( 香水工場の )
香る生活
フルボトル2010年上半期の人気ランキング
30ml香水フルボトル2010年上半期(1-7月)の人気ランキング
ワインの場合、フルボトルとは一般に720-750mlのボトルでその半分をハーフボトルと呼びますが、当社の場合、香水の「フルボトル」とは30mlの香水ボトルを指します。
市販されている香水も30mlや50mlが多いと思いますが、当社では30mlが標準ボトルサイズです。対して1mlのボトルをミニボトル(サンプルボトル)と呼んでいます。
フルボトル2010年上半期の人気ランキング トップ20
きょうも猛暑でしたね。8月はこのまま凄い勢い猛暑のままでしょうか。バテないよう気合を入れたいと思います。
さて、昨日ミニボトル(サンプルボトル)の2010年前半期の売れ筋香水トップ20を公開しました。今日は、フルボトル売れ筋の集計をしました。
なお、2010年前半期とは、1月〜7月末までを集計対象としています。
フルボトルのランキングは、ミニボトル(サンプルボトル)をお試しいただいた後、ご購入されるケースが多いので、商品のイメージやネーミングや予感でご購入いただくより香水の好みがそれなりに忠実に反映されていると考えています。
さての結果は?
【フルボトル 2010年上半期トップ20】
輝けるフルボトル売れ筋トップ3は:
1.沈丁花
2.金木犀
3.白檀(サンダルウッド)
なんとミニボトル(サンプルボトル)と同じトップ3の同じ順位になりました。
・「沈丁花」は、春に沈丁花の季節がありますので、まあ凄いです。
・「金木犀」は年間を通じて人気があるようです。
・今年は「白檀」に力を入れているせいか、好みが別れる香りながら、白檀も堂々の3位に食い込みました。
そして、フルボトル売れ筋トップ10残りは(*印はサンプルボトルトップ10でないもの):
4.*ローズの贈り物
5.白梅
6.*柑橘系
7.スノーミント
8.くちなし
9.*樹海
10.ロサブラン
※ちなみにミニボトル(サンプルボトル)同じ4-10位は下記の通り
4.くちなし
5.*鈴蘭/すずらん
6.*ろうばい
7.白梅
8.*睡蓮
9.スノーミント
10.ロサブラン
・サンプルボトルの売れ筋とかなりオーバーラップしますが、しないものもあります。
・「スノーミント」は今年6月にリリースした割には凄いポイントです。チラシを配布中なので、その効果もあるかもしれませんが、リリース前からお客様の問い合わせが多くで「強含み」印象はありました。
・「ローズの贈り物」は、以前ご購入の商品をお持ちの場合でも、リリースされたら必ずご購入されるリピーターさんが多く、安定して数字をのばしました。ありがたいことです。
・「柑橘系」「樹海」は実はプレゼント用無料サンプルを配布していていた時期があり、サンプルボトルの売れ筋トップ10に入っていませんが、実はプレゼント企画がなければ入る実力です。よって、フルボトルのトップ10入りは不思議ではないです。
・「ロサブラン」はローズ系としてトップですが、全体的にローズ系のトップ10入りが今回は少なく予想外でした。サンプルボトル・フルボトルともに同じ結果となり、やや驚きの2010年となっています。
日本ではローズ系香水はことのほか好まれるのですが、中国・台湾・韓国の方々からの受け(近年、中国人と思われるお客様のご購入も増えています)はさっぱりです。日本でもローズ系は特別な香水カテゴリーではなくなりつつあるのではと、やや心配ですと、昨日の一文をコピーしました。
そして、フルボトル売れ筋トップ11-トップ20:
11.ろうばい
12.鈴蘭/すずらん
13.スイカズラ
14.沈香
15.野ばら
16.蜜柑の花
17.螢
18.睡蓮
19.星座
20.さくら
・「沈香」がいい案配に付けているところがうれしいですね。「沈香」なんていう香水を販売されている香水メーカーさんはあまりないでしょうから、余計に内心うれしく感じています。
・「蜜柑の花」「螢」「睡蓮」「星座」は、どれも夏にぴったりの香り、例年6月以降に強い需要があるのに、前半期の集計ですでにトップ20に入るところが今年の夏の暑さを象徴しているような気もします。
※ちなみにミニボトル(サンプルボトル)同じ4-10位は下記の通り
11.野ばら
12.花火
13.蜜柑の花
14.グリーンローズ
15.さくら
16.スイカズラ
17.柑橘系
18.沈香
19.ローズの贈り物(期間限定)
20.オールドローズ
繰り返しますが、香水は「売れ筋」が必ずしも、他に人にも愛されるかどうかは別の話なので、このランキングは、参考程度にしていただければ幸いです。
(2010-08-06)
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香る生活
ミニボトル2010年、人気ランキング
上半期の人気ランキング
8月ですね。灼熱の太陽が凄い夏です。いかがお過ごしでしょうか?
