒倒しそうな香りは少なくありません。あたとえばアンモニア、あれは臭い!、頭が割れるというか、鼻を捨てたくなるような臭いのくせして、濃度を薄めると感じ方によっては花の香りに近づくんですよ。信じられませんが。


05

私にとっての沈丁花の香りは母の思い出・・・母は沈丁花の香りが大好きでした。私が子供の頃、母の誕生日のプレゼントにしたいと思い沈丁花の花を押し花にして香りが残る様にと渡すその日までタンスにしまっておいたのに、誕生日のその日喜び勇んで渡したら・・押し花は無残な形に・・それでも愛おしそうに喜んでくれた母の顔が忘れられません・・



...by  しょうこ

  たぶん、それは、たんに顔が引きつっていただけかも?(^_^; 光景が目に浮かびそうな話ですね。


02

祖父は明治生まれの長洲気質で大変気難しく厳しい人で、覚えているのはお正月には庭で先祖代々の日本刀の居合い切りをしている姿で、小さい私は背筋を伸ばして正座をし、その姿を見ておりました。(笑)

そんな祖父は、祖母や父母の前ではいつもいつも難しい顔をしながら居間の決まった場所で碁の本を読んだり刀の手入れをしていたりでしたのですが実は孫の私たちにはとてもとてもやさしかったのです。しつけの厳しい祖母の目を盗んでは内緒でお小遣いをくれたり、一緒に散歩に行くと、祖母から禁止されてる買い食いでこっそりたこ焼きを食べさせてくれたりと・・・(笑)、私はおじいちゃんが大好きでした。

その祖父は春先になるといつも毎日毎日、庭の片隅で目を細めていました。そこには小さな低木が数本埋まっており、白地に赤紫の小さな花がいっぱいいっぱいつぼみをつけており、祖父はニコニコしながら、花の香りを楽しんでいました。私が一番最初に覚えた花の名前がその「沈丁花」でした。私も毎日毎日祖父とそこに行っては日に日に香りの強くなる沈丁花の花を楽しみにしていました。

やがて祖父がなくなり、祖母もなくなり、父と母は近くにできるニュータウンに家を新築することになりました。そしてそのふるい家ともお別れすることになりました。私はまだ小学校3年生であまりよくわからなかったのですが、ようやく友達のようなキレイな新しいお家に住める!と喜んでいました。

引越しということが今の庭ともお別れになるとわかったのは引越しの当日でした。

庭には毎年夏になると大きな大きな実をつけてくれるザボンの木や、学校から帰って一分でも早く遊びに行きたいときにおやつがわりにもいでいったイチジクの木、祖父と棒で必死になってとっていた柿の木やいっぱいいっぱいあるそれらの大きな木・・・。

新しい家にはその半分にも満たないような小さな庭しかありません・・・父に「ザボンの木どうするの?」と聞くと「もっていかれへんからなぁ・・・」とさびしそうに答えが返ってきました。子供の私はそのときに初めて「寂しい」と思いました。

あれからもう25年ほどたちました。新しい家も、すっかり古くなり、昔の家に住んだよりもずっと長い間暮らしたことになります。

狭い狭い家ですがこの家の片隅に小さな白いつぼみを膨らませてる沈丁花の老木があります。実は父もどうやらこの沈丁花だけはどうしても祖父の思い出として気になっていたらしく引っ越した後、一人で元の家に行き掘り出してきたのです。家の裏手にそっと移植されてたので、私はしばらく気付かなく、数年後、新しい庭に慣れた沈丁花が懐かしいその匂いを漂わせてくれるまで私はあの沈丁花が家に無事に居てたことを知りませんでした。

それから、毎年毎年、沈丁花の香りが漂うとあのときの祖父の顔と、会社帰りにこっそりこの木と格闘してる父の姿が目に浮かび幸せな気分になります。そんな沈丁花の香りも実は3年前、私が結婚して家を出てからはそうそう楽しむこともできません。

寂しく思っていたところ、昔、中学生のときにどこかで「沈丁花の香り」の香水が発売されたことを思い出し、もう一度あの香水がないか探し回りました。扇形のその瓶をはっきり覚えており、思いつく化粧品会社に問い合わせたりもしましたがとうに廃盤になっているだろうその香水については結局わかりませんでした。

(中略)

届いた武蔵野ワークスさんの沈丁花をどきどきしながらそっと香ってみると・・・

それは、本当に懐かしいあの匂いでした!届いてから実家に帰るとき、そっとその香りをつけていきますと、父が「あれ?今どっかで沈丁花の匂いがせんかったか?」と驚いていましたよ(笑)。いつまでも、この香りを守っていっていただけたら・・・と思います。


...by  ばりこ

  ※少し長かったので、カットさせていただいた部分があります。ばりこさん、申し訳ありません。

読んでいるうちにひきこまれちゃって、ご本人になったかのような気持ちで読んでしまいました。突然「引越しということが今の庭ともお別れになるとわかったのは引越しの当日でした」という部分にきたときには切なかったです(ちょっと泣けました)。子供って先のことが予測できないので、突然ショックを受けるですよね。

厳しいお祖父ちゃんから3代、絵巻のような光景が伝わってきました。有り難うございました。


01

20才まで住んでいた家の庭に、この季節には沈丁花が咲いていました。子供の自分にはきつい香りであまり好きじゃなかったんですが、ある時に郵便屋さんが『金のしっぽさんのおうちは、この香りでわかるんだよ。』『町内でも家に沈丁花がある家はあんまり、ないからね。』と言われてからは大好きになりました。もうその家は取り壊されてありませんが、今でも沈丁花の香りがすると、懐かしい子供の頃の思いでがよみがえってきます。香りが思いでと結びついているんですね。沈丁花の花をハンカチに包んで香りを移して学校に持って行った事を思い出しましたよ。懐かしいです。


...by  金のしっぽ

  郵便屋さんとの日常生活の何気ないコミュニケーションが、このまま絵になってしましそうな光景ですね。



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