( 香水工場の )
香る生活
フルーティな香りが降りる梅の花
雪の連休と梅の花
この連休、東京は久々の雪に見舞われました。寒かったですね。デスクワークをしていても寒さはヒシヒシ。
凍える手足は・・・仕方ないですね、イマイチ暖房が効かない超エコな事務所ですので(寒いので内心出社をいやがるスタッフも)。
シンシンと雪降る外を見ていると野鳥や野生の動物はどうやってこの寒さをしのぐのかとチラッと心をかすめます。春が待ち遠しいですね。
・・・なんて見渡すといつの間にか、いたるところ赤や白の花をつけた梅の花が咲きほころんでいました。この寒い中にまあ元気なものです。
武蔵野を埋める梅の花と芳香
武蔵野では梅の木はご家庭のお庭の定番樹木。普通に梅だらけなので、この季節は武蔵野全体が梅祭りのようなものです。
旧農家だったお宅(まだまだ武蔵野には多いんですよ)などはすばらしい梅がワシャワシャ茂っていて満開の頃は心まで明るくなります。
日本の懐かしい風景ですね。
また、武蔵野が梅の花で埋め尽くされると風の中に、かすかなフルーティーな香りが混じるようになります。
ちょっとしたはずみや瞬間に「あれ?甘い香りした?」なんていう感じです。
香りは沈む煙のように
梅はフルーティな香りを漂わせますが、多くは強くありません。またまったく香りを出さない品種や個体も多いようです。
その微妙さが、また超日本的です。強烈メリハリある香りを愛する外国人が共感できない香りのニュアンスかもしれません。
しかし、香りを発している梅の花の下にたたずむと微かな香りが降りてくる感じがはっきりわかることがあります。
そのときわたしには、梅の花が音を立てて芳香を噴射している幻想にとりつかれます。
そんなときの梅の花の香りは、ドライアイスの煙のように香りの重さで静かに頭上から香りが降りてくる感じです。
幸福な瞬間です。
(2011-02-14)
( 香水工場の )
香る生活
乾燥の季節、甘い濃厚香水もサラリと
空気の乾燥具合
最近の日課は、出社したら湿度をチェック。20%代が続いています。先日は15%と表示していたことがあり例年より乾燥が厳しく感じられます。
静電気は稲妻のように
近所のレストランで食事して、レジでお金を払おうとした指先が、レジの店員さんの手に接触した瞬間、バリっと静電気放電で「おっ!」と心中、声を上げてしまいました。
心臓が弱っていると「まずいかも」と思える激しさ。
こんな光景、日本の冬の風物詩ですね。
香りのスメリング、濃厚系香水もまかせない
これだけ乾燥すると、不思議とどんな甘い濃厚な香りもOKになります。多くの人が同じような体験をされるかもしれません。
社内では日常的に新しい香水の新作や試作品、社外の香水などスメリングする機会があるのですが、夏場は苦しい甘い濃厚な香りが、すんなりと鼻の中に入っていきます。
香りはOK、乾燥の季節も悪いことばかりでない
香りの仕事で多少、香りの評価をする立場上、好き嫌いを別にして公平にうんちくすることが求められますが、冬場はこれは案外サラリといけるので、いいといえばいいことです。
乾燥しずぎる季節、あまりいいことは多くないのですが、探せば、ちょっとだけいいこともいろいろ。
(2011-02-03)
( 香水工場の )
香る生活
石鹸の香りは、温もりがある香り?
絶えない質問、「石鹸のような香りの香水」
先日フレグランス協会の会合に出ました。香水関連の同業者が集まる会合です。
フリートーク時、話題になったトピックの一つが「石鹸のような香りの香水」。この質問、多くのフレグランス関連業者にとって、消費者からの質問の上位なんです。
(逆に言えば、「石鹸のような香り」の香水を商品化すればヒットの可能性が高い!というおもしろい図式)
海外では聞かれない
欧米では、まず聞かれることのない質問。私もあちらのパフューマーさんに聞いてみたことがあるのですが「石鹸のような香りって、どういう香り?」と逆質問をされました。
石鹸の本当のニオイ
あえていえば、香水業界の人間にとって「石鹸の香り」とは「脂臭い」イメージが来ます。石鹸の原料は、脂ですから。
石鹸の香りのイメージ
石鹸はトイレタリーなので、香水のように使う人が限定されることなく大多数の人に愛される香りでなければなりません。
大多数の人に愛される香りとして、日本で昔から多く出回った石鹸の香りは「ホワイトフローラル系+ムスク」の香りでした。
スズランは代表的な石鹸の香りではないでしょうか。
(もちろん、これらは香料によって香り付け・マスキングされたもの。石鹸の本来のニオイとは無関係)
これが現在の「石鹸の香り」のイメージを形成しているものではないかと感じています。
私の個人的な意見ですので反論も多いかもしれません。しかし、後付けされた香料の香りは、概ね「優しい香り」。
ホワイトフローラル系の花の香りは、優しいイメージに香りもビジュアルもぴったりです。
そして、はずせないのがムスク。
暖かく優しい温もり
ムスクは、多く使いすぎると頭痛を起こしますが、薄いとお肌の暖かみを感じさせる部分があります。
子供の頃感じたお母さんのお風呂上がりの時のニオイのようなものを無意識に私たちは求めているのかもしれないと感じています。
これが「石鹸のような香り」を託された無意識の動機・モチベーションかも。
(2011-01-24)
( 香水工場の )
香る生活
香水と乾燥の季節
新年あけましておめでとうございます。新年がみなさまにとって素敵な一年になることをお祈りいたします。
きょうは、香水と湿度の話です。
毎日厳しい乾燥が続いています。朝、出勤時に強い北風に曝されると震え上がります。
この北風で喜ぶのはタクアンと干し芋くらいか。
事務所には、湿度計が置いてあり、出社したら湿度をチェック。このろこと湿度は、どうかすると20%代を叩き出しています。
冬場、空気が乾燥してくると香水の香りはサラリと感じられるようになります。金木犀の香水が普段より弱くなったように感じられたとメールをくださったお客様がおられました。
処方は変更していませんし濃度も常に一定ですが、そう感じられるのはありかなと思います。
欧米の香水は一般に強すぎできついと感じられる方は少なくありませんが、この季節なら案外付けやすいかもしれませんね。
最近は、家具に続いて化粧品や香水も「北欧ブーム」だそうですが、北欧の気候で鍛えられたスキンケアなど効果ありそうなイメージですが、どうでしょう?