2010年も半分を折り返して年末に向けての怒濤のシーズンに入ろうとしています。そこで、前半期、ミニボトル(サンプルボトル)売れ筋の集計をしました。
これはミニボトル(サンプルボトル)の集計で、フルボトルの集計結果とは一致していません。フルボトルの集計は明日投稿予定です。
フルボトルのランキングは、ミニボトル(サンプルボトル)をお試しいただいた後、ご購入されるケースが多いこと。
ミニボトルのランキングは、リピーターの方も多いのですが、新規のお客様も多いため、商品のネーミングや知名度、イメージでご購入いただくケースが多いことが特徴です。さての結果は?
【ミニボトル 2010年上半期トップ20】
輝けるミニボトル(サンプルボトル)売れ筋トップ3は:
1.沈丁花
2.金木犀
3.白檀(サンダルウッド)
・「沈丁花」は、春に沈丁花の季節がありますので、まあ凄いです。
・「金木犀」は年間を通じて人気があるようです。
・今年は「白檀」に力を入れているせいか、好みが別れる香りながら、白檀も堂々の3位に食い込みました。
そして、ミニボトル売れ筋トップ10残りは:
4.くちなし
5.鈴蘭/すずらん
6.ろうばい
7.白梅
8.睡蓮
9.スノーミント
10.ロサブラン
・「スノーミント」は今年6月にリリースした割には凄いポイントです。チラシを配布中なので、その効果もあるかもしれませんが、リリース前からお客様の問い合わせが多くで「強含み」印象はありました。
・「くちなし」「すずらん」は安定した人気ですが、例年よりやや順調推移。どこかの有名サイトで紹介されているのかもしれません。
・「ろうばい」「白梅」は例年通りの結果です。
・「ロサブラン」はローズ系としてトップですが、全体的にローズ系のトップ10入りが今回は少なく予想外でした。
日本ではローズ系香水はことのほか好まれるのですが、中国・台湾・韓国の方々からの受け(近年、中国人と思われるお客様のご購入も増えています)はさっぱりです。日本でもローズ系は特別な香水カテゴリーではなくなりつつあるのではと、やや心配です。
そして、ミニボトル売れ筋トップ11-トップ20:
・野ばら
・花火
・蜜柑の花
・グリーンローズ
・さくら
・スイカズラ
・柑橘系
・沈香
・ローズの贈り物(期間限定)
・オールドローズ
ランキング裏事情
ランキングの集計は販売管理上、営業部の仕事でやっておりますが、ランキングデータの公開はあまりやっていません。
ランキングは、各製品の人気度がわかりやすいというメリットと、お客様を不用意に誘導する悪弊もあって、正直なところ痛し痒しです。
痛い部分は・・・
人気と必ずしも一致しない「私のお気に入り香水」
・[人気] = [商品のクオリティ]ではないことは世の常。
自分の場合、ミュージシャンの世界で特にそう感じます。有名であることとその人の音楽性や演奏力・表現力とはかなり無関係。
あの世界は本当に「売り出し方」次第なんだなと感じさせられます(事務所のマーケティング力とか、容姿とは、あるいは何かカリスマ性・スター性みたいなものが別にあるように思えてならない)。
・[人気] = [自分の好み]も、かなり違います。特に香水はそうかも。
一時期、大ヒットを飛ばしたある香水は、最盛期にはオフィスで数人が同じ香水をつけている状態も珍しくなく気まずい空間の演出に一役買っていました。
こういう珍現象は、個人の好みというよりブームの影響ではないでしょうか。ブーム性ヒットは、人気に時間的な継続性や持続力が薄いことが特徴です。
でも便利なランキングデータ
ランキングは前向きには公開していませんが、ときどき思い出したようにポッと公開することがあります。理由はお客様に「人気がある商品はどれですか?」という質問が続いたとき。
はじめてのお客様に多い質問です。当社にとっては、多くの場合、新規のお客様が増加しているうれしい証です。
素直に「これが一番売れています!」「これがトップ10香水」というのは、香水の場合、個人の嗜好が別れるだけにちょっとためらいがちですが、選択基準の一つとしてランキングもありです。わかりやすい指標ですから。
