今年もクロモジ香水がリリースされます・・(2024/04/08)

( ５月の贈り物フルボトル＆キューブボトル )

香水『黒文字の花』

昨年『５月の贈り物』としてデビューした製品です。

ことしも『５月の贈り物＝黒文字の花』、一言で言えばこんな香りです・・心鎮まるウッディ。

特徴はクロモジ精油。精油そのものではありません。精油そのものもよい香りで味わい深いのですが、そこは香水らしくアレンジしました。

さらに若葉のようなグリーン感とシトラスのような爽快さが含まれます・・なので強引に空想をたくましくすると、森の中に差し込む光のような輝きがある香りなんです（・・まあここまで行くと恍惚の人の解説になりますが、大げさに言えばの話です）

新緑の季節・５月にぴったりですね。

クロモジ精油

ここからクロモジ自体の話題です。過去１０年でクロモジ精油を採取する蒸留所さんが日本中で増えました。

クロモジは日本中の山で普通に繁殖している低灌木で豊富な植物資源です。それが医薬品・食品・化粧品、そして当社のように香水原料として利用できることはありがたいですね。

( クロモジの開花は４月初旬が多い )

クロモジはクスノキ科樹木の一種ですが、クスノキ科には香りを発する樹木がたくさん。きのう書いたホウショウもそうですし、シナモンもクスノキ科ですね～・・クスノキ科は香りの宝庫のようです。

植物名「クロモジ」の由来

クロモジはその幹に黒い文字のような模様が入ることから「黒文字」と呼ばれるようになったそうな・・分かり易く納得の説明ですが、実際に文字に見える模様は見たことがない、そもそも黒い模様も珍しい。

私が見た範囲では黒い斑点があった場合、文字というよりヒョウ柄に近い。

私がクロモジを知らない頃、「黒い文字のような模様が入ることから黒文字と呼ばれた」説を知り、私のイメージは１００％「『耳なし芳一』のような模様か！」だったが、実際の樹木はかなり違っていた・・

( 日本の怪談『耳なし芳一』 )

昔は文字のような模様が入っていたのかな？・・それが変異して文字模様を失ったのか定かではない。

あえて樹皮を残すクロモジ楊枝

クロモジは和菓子用の爪楊枝として知られている。香りがよい上に適度な柔軟性と弾力性がいいのだろう。

歯の掃除用の楊枝として使えるのか不明だが、仮に使えば歯肉を傷つけにくい。

クロモジ楊枝はわざわざ樹皮を半分くらい残して加工されるが、これは精油を残し香りを楽しむため。

精油効果で殺菌作用・清浄作用があることは昔の人は知り得ないことだが、経験則的に感じていただろう。

しかし「香りがあるクロモジ楊枝」に私は出会ったことがない。心頭滅却すれば感じないこともないだろうが、ふつうに饅頭を両断しながら「う～ん、クロモジよ・・香り高し」といった優雅な気持ちになったことはない。

( クロモジの香りを感じられ、それを楽しむ方もおられる )

クロモジの香りを楽しむには、生の枝で裁断したてがよかろうと思うが、そこまで凝ったクロモジ楊枝は、私のような庶民階級ではなかなか出会えるものではない。

楊枝専門店の「さるや」さんではクロモジは精油が貯まる冬に枝を切り出して製造するという。

そして長期間使わないと香りが飛ぶため、クロモジ楊枝の大量買いはおすすめしないという解説だった・・こだわり強し、これぞ茶の湯レベルの楽しみ方だろう。

クロモジ楊枝の発案者は誰だろう？・・と検索したら近所の内科先生のブログを見つけた、そこには千利休説が書かれていた・・「気性の荒い織田信長やせっかちな豊臣秀吉を・・」「落としたての香り高いクロモジ楊枝を和菓子にそえた・・」

