( 香水工場の )
香る生活
北海道香料の旅#1 アンモニア臭の温泉
北海道香料の旅
北海道に行って来ました。目的は香料植物の取材。
一部が次回『香る生活』の記事ネタになります。
北海道は予想に反して、異常な湿気と雨。やや運が悪かったですが、収穫も大きかったかも。
富良野ラベンダー
『香る生活』の取材なら富良野のラベンダーと思われるかもしれませんが、富良野ラベンダーは、マスコミにすでに多く取り上げられています。
今さら二番煎じを演じても読者には興ざめですので、同じ富良野でも、もし入れるとしたら違った切り口を少々入れたいところです。
この「香水Biz備忘録」では、「北海道香料の旅」こぼれ話を少々書き綴りたいと思います。
匂いの温泉、てしお温泉夕映
香りという意味では、衝撃だったのが、天塩町(てしお)の「てしお温泉夕映」(ゆうばえ)。
天塩町とは、北海道道の北最北端、宗谷岬や稚内から南方に下ったところにある小さな町です。
北海道中央の大雪山系の水源から北海道の道北部分を長大でうねうねと横断する天塩川(てしおがわ)の河口に位置する小さな町です。
漁港にして、かつての大きな港町。明治・大正から昭和30年くらいまで北海道有数の経済都市でした。
前知識なしで天塩町の保養センター「てしお温泉夕映」に宿泊しました。
問題はここの温泉。浴室に入った瞬間から「おしっこ」のニオイ。
こ、これは・・・
「浴室内にトイレでもあるのか・・・」
と思えるほどです。茶色の湯船につかると水がチャポンと揺れるたびに目がシバシバ。アンモニアの刺激臭で目をしばたく有様。
しばし呆然。夢か幻か、周囲を伺うとすべて平然とした有様。自分だけが異常を感じていたようです。
涙を誘う発酵食品のアンモニア
思い出すな・・・地上最強の臭い発酵食品、韓国の「ホンオ・フェ」、スウェーデンの「シュールストレミング」。
「涙なしには食べられない食品」ですが、おいしさのあまり涙が出るわけでなく、アンモニアの刺激臭で本当に涙がボロボロ出る発酵食品です。
目を閉じてしばらく苦痛に耐えていたのですが、アンモニアのニオイは糞尿のニオイよりも、より純粋な、中学の化学の実験で出会う薬品のアンモニアのニオイ。
源泉のお湯自体に高濃度のアンモニアが含まれているのではなかろうか、と思えてきました(いや、それ以外ありえないではないか!)。
匂いの原因は源泉のアンモニア?
上がる頃には、その日の演習を終えて来館したと思われる自衛隊の若武者たち(自衛隊の駐屯地や演習場あり)が大挙して湯船に突進してきて、アンモニア臭といい、にぎやかさといい記憶に残る温泉となりました。
上がって、温泉成分の説明書らしきものを探すと、ホレありました。壁に張り出されて御触れに曰く(うろ覚えで間違っている可能性大です)、
1kg中
・ナトリウム 10,000mg
・カリウム 1,000mg
・アンモニウムイオン 300mg
温泉成分としては、アンモニアは確かに第3位につけていますが、はたしてアンモニウムイオン300mgが多いのかどうか。わずか0.03%であのニオイが出るのかどうか温泉知識に乏しい私にははなはだ見当も付きません。
香水オシッコ伝説はウソ、でもアンモニアは魅力的?
しかし、「香水にはオシッコを混ぜる」という都市伝説(香水オシッコ伝説は、根拠無根100%偽り伝説です、念のため)があるだけに、アンモニアは人を魅了する香りかもしれません。
刺激臭のため湯船で悶えていた私も、数回通えば「病みつき」になるニオイかな?