「ランキングなんて気にするのは邪道でござる!」と言い放つのも「一見客お断り」雰囲気アリアリの、値札のない寿司屋さんのようで、それもはばかれます。
はじめてのお客様は戸惑うもの。そういうレストランも世の中には必要ですが、当社ではもう少し前向き公開の方向で今後の体制を検討したいと思います。
(2010-08-05)
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香る生活
北海道香料の旅#3 香るミント
「北海道香料の旅」のこぼれ話シリーズを書いています。初回のアンモニア風呂のようなおもしろ系体験はそうそう多くありませんが、今日もお付き合いください。きょうは香るミント。
北見市の郊外にある「仁頃はっか公園」にいくとミント畑が拡がっています。青々と茂るミント畑のミントは元気そのもの。
今年の北見は35度以上記録したり、雨が多かったりで、天候は乱れ気味ですがミントの生育状態はまずまずのとこと。
手のひらで葉っぱをちょっと挟んで上方向になでてあげるだけで、周辺にミントの清涼な香りが漂います。手のひらは、もちろんミントの香りに染まります。そのままミント臭の手のままでいたい・・・・
ミントの畑ですが、ミントは秋に収穫され、数週間乾燥させた後、裏庭の「ハッカ蒸留小屋」の蒸留器で精油が採取されます。
乾燥されたミントには、ミントの香りはあまりなく多くの乾燥ハーブ同様、干し草の匂いです(これは、これで素敵ですよね)。これを蒸留すると、あのミントの清涼で癒される香りの精油が採れます。
ミント畑は、ちょっと見た感じ半ヘクタールほど。観光客向けにしては本気度がある広さです。行き届いた手入れ。雑草もありません。運用コストが気になります。
隣には満開の花を咲かせているジャガイモ畑。
なぜミント公園にジャガイモ?・・・と質問するまでもなく、ミント畑は地力を維持するために数年で他の作物と輪作する必要があるとの説明を、いつの間にか後ろに立っていた施設の人が説明してくれました(感謝)。
なるほど、この畑はプロによって運営されているようです。単なる見てくれだけの観光農園ではありません。
ミントの蒸留は、観光客向けの実演パフォーマンスながらが、火を使いますので、ピザの窯焼き同様、見ていてちょっと楽しいはずです。
香りもピザ同様、蒸し上がるころにはミントの香りと水蒸気の湿っぽさが室内に充満すると思います。五感で感じられる体感型イベントとしては見栄えのするマテリアルです。
さらにここにはミントのジーンバンクがあります。ジーンとは遺伝子、ジーンバンクとは植物の種の収集・保存を行う施設。
日本は世界に誇るミントの優良品種を数多く作出してきた国ですが、その研究の成果と記録がここに!(本物はおそらく北海道立農業試験場さんあたりに)・・・
国家の戦略物資を眼前に、私は、祈りにも似た敬虔な気持ちで、それぞれのミントを慈しみ深く見ていましたら、
「ここに外人さんを連れてくると、勝手にちぎって食べちゃんですよね。ヤギみないにムシャクシャ」
と説明を受けました。たしかにやや勢力の弱い、葉っぱがまばらなミントが多いようです。
(2010-08-01)
ハッカ公園で楽しむミントの香り
北見市の郊外にある「仁頃はっか公園」にいくとミント畑が拡がっています。青々と茂るミント畑のミントは元気そのもの。
今年の北見は35度以上記録したり、雨が多かったりで、天候は乱れ気味ですがミントの生育状態はまずまずのとこと。
手のひらで葉っぱをちょっと挟んで上方向になでてあげるだけで、周辺にミントの清涼な香りが漂います。手のひらは、もちろんミントの香りに染まります。そのままミント臭の手のままでいたい・・・・
青々としたミント畑の清涼な空気
ミントの畑ですが、ミントは秋に収穫され、数週間乾燥させた後、裏庭の「ハッカ蒸留小屋」の蒸留器で精油が採取されます。
乾燥されたミントには、ミントの香りはあまりなく多くの乾燥ハーブ同様、干し草の匂いです(これは、これで素敵ですよね)。これを蒸留すると、あのミントの清涼で癒される香りの精油が採れます。
ミント畑は、ちょっと見た感じ半ヘクタールほど。観光客向けにしては本気度がある広さです。行き届いた手入れ。雑草もありません。運用コストが気になります。