ビール、菓子への応用が拡大するクロモジ

クロモジ茶は昔から有名で多くの地方で自然発生的に飲まれるようになったようだ。かの養命酒には「烏樟（うしょう）」という生薬名でクロモジが配合されている。

近年ではビールの副原料として利用される。ビールは麦とホップで作られるが、香り付けとしてクロモジを配合したビールが全国の醸造所から続々とリリースされている。

当社に近い酒蔵だと当社から多摩川沿いを１時間（自転車で）ほど上流に上ったところにある石川酒造さんが東京産クロモジによるクロモジビールを製造されている。

クロモジは、どんな山にも普通に生えている灌木でありながら、香りがあり日本的で薬・酒・食品・化粧品原料への応用ができるありがたい資源、エコな循環サイクル型の原料になりえる、そんな観点からもクロモジブームは長く続いてほしい。

長く続くためには静かなブームであってほしい・・と祈っております。

【関連記事】
(2023/04/10) クロモジ香水を作る



お客様コメント：

2024/04/09 (Tue) 16:46:21

クロモジ

私が通った学校では夏にキャンプがあり、大学の生物学の先生が木々を説明しながらの山歩きがあります。
そこでクロモジの木を紹介され、それぞれが枝を折り齧ったり香りを楽しんだ経験を思い出しました。

・・meiko



2024/04/09 (Tue) 14:15:32

待ってました

昨年から5月の香りを、ずーと待ってました。
待ちかねてます。

発売日を、あちこちのカレンダーに書き込み、メモを貼り付け
今年はフルボトルをゲットします

・・いこ



(2024-04-08)

プレゼント企画に参加いただいたみなさま、御礼申し上げます・・(2024/04/06)

( 企画は大成功でしたが、終わりが早すぎて恐縮しております )

プレゼント企画

４月１日より「夏香水『Summer』のプレゼント企画」を実施しましたが、３日目には終了しました。

私は一週間程度で [プレゼント在庫切れ＝企画終了] と予想し「そんなに急ぐ必要ありません！」という趣旨のブログも書いていましたので、プレゼントを逃された方もおられるかもしれません、申し訳ございません。

喜んでもらえた印象

今回は在庫一掃が必要だった商品をプレゼントに回しました。

不良品ではないのでそれなりに欲しい方はおられると予想しました。予想通り初日から勢いがあって私もうれしかったですが、初日でプレゼントが切れないかとヒヤヒヤしておりました。

反面この勢いに喜んでもらえた印象を受けました。

製造業に余剰品はつきものだが・・

当社は香水メーカーで製造業の企業。モノ作りには必ず余剰品が生まれます。事情はいろいろですが必ずです。

今回の企画に気をよくして、こんなに喜んでもらえるのなら余剰品などはプレゼント企画にドンドン回したいという気持ちに。

しかし問題は小さな企業なので量・本数がでない点。プレゼント企画などイベントに耐えられる規模ではない・・今回は単品プレゼントでしたが、いろいろ細かく出てきた余剰商品の複合体ならそれなりに本数いけるか？・・などモヤモヤしています。

香水Summer、ぜひ楽しんでください！

さて今回『Summer』をゲットされた方は、香りを試されたでしょうか？・・お気に召されることを祈ります。

( 四万十川を囲む四万十の山脈 )

『Summer』はユズ精油を配合したユズ香水と説明しておりますが、ユズは全面にでてきません。その点でシトラス系香水の特徴であるトップノートの華やかさが欠けます。

しかし春が過ぎ夏が近づいて蒸し暑くなる頃、『Summer』には四万十川の山脈を思わせるような地味に深い味わいを感じてもらえると期待しています・・当社製品らしい地味さですよね～・・ぜひお楽しみください。





お客様コメント：

(Voiceにいただいたコメント)
Date: Mon, 8 Apr 2024
金木犀2015とSUMMER

近くで嗅ぐと温かみのあるスパイシーさ（ハーブ?）を感じ、遠くからだとふっとジューシーなゆずが香ります!くせになります…大好き!