少なくとも現地の人々のアンモニア風呂リラックス風情を見ると、それもアリかもと大いなる「香りのテーマ」を残してくれる体験となりました。
(2010-07-17)
( 香水工場の )
香る生活
梅雨真っ盛り、熱帯雨林の香り
九州は激しい雨が続いているそうです。関東地方は激しい雨はそれほどでもありませんが、完全な温室状態。
「ここは熱帯雨林のジャングルか、スーパー銭湯のサウナか」と思いたくなる辛い日々が続いています。
夕方、通勤・通学の人々で混雑すると駅などは人々の表情に湯上がりのような熱気が感じられます。
そして、熱帯雨林の湿っぽさと汗や体臭から立ち上る匂いのモアモアは圧倒的です。が、これもあれも梅雨期間中の人間模様、バテずにしっかり乗り切りたいですね。
(2010-06-29)
「ここは熱帯雨林のジャングルか、スーパー銭湯のサウナか」と思いたくなる辛い日々が続いています。
夕方、通勤・通学の人々で混雑すると駅などは人々の表情に湯上がりのような熱気が感じられます。
そして、熱帯雨林の湿っぽさと汗や体臭から立ち上る匂いのモアモアは圧倒的です。が、これもあれも梅雨期間中の人間模様、バテずにしっかり乗り切りたいですね。
(2010-06-29)
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香る生活
新作練り香水、ローズ&ラベンダー
練り香水新作リリースの遅れ
先日から、練り香水の話題を取り上げています。
いつものことですが、すべてがすんなり流れるというわけでなくどこかの行程で、たとえば資材が入手できない、原料の配送が天災や人災で遅れるなど、少しずつ後の行程にしわ寄せが来て最終リリースが遅れます。
数ヶ月前はアイスランドの噴火でヨーロッパの航空ダイヤが大混乱。当社もフランスからの香料の入荷が遅れ他人事ではありませんでした。一例です。
練り香水の容器デザインはシンプルに
今回の練り香水の遅れは容器の印刷。悩みに悩んで想定外の時間がかかりました。
5月の大型連休も一因。長期休暇が入ると取引先・関係者全員が元のレベルにまで戻るまでリハビリ期間を要しますので「1週間の連休は2週間のロス」・・・と言い訳はこれくらいにして・・・
練り香水は「沈丁花」「金木犀」以外への展開
現在、販売中の練り香水は「沈丁花」「金木犀」。数年前にリリースしましたが、以来「種類を増やして」というご要望が多くいただいておりました。
というのは小規模の会社で化粧品ビジネスを展開するには、経営的には「単品商品」の勝負することが王道。単品、多くて数品目でとにかく大量販売という図式が鉄則。
単品商品も「悩み系商品」(たとえば、白髪、抜け毛、ダイエット、加齢臭、口臭、シワ、シミ・・・悩みは尽きませんよね)ならさらに理想的。
チクリといわれる商品展開のポリシー
当社の場合、フローラル・フォーシーズンズは50種類、スキンケアやスリーピングミストもありますし、大企業さんも呆れる商品展開です。
商品の種類を増やすたびに経営会議では会計士さんあれこれチクリチクリと言われてスタッフ全員、肩身の狭い思いをします。
練り香水4種類の新作
計画では下記4種類の新作をリリース予定です:
【練り香水新作】
・ローズ・・・(F4ロサブラン)
・ラベンダー・・・(スリーピングミスト・ラベンダサンタル)
・月桃・・・(F4月桃・フォー・メン)
・沈香・・・(F4沈香)
※新作4種類の正式なリリース日は2010年7月10日を現在予定しています。
SOLID-PERFUME.COM、サイトも独立
練り香水(ソリッドパフューム)の種類が6種類に増えることで、この際、サイトも独立させることにしました。
ネーミングは「癒しの練り香水 ソリッドパフューム・ドット・コム」。現在急ピッチで制作中で7割程度完成しています:
癒しの練り香水(ソリッドパフューム)
新作練り香水ポスターの制作
新作練り香水ポスターも制作しました。いい感じでしょう。
練り香水の特徴である「モバイル性(持ち運びのしやすさ)」をイメージさせる写真を全面に添えました。当社デザイナーのアイデアです。
(2010-06-29)
( 香水工場の )
香る生活
手作り香水、天然香料100%香水で始める?