隣には満開の花を咲かせているジャガイモ畑。
なぜミント公園にジャガイモ?・・・と質問するまでもなく、ミント畑は地力を維持するために数年で他の作物と輪作する必要があるとの説明を、いつの間にか後ろに立っていた施設の人が説明してくれました(感謝)。
なるほど、この畑はプロによって運営されているようです。単なる見てくれだけの観光農園ではありません。
ミントの収穫と精油
ミントの蒸留は、観光客向けの実演パフォーマンスながらが、火を使いますので、ピザの窯焼き同様、見ていてちょっと楽しいはずです。
香りもピザ同様、蒸し上がるころにはミントの香りと水蒸気の湿っぽさが室内に充満すると思います。五感で感じられる体感型イベントとしては見栄えのするマテリアルです。
ミントのジーンバンク
さらにここにはミントのジーンバンクがあります。ジーンとは遺伝子、ジーンバンクとは植物の種の収集・保存を行う施設。
日本は世界に誇るミントの優良品種を数多く作出してきた国ですが、その研究の成果と記録がここに!(本物はおそらく北海道立農業試験場さんあたりに)・・・
国家の戦略物資を眼前に、私は、祈りにも似た敬虔な気持ちで、それぞれのミントを慈しみ深く見ていましたら、
「ここに外人さんを連れてくると、勝手にちぎって食べちゃんですよね。ヤギみないにムシャクシャ」
と説明を受けました。たしかにやや勢力の弱い、葉っぱがまばらなミントが多いようです。
(2010-08-01)
( 香水工場の )
香る生活
腐臭を放つスマトラ・オオコンニャク
先日のニュースです。小石川植物園でショクダイオオコンニャク「世界最大の花」咲くというニュースが流れていました。デカいだけならなんですが、その花の芳香が衝撃的。花が強烈な腐臭や死体臭を発するとか。
ショクダイ・オオ・コンニャクの漢字は「燭台大蒟蒻」。なるほどロウソク台という意味なんですね。確かに昔のロウソク台の取っ手の部分なんかとっても似ています。wikiでは「スマトラ・オオコンニャク」と表記されていました。
野生では7年に一度、わずか2日間しか咲かない世界最大の花だそうです。
(小石川植物園では種をまいて16年目の今年はじめての開花)
「世界で最も醜い花」ともwikiには書かれていました。おそらく、花の形も色も優雅どころか、どこか悪魔的で、その腐敗臭が醜さを増幅させているのでしょう。
怖いもの見たさ、世界一見たさ、からか炎天下の中、人々が殺到。小石川植物園の入り口には4時間待ちの行列。
中には毒ガスマスク持参の強者も。マスコミ向け演出とは言え、いかに強烈なニオイがあるのか視覚化されておりグッドアイデアです。
(余談ですが、小石川植物園には白檀の木が栽培されています。公開日限定ながら、日本における白檀の数少ない栽培地として、植物に関心がある人にはちょっと凄いところ。今回の開花事件でマスコミ注目度が急速アップしたと思いますが、東大付属植物園なので上を下への観光名所になるのも痛し痒しではないかなと複雑です)
花はだいたい、かぐわしい芳香を放つもの、でない場合は、無臭と相場は決まっていますが、こちらはあえて腐臭を放つように進化しました。目的は腐臭に引き寄せられる虫たちを掻き集め受粉作業を手伝ってもらおうという魂胆ですが、その期間、わずか2日。
ぐっと目がウルウルします。7年もの年月に耐えて2日間の開花しか許されないというのも、どこか進化の設計にミスがあったとしか思えない切なさ。
デカいだけに悲壮感炸裂です。
多くの花が、動物や昆虫に愛される芳香を創り出す進化を遂げた中で、スマトラ・オオコンニャクは、主流に迎合せず、自分は腐臭に集まる虫たちをターゲットに集客しようと決心し、腐臭のイミテーション香料を設計し、そういう香りを生産する進化を果たしました。その摂理にも圧倒されます。
腐臭とはいえ、それはわれら人間から見た香りであって、それを好む虫たちには「香しく魅惑的な芳香」「セクシーな香り」でしょうから腐臭に集う虫たちを軽蔑するのは、人間の身勝手。
ぜひ各ご家庭に一輪。社会の多様性を容認できる大人の街・東京にふさわしい花です。世界中の観光客を魅惑する東京の新名物になる時代が来るかも?
