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( 香水工場の )

香る生活


イチョウの葉 #5
とうとう真冬ですね。東京ではイチョウの紅葉はもはや見る影もなく、枯れ木となりました。

今年はこのささやかな連載を書いているために神社や公園に何度となく通い、イチョウの紅葉の変化を眺めました・・・というより収穫の時期を待ちました。

イチョウ(銀杏)パワー
12月14日、燃えるイチョウ。収穫の時。

イチョウ(銀杏)パワー
収穫されたイチョウの葉

イチョウ(銀杏)パワー
水洗い・・・案外ホコリゴミがついているのでよく洗う。その後、数日間天日で干して乾燥させます。

イチョウ(銀杏)パワー煎る
香ばしさを出すため土鍋で煎る。

イチョウ(銀杏)パワーお茶
イチョウのお茶の出来上がり。

(注意)読者のみなさんにイチョウ葉茶をお勧めしているものではありません。民間療法的に語られるイチョウ葉エキスの効果効用について個人的に関心があり、自己責任のもと自分自身で実験しているものです。


イチョウ葉の安全性を調べる(日本)
イチョウ葉の効用を調べる(海外)
イチョウの葉 #5 イチョウの葉茶
イチョウの葉 #4 燃えるイチョウ
イチョウの葉 #3 脳内血管
イチョウの葉 #2 イチョウ並木
イチョウの葉 #1

(2007-12-21)
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香る生活


口コミは、モデルさんの時代?
メーカーはよい製品を作るだけでなく、それを大量に売りさばくための努力をしています。それは「販促」(販売促進)と呼ばれる企業活動で、営業部やマーケティング部が担当します。大きな企業さんでしたら「販促部」というそれ専門の部署とスタッフがいて日々、戦略を練られていることでしょう。

販促の最大の武器の一つがテレビですが、企業は巨額のスポンサー料を支払う見返りとして番組内で商品紹介を受けたり、番組の合間にCMを打ったりします。CMに出演する芸能人によっては、商品の売り上げに大きく関係するため、人気の度合いや影響力の大きさから出演料や契約料は莫大になると聞きます。「芸能人って凄いなー」と子供心に思ったものです。

以上が私が物心付いた頃から抱いてきた企業活動と芸能界の密接な関係のイメージです。



昨日は渋谷で、あるインターネット関連会社さんと打ち合わせ。本題のついでに、ところで、といってモデルさんによる口コミ・マーケティングの紹介を受けました。美の象徴であるモデルさんたちに実際に商品を使用いただいて、ブログなどで発信してもらうという仕掛けらしいです。化粧品メーカーには魅力的なマーケティング手法かもしれませんが、ウソを発信するわけではないにしろ、口コミまでもが・・・

このブログを読んでくださっている読者は、当社がテレビや芸能界とは無縁であることをよくご存じと思います。当社の年間広告予算は0円。当然、芸能界も芸能人の人気やイメージ動向も疎くなります。

昨日の打ち合わせで知ったことは「5年くらい前からモデルさんの影響力は絶大になってきた」ということです。

そういえばテレビのバラエティ番組にお笑い芸人に混じってモデルさんがいつの頃からか頻繁に出るようになったことに今さら気づきました。

そういう時代ですか・・・昨夜は、浦島太郎でした。

(2007-12-21)
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香る生活


香水ボトルの会社も激動の時代
世界のブランドさんの香水瓶は、ほとんどがポシェ社(フランス)とサンゴバン社(フランス)によって生産されています。ボトルの原料となる石英やケイ素酸化物の質の良い鉱物が産出されるイタリアやスペイン、ポーランド、ハンガリーにもよい会社があるらしいのですが、世界的に見てポシェとサンゴバンの強さは圧倒的です。

先日お会いしたサンゴバン社のアジアリージョン担当の方の名刺が「SGD」という社名になっていたので「社名、変わりました?」と質問してみると、M&Aですね、ということでした。

サンゴバン社は、フランスの巨大な素材メーカーでパリの水道管の90%がサンゴバン社製というだけあり鋼材・建材の世界的な大企業。ボトル部門はサンゴバン社の中でもかなり小規模でマイナーな部門と推測されます。

M&Aの対象になりやすかったのでしょうか、今年それは現実のものとなったようです。IBMがパソコン部門を中国企業に売り払う時代ですから何でもアリですよね。

しかし、巨大組織よりは、むしろある程度の規模でその分野でピリリと切れのある企業の方が、私なんかはクールに感じるので顧客の一人として個人的には歓迎ムードです。

ところで、今度はポシェ社が傘下のラリックを売却予定というニュースが飛び込んできました。

Pochet in exclusive discussions with investment fund for Lalique(www.cosmeticnews.com)
「ポシェ、ラリック売却に投資ファンドと単独協議へ」