先日、京成バラ園さんにて「バラの香り香水を作ろうセミナー」を開催したことは先に書きました。その後日談です。
セミナー参加者の方々はほぼ全員、生まれて初めての香水作りだったのですが、「マイ究極の香水」を作られた方が続出しました。
ある意味、市販香水を凌駕する作品も多かったと思います。これはお世辞ではありません。本気で市販香水以上に楽しめる香水ができたりします。
料理と同じです。初心者でも案外おいしい料理が条件によって作れるように、香水も不肖国分でさえもたまにいい匂いの香水を作ることがあります。
「香水作りセミナー」は企画としては、ここまでは大成功なのですが、「オレって案外、才能ある!?」とまんざらでもなく自問自答始しだすと、途端にその次がないことが判明します。
そこが趣味としての香水作りの欠点です。
料理だったら、どこの街にも料理教室の一つや二つ、本もあるし、テレビ番組もあるし、教材もコーチしてくれる人もいろいろ環境が整っているのですが(おカネさえ出せばの話ではありますが)、こと香水作りとなると、はたと終わります。
京成バラ園さんでの「バラ香水作りセミナー」は「香水作りの楽しさ体験」が目的ながら、香水作りに目覚めた人に対して、その次のステップを準備できていないことが、企画サイドの当社としては苦しいところです。
かといって当社に、スクール事業や定期的なセミナー講習会のような余裕がないことも事実。
京成バラ園セミナー参加者の方からメールをいただきました。
「香水を個人で作る楽しさを知り、自宅でも実践したい」
との内容でご用件は香料の入手方法についての質問でした。なんとありがたいメールでしょうか。しかし、私には返答に苦しむメールです。
当社が販売しているモノは香水やフレグランス。原料である香料を混ぜ合わせた後の製品であり、お客様の希望は生原料である香料。
香料は香料会社さんが製造販売しています。香料会社とは、天然香料・合成香料を含め、様々な香料を製造している会社さんです。
天然香料とは天然の植物から採れたそのままの香りのエッセンス、合成香料とは天然香料などを混ぜ合わせて作られる合成された香りのエッセンスです。
香水用の香料は様々な天然香料・合成香料です。それらは一般に市販されているモノでなく、しかもパフューマーがよく使用する香料は500種類とも600種類とも言われ、種類の多いさも市販商材としての取り扱いの難しさになっています。
要は、手作り香水愛好家の人口は少なく、料理愛好や手芸・園芸愛好家のようなマーケットは、存在しないというわけです。
料理なら、もっと手軽に始められることがいろいろあるのに、香水作りは関心を抱いてもいきなりデッドロック。
香水作りは「超入門」か「はまり込む」のどちらかしかなく趣味としては入りにくいところが欠点です。
中間ステップがない香水作りは、はまるしかないのですが、その前に天然香料だけで香水作りをするという手があります。
これならリスクが少なく始められますので(しかし、奥は深い)、いきなり香水用香料による香水作りより絶対におすすめです。
ということで、私の手作り香水への道、おすすめコースは:
(ステップ1)天然香料100%香水方式
香水用香料はとりあえず手を出さず、入手が簡単なエッセンシャル・オイル(天然香料)のブレンド+エタノールで香水作りを実践する。
もともと香水の原型はエタノール+エッセンシャル・オイルなどのハーブエッセンス(下記にハンガリーウォーター参照ください)でしたので、このような香水はクラシカルな「クラシック香水」といえます。
エタノールもエッセンシャル・オイルも通販や薬局で少量づつ入手できますので少なくとも原料の問題はクリアできます。しかも、この香水は天然香料100%という利点もあります。
しかし、アロマテラピーとしてはよいのですが、ファッションとしては力不足という点が欠点でしょうか。香水にファッションとしての要素を求めるとやや力不足は否めません。
(ステップ2)プロのパフューマー(調香師)方式
香りの表現力不足で、天然香料100%香水だけでは満足できない場合は、パフューマーの学校や講座に参加することをおすすめします。
このようなスクールに参加すると様々な香料がその学校や講座で入手できます。パフューマーに個人的に弟子入りする方もおられます。これが例外中の例外です。
・参考情報:パフューマー・調香師の学校や講座
しかし、時間的・金銭的・体力的に軽い気持ちでは参加できない点が悩ましいところです。
世界最古の香水といえば「ハンガリーウォーター」があげられます。レシピは当時発明されて間もないアルコールにハーブ(主にローズマリー)を漬け込んだ抽出液です。
梅酒などの果実酒と作り方が似ており、自然発生的に生まれる可能性が高いためハンガリーウォーターを世界最初の香水とするには、やや不安です。
とくに当時先進国でアルコールの製造方法を発明したアラビア世界ではとっくの昔に同じものが生まれていたと推測されます。
