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香る生活
男性と香水#5 性別がなくなる香水
「フォー・メン」でも気にしない女性
当社の香水「月桃」は、珍しく「フォー・ウイミン」「フォー・メン」と男女に分けられた商品です。このどちらが人気だと思いますか?
女性客が圧倒的に多い当社ではネーミングの通り、ミニボトルのご注文は、8割以上が「ウイミン」です。しかし、フルボトルでは「メン」が「ウイミン」の倍近く売れています。
商品名やラベルが「フォー・メン」でも、現代女性には何ら問題はなさそうです。すでに以前から女性が男性用の香水を抵抗なく使う現象は指摘されていることです。
男性顧客に人気のフローラルな香り
当社製品で、男性に人気がある商品は・・・?
「金木犀」「サンダルウッド」「樹海」「柑橘系」「菖蒲」「碧海」などです。
しかし、それらに集中しているかと言えば、まったくそうでなく、総じてバラけています。
フローラルで女性に好まれそうな甘美な香りも、男性に人気です。
男性客にフローラルな香水が売れていく様子は、もはや今までの香水の性別図式が当てはまらないことを物語ります。
香水性別図式
今までの"香水の性別定義"によれば「男の香水」と言えば、いちおう下記のような感じでした:
・「メンズ = シプレー」
・「メンズ = フゼア」
・「メンズ = タバック」
・「メンズ = レザー」
・「メンズ = シトラス」
・「メンズ = ウッディ」
「タバック(葉巻の香り)」「レザー(皮革の香り)」は今でも男性のみに好まれがちな香りです。
しかし、それ以外は、すべて女性もOK、女性に人気のカテゴリーになっていることにも気づかされます。
香水の性別が無意味化しはじめている
昔、香水といえば甘く粉っぽいイメージがありました。
しかし、現代の女性は甘いフローラルから、以前なら男性用と考えられていたシトラス系、ウッディ系、マリン系、アニマル系、シプレー系も軽々使いこなします。
そなんです、軽々、"何でも来い"状態なんです。
要は「草食系男子」「オヤジギャル」という流行語が示すとおり、香水分野でも果てしないすべてのカテゴリーでユニセックス化が進行中のようです。
この記事は#5
#7 幕末、男達の香水
#6 権力者たちが愛した香り
#5 性別がなくなる香水
#3 検索総数が示す「香水&男」
#2 顧客の男女比
#1 男女の感性の違い
(2009-12-15)
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香る生活
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男性と香水#3 検索数が示す「香水&男」
香水トレンドが見える検索ワード統計
Google社が提供しているキーワードツールをご存じでしょうか?
人々がどんなコトバを検索窓(検索エンジン)に入力しているか統計情報を教えてくれる便利なツールです。
そんなの誰がおもしろい?と言われそうですが、マーケティング担当者や市場調査員にとっては、市場のトレンドとニーズを知る重要な指標の一つになっているマーケッター御用達の優れものです。
「香水」といっしょに検索されるワードは?
