( 香水工場の )
香る生活
香水の誤解、クサいモノとクサい香料は別物
香水ネタ話の裏取り
先日テレビ番組制作会社さんより電話をいただきました。よく来ます。
だいたいは「香水に関するこういう話は本当でしょうか?」というネタ話の裏取りが大半です。
今回は「香水にオシッコなど臭いモノを混ぜるというウワサがありますが?」
それは香水の都市伝説
これは日本マクドナルド創業者の藤田田氏が生前よく嘆いていた「ミミズ肉」伝説に似て、なかなか消滅せずに語り継がれる香水の都市伝説です。
世の中、想像を絶するスペシャルな考え方をお持ちの方がおられますので、完全には否定できませんが、少なくとも企業として活動している香水メーカーなら、香水にオシッコを混ぜることはない。
第一に薬事法上許されません。第二に不純物が多いオシッコを原料として採用するメリットがない。第三に品質管理上、技術的に厳しい。
しかしクサい香料の存在は事実
しかし、たとえば、ジャスミンやビターオレンジの花の香りを嗅いだことはありますでしょうか?
それらは妖艶な香りで人を魅了しますが、甘美な香りの中に、ややムラムラっとする怪しい香りが!香りの奥に、遠く微かに人の糞尿臭を思わせる香りを感じるでしょう。
これはインドールという香り成分のなせる技です。インドールは、クチナシやユリなど妖艶な香りを発する花には比較的多くの花に感じられる香りです。
チーズなどの発酵食品にも感じられる香りです(やや濃度高めかな)。そして、この香りに取り憑かれているチーズ愛好家は少なくありません。
希釈で変貌するインドールは大切な香水原料
純度が高いインドールは大便臭なのに希釈(100倍〜10000倍)すると妖艶で、ときに「セクシー」に感じられるところがふしぎな香り成分です。
インドールはアミノ酸などから化学合成され生産され市場に流通している合成香料です。そのインドール香料が香水に使用されることは珍しくありません。
インドールに似た香料にスカトールという香料もあります。また、それらを改良した合成香料が世界の香料メーカーから商品化されています。
香水都市伝説の結論
「香水にオシッコを混ぜる」という部分は違いますが、「臭いモノを混ぜる」という部分はウソではないとも言えます。
(2011-07-25)
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