(2010-07-30)
燭台大蒟蒻
ショクダイ・オオ・コンニャクの漢字は「燭台大蒟蒻」。なるほどロウソク台という意味なんですね。確かに昔のロウソク台の取っ手の部分なんかとっても似ています。wikiでは「スマトラ・オオコンニャク」と表記されていました。
野生では7年に一度、わずか2日間しか咲かない世界最大の花だそうです。
(小石川植物園では種をまいて16年目の今年はじめての開花)
世界一醜い花、その香り
「世界で最も醜い花」ともwikiには書かれていました。おそらく、花の形も色も優雅どころか、どこか悪魔的で、その腐敗臭が醜さを増幅させているのでしょう。
怖いもの見たさ、世界一見たさ、からか炎天下の中、人々が殺到。小石川植物園の入り口には4時間待ちの行列。
ガスマスク持参も
中には毒ガスマスク持参の強者も。マスコミ向け演出とは言え、いかに強烈なニオイがあるのか視覚化されておりグッドアイデアです。
(余談ですが、小石川植物園には白檀の木が栽培されています。公開日限定ながら、日本における白檀の数少ない栽培地として、植物に関心がある人にはちょっと凄いところ。今回の開花事件でマスコミ注目度が急速アップしたと思いますが、東大付属植物園なので上を下への観光名所になるのも痛し痒しではないかなと複雑です)
花はだいたい、かぐわしい芳香を放つもの、でない場合は、無臭と相場は決まっていますが、こちらはあえて腐臭を放つように進化しました。目的は腐臭に引き寄せられる虫たちを掻き集め受粉作業を手伝ってもらおうという魂胆ですが、その期間、わずか2日。
進化の摂理
ぐっと目がウルウルします。7年もの年月に耐えて2日間の開花しか許されないというのも、どこか進化の設計にミスがあったとしか思えない切なさ。
デカいだけに悲壮感炸裂です。
多くの花が、動物や昆虫に愛される芳香を創り出す進化を遂げた中で、スマトラ・オオコンニャクは、主流に迎合せず、自分は腐臭に集まる虫たちをターゲットに集客しようと決心し、腐臭のイミテーション香料を設計し、そういう香りを生産する進化を果たしました。その摂理にも圧倒されます。
ご家庭に一輪
腐臭とはいえ、それはわれら人間から見た香りであって、それを好む虫たちには「香しく魅惑的な芳香」「セクシーな香り」でしょうから腐臭に集う虫たちを軽蔑するのは、人間の身勝手。
ぜひ各ご家庭に一輪。社会の多様性を容認できる大人の街・東京にふさわしい花です。世界中の観光客を魅惑する東京の新名物になる時代が来るかも?
(2010-07-30)
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香る生活
北海道香料の旅#2 タマネギ畑の香り
天塩のアンモニア温泉の香りの話、読んでいただきましたか?今日はこぼれ話第2段。タマネギ畑の話です。あの香り、案外行けてますヨ。
富良野駅前でレンタサイクルを借りました。レンタサイクルの旅で出会った一番素敵な香りはタマネギ畑です。
富良野市の郊外に展開する広大なタマネギ畑はずっと先から香りでわかります。ふらの農業協同組合のタマネギ出荷量は北海道第2位。
タマネギ畑の横の道路を走ると、もう大地から立ち上るタマネギの香りはむせかえるような強さ・逞しさ。
恍惚!
車では味わえない醍醐味!
それが楽しいかと言われると、むしろ少数派、場合によって物好きチームに属すかも。
とにかく北海道の畑はでっかいですから、タマネギ畑もドーンと続いています。
走っても走っても香りは途絶えることなくランナーズハイとタマネギ臭恍惚状態で、エンドロフィンどくどく。危険水域を漂いました。
生還できてよかった。
(2010-07-24)
富良野駅前でレンタサイクルを借りました。レンタサイクルの旅で出会った一番素敵な香りはタマネギ畑です。
富良野市の郊外に展開する広大なタマネギ畑はずっと先から香りでわかります。ふらの農業協同組合のタマネギ出荷量は北海道第2位。
タマネギ畑の横の道路を走ると、もう大地から立ち上るタマネギの香りはむせかえるような強さ・逞しさ。
恍惚!