しかし、ハンガリーウォーターは処方やハンガリー王妃様(エリーザベト王妃。でも何人かいてどの王妃か不明)が使用されたという文書による記録が残されている点で有名です。
しかも「若返りの水」というキャッチーな尾ひれ伝説までついています。これがマーケティング的に凄い効果を果たしていることは想像に難くありません。
ハンガリーウォーターは医薬品として飲用され、ついでに美容液として使用されていた模様で、香水として生み出されたわけではありませんが、香水の原型になった点は疑い余地はありません。
現在でもハンガリーウォーターは、アマチュアの手作り香水ファンの間で人気の手作り香水です。
英語圏のサイトを調べても処方やレシピーがいろいろ出てきますので、世界的に人気のある手作り香水ではないかと思います。
キーワード:手作り香水、天然香料100%香水
(2010-06-19)
お世辞ではない「すばらしい香水」
セミナー参加者の方々はほぼ全員、生まれて初めての香水作りだったのですが、「マイ究極の香水」を作られた方が続出しました。
ある意味、市販香水を凌駕する作品も多かったと思います。これはお世辞ではありません。本気で市販香水以上に楽しめる香水ができたりします。
料理と同じです。初心者でも案外おいしい料理が条件によって作れるように、香水も不肖国分でさえもたまにいい匂いの香水を作ることがあります。
次のステップがない香水作り
「香水作りセミナー」は企画としては、ここまでは大成功なのですが、「オレって案外、才能ある!?」とまんざらでもなく自問自答始しだすと、途端にその次がないことが判明します。
そこが趣味としての香水作りの欠点です。
料理だったら、どこの街にも料理教室の一つや二つ、本もあるし、テレビ番組もあるし、教材もコーチしてくれる人もいろいろ環境が整っているのですが(おカネさえ出せばの話ではありますが)、こと香水作りとなると、はたと終わります。
京成バラ園さんでの「バラ香水作りセミナー」は「香水作りの楽しさ体験」が目的ながら、香水作りに目覚めた人に対して、その次のステップを準備できていないことが、企画サイドの当社としては苦しいところです。
かといって当社に、スクール事業や定期的なセミナー講習会のような余裕がないことも事実。
返答に苦しむメール:香料の入手方法
京成バラ園セミナー参加者の方からメールをいただきました。
「香水を個人で作る楽しさを知り、自宅でも実践したい」
との内容でご用件は香料の入手方法についての質問でした。なんとありがたいメールでしょうか。しかし、私には返答に苦しむメールです。
当社が販売しているモノは香水やフレグランス。原料である香料を混ぜ合わせた後の製品であり、お客様の希望は生原料である香料。
香料会社という会社
香料は香料会社さんが製造販売しています。香料会社とは、天然香料・合成香料を含め、様々な香料を製造している会社さんです。
天然香料とは天然の植物から採れたそのままの香りのエッセンス、合成香料とは天然香料などを混ぜ合わせて作られる合成された香りのエッセンスです。
香水用の香料は様々な天然香料・合成香料です。それらは一般に市販されているモノでなく、しかもパフューマーがよく使用する香料は500種類とも600種類とも言われ、種類の多いさも市販商材としての取り扱いの難しさになっています。
要は、手作り香水愛好家の人口は少なく、料理愛好や手芸・園芸愛好家のようなマーケットは、存在しないというわけです。
中間がない香水作りのステップ
料理なら、もっと手軽に始められることがいろいろあるのに、香水作りは関心を抱いてもいきなりデッドロック。
香水作りは「超入門」か「はまり込む」のどちらかしかなく趣味としては入りにくいところが欠点です。
香水作りを始める人のためのおすすめコース
中間ステップがない香水作りは、はまるしかないのですが、その前に天然香料だけで香水作りをするという手があります。
これならリスクが少なく始められますので(しかし、奥は深い)、いきなり香水用香料による香水作りより絶対におすすめです。
ということで、私の手作り香水への道、おすすめコースは:
(ステップ1)天然香料100%香水方式
香水用香料はとりあえず手を出さず、入手が簡単なエッセンシャル・オイル(天然香料)のブレンド+エタノールで香水作りを実践する。
もともと香水の原型はエタノール+エッセンシャル・オイルなどのハーブエッセンス(下記にハンガリーウォーター参照ください)でしたので、このような香水はクラシカルな「クラシック香水」といえます。
エタノールもエッセンシャル・オイルも通販や薬局で少量づつ入手できますので少なくとも原料の問題はクリアできます。しかも、この香水は天然香料100%という利点もあります。
しかし、アロマテラピーとしてはよいのですが、ファッションとしては力不足という点が欠点でしょうか。香水にファッションとしての要素を求めるとやや力不足は否めません。