実はヨーロッパの冬は、概して湿潤。
スウェーデンやノルウェイなど北欧の国で住んだ経験がないので間違っているかもしれませんが、冬は案外お肌にとっては日本ほど厳しくないかもしれません。
ヨーロッパは、むしろ夏場に乾燥し、冬場は湿度が高い傾向にありますので、どちらの季節も、強い香水は日本より付けやすいと思います。
スキンケアも香水も日本の気候は、愛用するには条件が厳しいのでヨーロッパにはちょっと一本やられた気がします。
逆にこの厳しい風土を快適に過ごすための知恵や技術を磨きたいと発想の転換をしたいところです。
(2011-01-13)
きょうは、香水と湿度の話です。
乾いた北風
毎日厳しい乾燥が続いています。朝、出勤時に強い北風に曝されると震え上がります。
この北風で喜ぶのはタクアンと干し芋くらいか。
事務所には、湿度計が置いてあり、出社したら湿度をチェック。このろこと湿度は、どうかすると20%代を叩き出しています。
香水と乾いた空気
冬場、空気が乾燥してくると香水の香りはサラリと感じられるようになります。金木犀の香水が普段より弱くなったように感じられたとメールをくださったお客様がおられました。
処方は変更していませんし濃度も常に一定ですが、そう感じられるのはありかなと思います。
欧米の香水は一般に強すぎできついと感じられる方は少なくありませんが、この季節なら案外付けやすいかもしれませんね。
香水とヨーロッパの気候
最近は、家具に続いて化粧品や香水も「北欧ブーム」だそうですが、北欧の気候で鍛えられたスキンケアなど効果ありそうなイメージですが、どうでしょう?
実はヨーロッパの冬は、概して湿潤。
スウェーデンやノルウェイなど北欧の国で住んだ経験がないので間違っているかもしれませんが、冬は案外お肌にとっては日本ほど厳しくないかもしれません。
ヨーロッパは、むしろ夏場に乾燥し、冬場は湿度が高い傾向にありますので、どちらの季節も、強い香水は日本より付けやすいと思います。
スキンケアも香水も日本の気候は、愛用するには条件が厳しいのでヨーロッパにはちょっと一本やられた気がします。
逆にこの厳しい風土を快適に過ごすための知恵や技術を磨きたいと発想の転換をしたいところです。
(2011-01-13)
( 香水工場の )
香る生活
( 香水工場の )
香る生活
燃える12月に突入
燃え切る米国のホリデーシーズン
きょうから最終月。12月は、世界中イベントが多いのですが、日本も昔からににぎやかです。このウキウキした活気がたまりません。
アメリカでは、11月末のサンクスギビング・デー(感謝祭)が終わった瞬間から、怒濤のクリスマスセールが開始されます。セール開始日はとくに「Black Friday」(黒金曜日)と呼ばれます。
80年代、米国経済を恐慌へと突き落とした「Black Monday」(「暗黒の月曜日」)に似た響きですが、こちら「Black Friday」の「黒」は、なんと「黒字」の黒だそうです(とwikiさんに書いてありました)。
お店が黒字になるシーズンとかなんとかの意味だそうで、実際この一ヶ月で年間の30%程度が売上げられるほど。
終着点はクリスマスイブ。アメリカは、燃えている!
神託の結果は?
あちらではクリスマスシーズンやクリスマスセールというより「ホリデーシーズン」や「ホリデーショッピング」と呼ばれ、その出来映えが翌年の景気を占う神託的存在。
経済関係者、マスコミ、そして全国民が固唾をのんで見守るホリデーショッピング初日(11/26)、米国家電量販店の前では多数の徹夜組ショッパーズ(買い物客)がテレビで放映されていてました。
米国2億人は胸をなで下ろしてこの光景を見守ったでしょう。私もこういうニューズは大好きで、暗い話題が多かった今年を吹き飛ばして欲しいと祈るばかりです。
(2010-12-01)
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