(Voiceにいただいたコメント)
Date: Mon, 8 Apr 2024
Summer 爽やかだけどお腹が空く香り

身体につけてしばらく（2～3時間くらい？）経つとミントやバジルのような香りを感じられてバジルソースを使ったお料理が食べたくなります、不思議



(2024-04-07)

お待たせしました・・(2024/04/06)

( 『Suzuran 2020』から「2020」が取れ、２０１９年までの名称『Suzuran』に里帰り )

『すずらん』再開

原料の一部が調達困難となり長期休止中だった『すずらん2020』が2024年５月１日再リリースされます。

香りが少し変わります

なるべく『すずらん2020』のままの香りで再リリースを目指してきましたがかないませんでした。香りは多少変化します。感じ方によりますが、私には、かわいさよりもやや大人びた香りだと感じます。

名称も『すずらん2020』から『すずらん』へ改名されます。

( ２０２０年～２０２３年の『Suzuran 2020』 )

新生『すずらん』に生まれ変わる理由

『すずらん2020』は2020年にリリースした香りです。昨年、原料の一部が調達困難となり、リリースからわずか３年で『すずらん2020』は長期休止アイテムとなりました、もう一年近くお蔵入りのままです。

お蔵入りする前から新しい原料で処方を組み直して試作を重ねましたがダメでした。

いろいろな新原料が試されましたが、納得できるものがなく、ついにスズラン香水は廃盤かな？・・と弱気になっていた頃、偶然、「香料園」さんの精油が、当社の『すずらん』のテイストや雰囲気を漂わせてくれることを発見！

ホウショウ精油といって樹木から採れる精油がです、「まさか！」と思いましたね。

ホウショウで生まれ変わる『すずらん』

昨年、鹿児島の「開聞山麓香料園」（かいもんさんろく・こうりょうえん）さんに見学に行く機会があり、ホウショウ精油に出会う幸運に恵まれました。

もともと香料園のホウショウ精油はフランスに大量輸出されていたもの、高級ブランド用の香水原料としての実績も豊富。

しかも樹木精油にもかかわらず花の香り成分として利用されていたところがおもしろい・・あちらのパフューマーさんたちもホウショウの可能性を知ってのことだろう。

当社もこの樹木精油でスズランの香りを再開することになりました。

受け入れてもらえるか？

かつて『すずらん2020』を愛用いただいていた皆さまがお気に召すかどうか？・・

香りが変わるとどうしても「前の方がいい」という一定数の意見は避けがたい・・ですので不評や酷評がもあるでしょう、心の準備はできています。

しかし新生『すずらん』も少しの移行期間を経て受け入れてもらえるのではないかと期待しています。




(2024-04-07)

繰り返し洗っても丈夫な綿布、気に入っていただけに惜しい・・(2024/03/26)

( 綿布の手触りは人の肌に心地よい )

ボンファブという緩衝材

全体のプラスティック使用量をなるべく減量しようと、当社では数年前に綿布を緩衝材の一部として利用するようになりました。

この綿布を「ボンファブリック」、略して「ボンファブ」と社内では呼んでいます。

布巾やおしぼりなどとして再利用可能な綿布です。ときどき汚れなどでお客様に出せないボンファブはスタッフが自宅に持ち帰りキッチンなどで愛用しています。

私も利用しています。繰り返し洗っても丈夫なんです、適度な厚みが使いやすい、気に入っています。

綿製品の価格高騰

円安の上に世界的な綿製品の価格高騰があり、当社が仕入れていた輸入商社さんはついに輸入を停止されました。

他の仕入れ先や代替製品を探していますが、かなり厳しい状況です。

ボンファブリックは現在庫をもっていったん終了することになります。３月末前後にはなくなると予想されます・・残念・・






(2024-03-26)

（お願い）しばらくSNSでつぶやかないで・・(2024/03/26)
（４月３日 13:00 終了しました、たくさんのご利用ありがとうございました！～）


( かすかに心配になってきたな～ )