まだ決定ではないにしろ経済ニュースとして表に出てくる以上、かなり現実味のある話でしょう。

ラリックといえば、芸術的なクリスタル製品を制作販売しているフランスを代表するガラス工芸品メーカー(日本にも数年前まで直営店がありました)。ある意味フランスの誇りですが、売却先はイギリスのファンドの模様です。

サンゴバン社についてはいろいろこのブログでも説明してきましたので、きょうはポシェ社の概要を紹介します。こんなときは米国Yahoo Financeは役に立ちます・・・

Pochet S.A. Company Profile

Pochet creates the bottle for the genie. Founded in 1623, the company makes and distributes luxury glass perfume bottles and containers for cosmetics and perfume manufacturers such as Jean-Paul Gaultier, Christian Dior, and Kenzo. (It has made as many as 10 million bottles in a year for popular perfume CK One.) Bottles account for more than half of sales. More than 70% of Pochet's sales occur in France and the US. Pochet also makes plastic packaging items for the perfume and cosmetics industries and owns 87% of Lalique Group, a retailer of crystal, porcelain, jewelry, perfume, and fine leather goods. Lalique operates about 70 stores worldwide. The Colonna family owns about 98% of Pochet.

1623年創業のポシェは、ジャンポールゴルチエ、ディオール、ケンゾーなどを顧客とするラクジュアリーな香水瓶や化粧品容器のメーカーです。世界的に人気の高いCK Oneは年間1,000万本製造したことがあります。売り上げの7割はフランス国内と米国で上げ、香水ボトルの売り上げは全売上の半数を占め、他にプラスティック製化粧品容器などがあります。また、ポシェはラリック社の87%の株式を所有しています。ポシェの98%の株式はコロンナ家によって所有されています。

※注)コロンナ家とは、ローマ法王を史上何人か輩出してきたイタリアの名家中の名家らしいです(私は詳しくありません)。

(2007-12-20)
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香る生活


高幡不動〜浅川〜土方歳三生家を歩く
新宿から京王電鉄で高幡不動駅(たかはたふどうえき)まで1時間もかかりません。東京西部の近郊は多摩地域とよばれ、簡単に言えば多摩川を中心に北は所沢、南は田町あたりまで河岸段丘的に丘陵や平地が広がっています。

富士山の火山灰でできた地層は田圃に不向きで開墾が遅れたことで多くの魅力的な原生林を残しました。これが武蔵野とよばれる森林ベルトです。

高幡不動は、京王線「高幡不動駅」から数分。地理的には浅川(あさがわ)という多摩川の支流が、ちょうど多摩川に合流する地点の南側丘陵に立つお寺です。土方はこのお寺で少年時代遊んだことでしょう(いや、あの時代は農作業の手伝いで少年といえども遊んでいる暇はなかったかもしれません)。

現在は土方の菩提寺となっており、新選組に関する資料も数多く残るそうです。浅川を渡り川沿いを多摩川方面に10分程度歩けば、土方歳三の生家に辿り着きます。

高幡不動から浅川を渡って生家まで20〜30分。よい運動になります。川沿いの開かれた展望からは、快晴で北風が強い日には富士山も見えるに違いありませんが、きのうは見えませんでした。

オードトワレ新選組の構想があり下調べをしていますが、ようやく土方歳三資料館に来ることができました。この資料館の開館日は月2回。タイミングを逃してなかなかこれませんでした。

土方歳三の実兄のご子孫が暮らされているご自宅の一部を資料館として開放されています。

私が到着したとき、ちょうど団体客の到着と重なり、日曜日の資料館は予想外にも観光客でごった返す盛況ぶりした。

「観光客」というコトバを使用しましたが、文字通り観光気分で来られている方もおられるでしょうし、中には繰り返し通う方や熱い思いを抱いて来館される方もおられるでしょう。

中年のおじさんグループや初老のご夫婦が目立ちますが、明らかに20代くらいと思われる女性(一人の方や数人連れの方)も少なくなく、土方人気の幅の広さに驚きます。

お目当ては「和泉兼定(いずみのかみかねさだ)」やキズだらけの「鉢金(はちがね)」かもしれません。

和泉兼定とは土方が身につけていたといわれる日本刀です。やや小柄で無駄な装飾がありません。鉢金とはヘルメットのようなもの。ヘルメットは頭をすっぽり覆いますが、こちらはおでこにあてる鉢巻きみたいな鉄板です。

「こんなもので何を守るんだ?」という疑問は湧きますが、太刀跡が数カ所見えることを考えると土方は何度となくこの鉢金に命を救われたかもしれません。

私の興味を引いたのは、土方が若い頃行商に歩き回ったという「石田散薬」。葛籠(つづら)と黒焼きにした薬草などが展示されていました。多摩川の川岸に自制しているある種の野草を摘んできて乾燥、黒焼きにしてお酒を混ぜて粉末状につぶした薬です。熱燗日本酒と服用すれば打撲・筋肉痛などに効果があるそうです。