(ステップ2)プロのパフューマー(調香師)方式
香りの表現力不足で、天然香料100%香水だけでは満足できない場合は、パフューマーの学校や講座に参加することをおすすめします。
このようなスクールに参加すると様々な香料がその学校や講座で入手できます。パフューマーに個人的に弟子入りする方もおられます。これが例外中の例外です。
・参考情報:パフューマー・調香師の学校や講座
しかし、時間的・金銭的・体力的に軽い気持ちでは参加できない点が悩ましいところです。
世界最古の香水ハンガリーウォーターは、天然100%の香水だった
世界最古の香水といえば「ハンガリーウォーター」があげられます。レシピは当時発明されて間もないアルコールにハーブ(主にローズマリー)を漬け込んだ抽出液です。
梅酒などの果実酒と作り方が似ており、自然発生的に生まれる可能性が高いためハンガリーウォーターを世界最初の香水とするには、やや不安です。
とくに当時先進国でアルコールの製造方法を発明したアラビア世界ではとっくの昔に同じものが生まれていたと推測されます。
しかし、ハンガリーウォーターは処方やハンガリー王妃様(エリーザベト王妃。でも何人かいてどの王妃か不明)が使用されたという文書による記録が残されている点で有名です。
しかも「若返りの水」というキャッチーな尾ひれ伝説までついています。これがマーケティング的に凄い効果を果たしていることは想像に難くありません。
ハンガリーウォーターは医薬品として飲用され、ついでに美容液として使用されていた模様で、香水として生み出されたわけではありませんが、香水の原型になった点は疑い余地はありません。
現在でもハンガリーウォーターは、アマチュアの手作り香水ファンの間で人気の手作り香水です。
英語圏のサイトを調べても処方やレシピーがいろいろ出てきますので、世界的に人気のある手作り香水ではないかと思います。
キーワード:手作り香水、天然香料100%香水
(2010-06-19)
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香る生活
練り香水、液体でない香水
練り香水とは? 混ぜ混ぜした半固形のイメージ
練り香水って何?という方もおられるでしょう。読み方は「ねりこうすい」です。練った香水?はじめての人には意味不明ながら「練る」というコトバのイメージから、どんなものかなんとなく伝わってくるネーミングです。
・練りわさび
・練り唐辛子
・練り菓子
・練りゴマ
なんとなく混ぜ混ぜした半固形のイメージが湧いてきますよね。
香水の歴史イロハ
本来、香水は必ずしも液体で生まれ発展してきたわけではありません。西洋で発展した香水は「Perfume」(パフューム/英語)や「Parfum」(パルファム/フランス語)と命名されました。
Perfumeはラテン語の「per fumum」(煙を通して)が語源で、お香のように香料を火で焚いて芳香を楽しむモノもの、あるいは厳かなモノでした。
このへんは香水の歴史を語るとき一番最初にでてくる香水の歴史イロハで私が今さら得意顔で説明するのもやや恥ずかしいのですが、要は香水の起源はお香や香料という点です。
液体香水の発明
古代においては香水モノは、液体であることの方がむしろ少ないのですが、15世紀前後に香料をアルコールに溶かす手法が開発されると、現在の香水の原型が生まれました。
そして、幕末の頃、日本に香水が導入されはじめるとアルコールに溶かされた香りモノは「香水」と和訳されました。ずばり、液体だったからと推測されます。
「香りのする水」・・・よい訳ですね。しかも、フランス語も「Eau de Parfum」(パルファムの水)なんて言いますから、「香水」はフランスの香水文化さえも踏襲した絶妙なはまり訳になっていると絶賛したくなります。
Perfumeの和訳
香水は、日本人によって訳されたのか、中国人によって訳されたのか、私には不明です。ひょっとしたら中国で生まれたコトバかもしれません。
現在中国・日本ともにPerfumeやParfumの訳語として「香水」が使用されています。
しかし!香水は香水の性質や状態を的確に表現したすばらしい訳語ながら、実は「Perfumeには液体でないSolid Perfume(ソリッドパフューム、固形香水)なるモノもある」という事実が判明したとき、和訳するのは苦しかったでしょうね。
Solid Perfumeの和訳
苦肉の策が、香水に「練り」を加えることだったと思われます(あ、これはすべて私の勝手な推測です)。
練り香水は、自然発生的な和訳かもしれませんし、最初に和訳された方が明確かもしれません。案外最近の方で、まだどこかの化粧品会社で活躍されているかもしれません。
「練り」を加えることで液体のイメージは完全に払拭されます。こうして液体でない香水「練り香水」というコトバが生まれました。
うーん、実に微妙です。
「練り香」か「練り香水」か?