小さな企画

一つ前の記事「『Summer』プレゼント企画（４/１～）」にて企画告知をしました。

一部のお客様には喜ばれるでしょうが、プレゼント条件も厳しく過剰に盛り上がることはなかろう、１００本程度のプレゼント品は１週間～10日程度でなくなればいい方だろうと考えています・・そういう規模のブランドなんです

しかし「初日でプレゼントがなくなることはありますか？」というお問い合わせが２件来て不安になってきました。

初日終了なんてない！・・と思う

断言しますが、初日でなくなるなど夢の夢、ありえない話です。

たとえば今月、日本マクドナルド社が放った「ハッピーセット『カービィ』」企画では大混乱が起きた・・「『マック激混み』で車逆走・交通トラブルまで…完売で泣き出す子どもも」

こういう珍事件は誰もが知っているマックだからこそ。当社には無関係な話、しかもプレゼント条件も厳しい・・「ないない」と頭を振っていますが、これが近年は少し怪しくなっていることも事実。

ＳＮＳの時代は何が起きるか予測不能

それはSNSの影響力・・我ら中小無名企業にまでSNSパワーが及ぶケースもなきにしもあらず・・

この時点でも私は「初日完売はない」と確信していますが、スタッフには本日から企画がはじまるまで本件アナウンスはSNSでしないことを通達しました。

企画が始まって仮に人気がなければ、SNSで大きくアナウンスさせていただきます。

この記事をお読みいただいたお客様にもSNSでの公言は少々お待ちいただければ幸いです・・（こういうことを書くと逆におもしろい！と話題になったりするので悩ましい・・ですが、これはそこを狙った記事ではありません）

「初日終了の可能性は？」への返事

問合せいただいたお客様にはこのように返事しました：

当社は無名ブランドですので１日～２日で商品がなくなるようなことはあまりありません。

１週間～１０日くらいでプレゼントがなくなると予想しています。

しかし近年のSNSの影響は凄まじく、まちがって話題になったりすると想定外の展開になる場合があります。

過去の事例では話題になったケースはほぼなく、今回も静かに推移すると予想しておりますが、正直読めません。

企画は４月１日午前０時スタートです

企画が静かに推移してご関心あるすべてのお客様にゆっくりとお買い物いただけることを祈っております。

（４月３日 13:00 終了しました、たくさんのご利用ありがとうございました！～）





(2024-03-26)

訳ありの商品ですが楽しでいただきたい・・(2024/03/05)
（４月３日 13:00 終了しました、たくさんのご利用ありがとうございました！～）

( 柚子の香りも含め夏の四万十の山々の雰囲気が楽しめる Summer )

『Summer』リリース時の話

『Summer』は２０２０年にデビュー、夏におすすめする香水として制作した香りです。

リリース時のブログ「香水『Summer』リリース」を読み返してみると「柚子ブームに乗りたいだけの製品ではない！」とややムキに書いていたな～と笑える。

１０年くらい前からコスメ業界では静かな柚子（ユズ）ブームでしたが沈静化したころにデビューしました。

ブームも終焉したし大きく売れることはないと予想していましたが、想定通り静かに推移しています。

前回『Summer』作りすぎた～

前回の『Summer』製造では少々強気に作り過ぎてしまいました。

香水は数年経過しても品質的には問題ありませんが、香りのフレッシュさは微妙に落ちてくるもの・・

今年製造の『Summer』は７月からリリース予定です。そこで今年７月リリース分が来る前に
強気生産の在庫分をプレゼントとして放出することになりました。

この製造分と比較するとおそらくトップノートでフレッシュさに多少違いがあると予想しますが、現行の『Summer』もまったく問題ありません。

４月に下記どれかのお買物を予定されているなら、ぜひご検討ください。

（『Summer』は柚子をテーマにしていますが、柚子だけの香りやはっきりした柚子の香りの香水を捜されている方にはご希望とは違う香りです、お間違えのないよう願います）

プレゼント企画

初日終了はないはずだが・・

お問い合わせが来たので補足記事を入れました → 夏香水『Summer』プレゼントの補足の話





(2024-03-05)