今風に言えばハーブ製剤ですね。黒焼きとは木炭の製造と同じで、酸素を遮断して蒸し焼きにし成分を炭化させたものです。現代人の感覚からするとふしぎな気がするのですが、江戸時代では一般的だった漢方の製薬方法です。石田散薬は地元では人気のある薬だったそうです。


高幡不動尊
高幡不動尊。京王線「高幡不動駅」から数分。

土方歳三資料館
土方歳三資料館。小さな出店がでており「歳三まんじゅう」が販売されていました。

(2007-12-17)
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香る生活


容器デザイナーさん #2
そもそもインダストリアルデザインに求められる大きな条件の一つに量産に耐える生産効率性とコストの問題があります。芸術作品ではないので当然です。薄利多売の傾向が強いトイレタリーは、化粧品よりもさらに厳しい生産性とコスト管理が強いられます。

たとえば、製品化され製造ラインに乗る際、製造プロセスが複雑では量産に向きません。彼の話では、1分間に数百本程度流せる製造上の簡易性を満たした素材・デザインでなけれないけません。素材となる原料は低価格のまま安定供給が見込めるものでなければいけません。

コストを上げずに安定供給できる素材で、分単位で数百本製造可能な形状を満たす。その上でさらに個性を演出。個性を加えるために独特なキャップを作り出しました。見た目に珍しく機能的には引き出して倒すキャップのおかげで製品全体に個性的で優しい印象が生まれました。

しかし、このキャップは難産でした。苦労の自信作は製造部門にあっさり却下されます。

消費者は買ったとき、人によっては商品を上下関係なくショッピングバッグに放り込む。もし逆さまに入れたら「キャップが開いてしまう。中身がこぼれてきたらどうするんだ?現場を知らなすぎる」と叱られました。そこで、キャップにプラスティックシールを掛ける提案をしました。

製造ラインに一工夫いりますが(つまりコストアップの生産効率性の低下)、シール自体のコストアップはごくわずかだったのでこの案は通りました。

ところが、今後は営業部門からクレームです。「お客さまはシャンプーの香りを確かめてから買う。シールしてしまえば香りが確かめられない。現場を知らなすぎる」とまたもや叱られました。

シール自体が消費者に嫌われるとは考えなかった彼らは、消費者にシール案のアンケートを独自に敢行。結果は「清潔感があってスキ」や「衛生上好ましい」という前向きな意見が大半。これを営業部に示してようやくOKをもらうというプロセスがあったそうです。

工業デザイナーに求められる要素は「美しさ」と「機能性」だけではないのですね。

どこまでも美しく誰にとっても使いやすいユニバーサルデザインは、デザイナーの目指すところですが、実際の現場では製造上の制約・コストの問題・他部署との折衝、場合によっては上層部の政治的な意向(どの取引先に製造依頼を行うかなど)などにも影響を受け、曲がりくねって出てくる産物のようです。

それはデザイナーにとって不幸なことなのかお聞きしてみると、意外にも「デザインの完成度を高めてくれる可能性も高い」との意見でした。クレームを付ける人間がただダダをこねるだけの場合は問題ですが、各自が自分の現場に真剣であれば対立もあり相互理解のための過程も必要になる、そういうプロセスからよいものが生まれることも多いそうです。

よい作品は「消費者とコミュニケーションができる作品」

続く・・・ (2007-12-16)
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香る生活


容器デザイナーさん
きのうは久しぶりに新宿にでて、茶をしました。

お茶の話し相手はある化粧品会社さんでデザイン部門の事業部長をされていた方で、現在は独立しデザイン事務所を運営、ときどき長岡造形大学や他の大学などでデザイン関連講義の講師をされておられます。

化粧品容器やトイレタリー容器・パッケージのデザイナーさんですが、ご経歴的にはデザイン制作の中でプロデューサーやディレクター的なお仕事を長年されてきた方です。

一般消費財の中で化粧品は、パッケージが豪華な製品が多いことはご存じと思います。多くの化粧品メーカーや化粧品ブランドにとって「化粧品とは夢を盛り込む製品」と位置づけられていますので、容器やパッケージには他の消費財とは比較にならないほどコストをかけることがあります。

中には化粧品の本体成分より、容器やパッケージの方が製造原価も原料コストも高いということは珍しくありません。

彼がデザインした容器に「スーパーマイルド」というシャンプーがあります。その単純ながら和むような曲線に込められた意味を聞きました。

カタチとしての美しさだけでなくバランスや色彩が与える印象、見た目の質感、手に取ったときの質感など比較的素直にデザイン案は進んだようですが、できてみれば個性が感じられなかったので個性を作り出すことろに苦労したとのこと。

続く・・・

(2007-12-14)
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