さて、このキーワードツールを「香水」というワードを調査してみます。
「香水」というビッグワードの月間検索数と、「香水」とともに入力されるワードのトレンドが一目瞭然です。下記リストは2009年12月に調べた結果です:
(順位)・・(ワード)・・・(月間検索数)
1・・・香水・・・・・・1,830,000
2・・・香水 男性・・・・18,100
3・・・香水 人気・・・・14,800
4・・・香水 メンズ・・・12,100
5・・・香水 ランキング・12,100
6・・・香水 男性用・・・12,100
8・・・男 香水・・・・・8,100
・・・
17・・・香水 女性用・・・・2,400
複合ワードのトップは"男"
「香水」自体は月間180万回ですが、複合ワードを伴うトップのワードは「香水 男性」。
香水の複合キーワードランキングは、これに「香水 人気」や「香水 メンズ」「香水 男性用」「男 香水」が続きます。「香水」とともに打ち込まれるキーワードは、なんと「男」関連ワードのオンパレードなんですね。
では「女性」はどこにランクインしているかとみれば、はるか下方「香水 女性用」がでてきます。その順位はなんと17位。
この表には入れませんでしたが、男に関するワードとして「香水 プールオム」(1000件)、「香水 オム」(880件)、「香水 ユニセックス」(720件)なども検索用語としてかなり使用されています。
移りゆく価値観
数年前まで「香水」とともに打ち込まれるワードの上位は、ブランド名や「芸能人」「フェロモン」でした。
また、以前も必ずトップに食い込んでいた最強コンビ「香水 人気」「香水 ランキング」「香水 激安」「香水 つけかた」は相変わらず強いものの最近は「男」関連キーワードに混じり合って混戦状態です。
ランキングポジションの相対的揺るぎが見え始めています。このように香水を巡る世間の関心が急速に変化している事情が読みとれます。
複合ワードから見える消費者の行動パターン
ところでいつも強い下記の複合ワードからは私は下記のように解釈しています。
・「香水 人気」
・「香水 ランキング」
・「香水 激安」
そして、「香水 つけかた」
どんな香水を買うべきか、香水製品の巷での「人気」や「ランキング」を調べて「激安ショップ」で購入し、そして商品が来たら「香水のつけかた」を調べる。
「人気商品」を知る->「激安ショップ」を調べる->そして「つけ方」という大きな消費者の消費ルートが形成され、香水に不慣れな消費者や香水初心者が大きな回遊をしている様子が目に浮かびます。
香水に限らず、たいていの不慣れ商品が、現在、インターネットではこのような回遊ルートで購入されています。
もちろん、私もその回遊魚の一人。新しい電気製品など、自分にとって不慣れな商品を買う場合は、こんな回遊ルートをたどることもしばしばですので。
本当は自分の目で確かめ、自分の時間とおカネとリスクでモノの目利き力を養うべきですが、はじめての商品は、巷の評判は、なにかと参考にしたくなるのが人情ですよね。
この記事は#3
#7 幕末、男達の香水
#6 権力者たちが愛した香り
#5 性別がなくなる香水
#3 検索総数が示す「香水&男」
#2 顧客の男女比
#1 男女の感性の違い
(2009-12-11)
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香る生活
男性と香水#2 顧客の男女比
香水に目覚める男性
当社のお客さまの男女比率は、圧倒的に女性が多いです。
数年前まで98%-99%が女性でした。100人のお客様のうち男性客は1人や2人といった感じで、つまり、ほぼ女性のお客様でした。
現在、10%程度が男性客と推測しております(お名前から判断するしか方法がないので正確ではないです)。
メンズ香水の品揃えが強いわけでないフローラル・フォーシーズンズにとっては「男性客がずいぶん増えたなー」というのが正直な感想です。
男性の名前でも男性とは限らない
あるお客様からご注文内容に関して変更を依頼する電話がありました。
ご注文時記入されたお名前から判断すると「男性」なのですが、電話の主は明らかに女性。興味がわいたので質問してみると、インターネットショッピングは、もっぱら夫の名前で行うそうです。
男性の名前を使用する理由は、
・夫のクレジットカードを使うためだったり
・セキュリティ上の対策だったり
のようです。
このようにネットでは氏名から「男性のお客様」とばかり考えていた方の中には、隠れ女性客の存在がちらほら。
非常に詳しい男性お顧客も
それでも男性の躍進は目を見張るものがあります。
滅多にこなかった男性客からの電話も増えてきており、内容も鋭くなってきています。