車では味わえない醍醐味!
それが楽しいかと言われると、むしろ少数派、場合によって物好きチームに属すかも。
とにかく北海道の畑はでっかいですから、タマネギ畑もドーンと続いています。
走っても走っても香りは途絶えることなくランナーズハイとタマネギ臭恍惚状態で、エンドロフィンどくどく。危険水域を漂いました。
生還できてよかった。
(2010-07-24)
( 香水工場の )
香る生活
漂うユリの香りとユリ香水
お日様臭の夏
いやー昨日は日本中すごい猛暑でしたね。東京ではあまりの日差しの強さに街中が「お日様臭」(*1)で満ち満ちていました。
(*1)「お日様臭」とは、私が命名した太陽の香り。一般用語ではありませんので念のため。日光に照らされた洗濯物の香りやオゾンの香りを含む太陽光&紫外線で焼かれた大地のニオイ。
猛暑になった瞬間から海水浴へ心がそそられます。海辺にお住まいの方々がうらやましい。目の前が海岸だったら楽しそうです。
東京都の秘境・奥多摩
私が住んでいる武蔵野は海岸から程遠く海にでるには不便です。しかし、このエリアには東京都の秘境・奥多摩があります。
奥多摩の清流は驚きの透明度。で、泳げるかというとこれが夏場でも卒倒しそうなくらい冷たいので滝行のような厳しさ。泳ぐ人は多くないようです。
猛暑でも元気なユリ
さて、こんなに暑く湿度が高く、まるで熱帯雨林のような気候の中では人間はバテますが、むしろ元気に咲く花がユリです。
早い品種では5月くらいから咲いていますが、6月には会社近くの道路や民家の庭先にドーンと大柄の花を咲かせていました。
自宅近所の道ばたに毎年花を付けるユリはどんな炎天下でもものともせず毎年純白の花を付け、行き交う我ら町民の目を楽しませてくれます。
もちろん、私の場合は人目を忍んで香りを確認します。
その香りは、言葉を失う甘さ。優雅さ。そして官能的な艶めかしさ。
ユリの甘美な甘い香り
品種はテッポウユリかタカサゴユリと思われます。香りはカサブランカほどにはパワーはありませんが、ユリ特有のねっとりした甘さは共通しています。
ユリの香水、裏話
ユリの甘い香りには好き嫌いが別れるのですが、日本では比較的好まれます。
当社もフローラル・フォーシーズンズ「百合」という香水を出していますが、開発中は調香が難航し製品化に苦しみました。
苦しんでいる間も多くにお客様に「ユリの香水出して」というリクエストを何度もいただき、引っ込みが付かなくなったという裏事情も思い出します。
余談ですが、調香の苦しさ余り外部調達も視野に入れて、フランスのパフューマーにユリの香りの調香を打診したことがあります。
しかし、「あんな香りのどこがいいのだろう?」といった意見もあって、ヨーロッパではユリの香りは好まれない雰囲気を感じユリの香りに対する需要の温度差を感じました(*2)。
(*2)しかし、ユリの香水は、ヨーロッパブランドも何社か製品化しているところがありますので、まったく需要がないわけではありません。
熱帯雨林系の花の甘い香り
ユリの甘い香りが素敵に感じられるのは健康な人だけで、病院では嫌われる花です。確かに具合が悪いときは近寄りたくない香りです。
受け止めるにはちょっと重すぎる香り・ニオイです。
一般に高温多湿な熱帯雨林系の気候の元で咲かせる花は、こってり甘いものが多いようです。
イランイラン、ジャスミン、バニラ(あ、すみません。バニラの花には香りはなかったですね。あるのはバニラビーンズの方です)など。
熱帯雨林系の花の香りは、乾燥系の花、たとえばラベンダーなどと比較すると、やはり熱帯雨林系花々の香りの甘さが際だちます。
日本に、熱帯雨林の季節が訪れました。湿度と暑さに負けないよう香り高い香辛料多目の食事でこの夏も乗り切りたいと思います。
(2010-07-19)
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