香水仕事人の間では「練り香水」をよしとせず「練り香」「練香」と呼ぶ方もおられます。
本来の意味の考えると液体ではないのですから、やはり「練り香」「練香」の方が適切ではないかと思いますが、練香では日本の伝統的なお香のイメージが強いのも事実でしょうか。お香では「薫物」(たきもの)とも呼びます。
現在一般的に呼ばれる練り香水の意味ではやはり「練り香」「練香」より「練り香水」の方が多く流通しているでしょう。「練り」の漢字に「錬り」を当てる場合もあります。
少なくとも商業的タイトルには「練り香水」の使用が多いことはGoogleキーワードツール検索で確認できます。
あなたは「練り香水」派、「練り香」派?
(2010-06-12)
( 香水工場の )
香る生活
香りで記憶のフラッシュバック、プルースト効果
匂い・香りの持つ特殊は記憶再現効果
香りと記憶に密接な関係があることは何度か書いてきました。それに関する話題もインターネットでは豊富に出回っています。香りで突然過去の記憶が鮮明に蘇る作用を心理学では「プルースト効果」と呼びます。
私的には日本語では「プルースト現象」がしっくりくるのですが、おそらく「Proust Effect」をそのまま直訳した結果「プルースト効果」が流通するようになったのかも。
小説から命名された心理学用語
プルースト効果とは、フランスの文豪マルセル・プルースト氏の著作『失われた時を求めて』から命名されました。私は残念ながら読んだことがありません。何でもかなりの長編らしいです。
フランス文学は難解ですのでなかなか手が出しにくいです。テグジュペリの『夜間飛行』は、この本がテーマとなった同名の香水もあるくらいで香水関係の仕事人には必読の書なのですが、途中で放置されたまま。
読んでいないモノはwikiさんの相談。『失われた時を求めて』から引用します。
--- quote(引用) ---
「物語は、ふと口にした紅茶に浸したマドレーヌの味から、幼少期に家族そろって夏の休暇を過ごしたコンブレーの町全体が自らのうちに蘇ってくる、という記憶を契機に・・・」
--- quote end(引用ここまで) ---
香りでフラッシュバック:リアリティのある記憶
「マドレーヌの味」と書いてありますが、事実上マドレーヌの「香り」「匂い」から呼び覚まされた記憶がビジュアルにフラッシュバックされる様子が伝わってきます。
コンブレーの町の様子が、まるでそこにいるかのようなリアリティを伴って再現される点が通常の記憶(言語や情報としての記憶)との違いです。
この現象は多くの人が人生で何度か体験している感覚で、記憶自体に感情が伴う点が生々しいんですよね。フラッシュバックのメカニズムは嗅覚や脳科学的には不明なことだらけです。
香水と恋人、香りで蘇るあの頃
さて本題です。香りにプルースト効果があるのなら、それを利用しよという人がいてもおかしくないと思います。
たとえば、恋愛。付き合う恋人ごとに香水やフレグランスを変えるのは、あるいは、グッドなアイデアかもしれません。
恋愛モードでは感情は特別な状態にあり「あのころのときめき」を映像や文章で記録することはいまいち不可能ですが、香りなら脳内に「生々しく記憶」されます。
問題は、プルースト効果を発揮させる意図的な手法がないことです。ひょっとしたら脳内には記録されていてもその再現方法がない、ということも十分にありでしょう。
かなり不確定性な要素だらけですが、お付き合いする恋人や入学した学校や勤務している職場、あるいは海外旅行や出張、取り組んでいるプロジェクトごとに香水を変えてみるのは、あとあとおもしろい思い出になるかもしれません。
スペシャルイベントで使い分ける香水のススメ
先日、「香水のつけ方」の動画を探していたらこんなビデオを見つけました。
How To Apply Perfume(香水のつけ)
ステップ1〜ステップ7まであって、異論もあるでしょうが、おもしろいと思ったのが、ステップ7。
特別なオケイジョンには特別な香水・フレグランス
Step 7: Pick a new scent
「ステップ7:新しい香りを試せ」
Pick a new scent for a very special occasion or for a vacation, and wear it only during that time. Later, when you smell the perfume, your brain will associate it with the event, and you’ll be flooded with memories.
「特別なイベントや旅行では、その期間だけ限定の香水やフレグランスを使用してみましょう。後日、その香りをかぐと、その時の特別な感情が、もう洪水のように蘇るでしょう」
あなたの成功を祈ります・・・ってな感じ文章ですね。で動画の方は、お色気モードに入っておりました。トレビアンですね。
(2010-06-11)
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