たとえば昔なら男性からの電話なら「なんか男にも合うヤツ、ないですかね?爽やかで」なんて、のどかな質問から、今では「今までブランドの○○を付けていたんですが、あのテイストでもっとムスクを控えめにしたようなヤツで」どうのこうのという微細なものも。
もちろん、以前から香水に強いこだわりがあり、とっても詳しい人は存在していたのですが、そういう方々は当社にはコンタクトしないものでした。
一つには更に目が肥えきて、レアでマイナーなブランド(主にヨーロッパのメゾン系フレグランス)にも関心が行くようになったのではないかと分析しています。
今後の男性比率の目標
フローラル・フォーシーズンズでは、来年ユニセックスながら男性にも使いやすいメンズ香水の投入やサンダルウッド(白壇)などもありますので、男性顧客は今後も増加すると見込んでいます。
来年目指したい男女の比率は:
20% : 80%
この記事は#2
#7 幕末、男達の香水
#6 権力者たちが愛した香り
#5 性別がなくなる香水
#3 検索総数が示す「香水&男」
#2 顧客の男女比
#1 男女の感性の違い
(2009-12-09)
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香る生活
男性と香水#1 男女の感性の違い
香水に対する男と女の感性の違い
日本の男性が香水を日常的につけるようになって久しいのですが、つけない男性も依然として多い。現在、男性の香水に対する考え方は、2極化してます。
「つける人」vs「つけない人」という構図で見れば、女性も同じく2極化傾向にありますが、女性の場合「つけない人」でも、香水は「おしゃれアイテム」として何かと気になる存在。
女心は香り・ニオイに敏感
女性は、デフォルトで香り物に関心があるようです。
また、香りから受ける影響度、たとえば「癒し」や悪臭に対する「嫌悪感」も男性より一段上。敏感ですよね。
つまり、「香り」は女心にエモーショナルにうったえかける何かなんですね。
男性と香水
きょうから数回に分けて「男性と香水」をテーマに書き綴ります。
ちなみに私は日常的には、香水をつけません。これは職場が香水メーカーですので習慣です。
職場では香水を付けない香水メーカーの社員
働く場所が、香水の製造現場や工場だったり、社内には調香したりスメリングしているスタッフもいますので会社に香水をつけないのは暗黙の社内規則。
匂いが強い洗剤や、近年、強烈な匂い付けが流行している柔軟剤なども、社内では一般に敬遠されます。
職場では、匂いに関して忍者のように存在自体気づかれない状態、つまり無臭に近い状態がいいですね。
アルバイトでこられるスタッフもはじめは、けばけばしい香水をつけれ来られる方もおられますが、数回ご来社いただくと、だいたいの方は暗黙のうちに事情を理解して匂いがなくなります。
人の適応力ってすごいですね。
この記事は#1
#7 幕末、男達の香水
#6 権力者たちが愛した香り
#5 性別がなくなる香水
#3 検索総数が示す「香水&男」
#2 顧客の男女比
#1 男女の感性の違い
(2009-12-08)
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香る生活
おっと、早くも12月・・・
東京の紅葉は概ね11月末までにピークを過ぎますが、最後の最後に銀杏がシンガリとなって街に彩りを添えます。銀杏が終わると街はどんより冬色に激変します。
自然の中で見る紅葉もきれいですが、東京の街中で見る銀杏並木もきれいですね。
私の場合、新小金井街道や青梅街道、甲州街道を車で走ると、それだけでちょっとしたドライブ気分を味わえます。近所なのに。
しかし、存外何でもない近所の裏道で豪快に黄色い葉っぱ散らす銀杏の大木には圧倒されます。
銀杏は生物学的に進化に失敗した古代植物、つまり生きた化石のような存在らしいのですが、どうしてこう現代文明ぴったりの風景にぴったり溶け込んでしまうのか驚きです。
それもこれもあと数日ってなところでしょうか。
(2009-12-04)
自然の中で見る紅葉もきれいですが、東京の街中で見る銀杏並木もきれいですね。
私の場合、新小金井街道や青梅街道、甲州街道を車で走ると、それだけでちょっとしたドライブ気分を味わえます。近所なのに。
しかし、存外何でもない近所の裏道で豪快に黄色い葉っぱ散らす銀杏の大木には圧倒されます。
銀杏は生物学的に進化に失敗した古代植物、つまり生きた化石のような存在らしいのですが、どうしてこう現代文明ぴったりの風景にぴったり溶け込んでしまうのか驚きです。
それもこれもあと数日ってなところでしょうか。
(2009-12-04)
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