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香る生活


米国で急伸、天然指向パーソナルケア
ニューヨークの市場調査会社パッケージド・ファクツ社(Packaged Facts)社は、トイレタリーなどコンシューマーグッズの市場リサーチで有名ですが、きょうはこの会社さんが発表している自然・有機製品の市場動向をご紹介します。

現在、あらゆる「天然資源の争奪戦」が世界中で勃発の様相を呈していますが、それを裏付ける記事です。


Natural/Organic Personal Care Products Market to Continue to Glow(パーソナルケアの自然・有機製品、続伸中。August 24, 2007)

「パーソナルケア製品」とはスキンケア、ヘアケア、オーラルケア(口腔ケア、口内衛生)などの化粧品・医薬品・健康食品・雑貨を指します。

記事によると2002〜06年、自然・有機成分を含むパーソナルケア製品の市場は20億ドルから60億ドルに跳ね上がり、2012年には100億ドル(1兆2千億円)市場になると予測されます。この驚異的な増加には、シワを減らしたい、脱毛をくい止めたい、歯や歯茎を維持したいなどの野望を抱くベビーブーマー世代の健康に対する前向きな投資があります。

彼らは環境問題にも敏感だし、発ガン性のケミカルを嫌う世代です。

ますます多くの人が「セルフ治療(SELF-DOCTORING)」に熱意を燃やすようになり、結果として自然・有機製品の続伸が予想されますす。もっと詳しい内容はパッケージド・ファクツ社発行レポート「Natural and Organic Personal Care Products in the U.S.」で入手可能です・・・という内容の記事になっています。

こういう記事やレポートに煽られて投資ファンドなどが世界中の天然資源を買い漁ったりすると、持続的で安定した製品作りを目標とするボクらメーカーサイドには脅威になります。年金ファンドやヘッジファンドのみなさま、投資はどうぞ株や債券中心にどうぞ、ひとつよろしくお願いいたします、と願いたくなります。





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Natural/Organic Personal Care Products Market to Continue to Glow

NEW YORK, Aug. 24 /PRNewswire/ -- After growing more than $2 billion to $6.1 billion between 2002 and 2006, the natural and organic personal care products market is expected to post another phenomenal increase by 2012 with projected sales of nearly $10.2 billion, according to Natural and Organic Personal Care Products in the U.S., a new report from market research publisher Packaged Facts.

The 11% increase in 2006 over 2005 sales added another link in the chain of double-digit increases that date back to at least 2003. Propelling the market's phenomenal growth are sales from aging Baby Boomers trying to reduce wrinkles, save hair, maintain tooth and gum health, and use makeup with cosmeceutical benefits; growing retail dynamics, including a stronger natural/organic products infrastructure, crossover into mass and prestige markets; and direct sales via the Internet, catalogs, and infomercials.

Packaged Facts expects these factors to continue driving growth between 2006 and 2012, along with public concern over environmental crises, the sustainability of resources, "fair trade" practices, and consumer fear of cancer-causing chemicals.

"More and more consumers are self-doctoring, either for treatment of specific medical conditions or for preventive maintenance," notes Cathy Minkler, the Associate Editor of Packaged Facts. "As a result, America has become increasingly aware of ingredients' cosmeceutical value. The natural HBC market stands to profit from its danger-free stance, provided that product efficacy is improved, consumers are educated as to the benefits of natural/organic preparations, and the products' unique selling propositions are maintained, even as mainstream distribution expands."

Natural and Organic Personal Care Products in the U.S. provides a comprehensive look at the U.S. consumer marketplace for natural and organic skincare, haircare, oral care, and color cosmetics products. The report examines new product trends, offers competitive profiles of industry leaders, and looks at consumer trends and behaviors. The report is available from Packaged Facts by visiting: https://www.packagedfacts.com/Natural-Organic-Personal-1483027.
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(2007-11-12)
( 香水工場の )

香る生活


世界の香水展示会
香りに敏感な民族で、しかも伝統的に香り文化を大切に育んできた私たちのニッポンは、残念ながら香水文化に関しては洋物・インポートに席巻される状況が続いています。

しかし、実は同じ欧米内でも温度差は激しく、あえて単純に言えばフランス一人勝ち。その巨人フランスに対してイタリアが現在ニョキニョキと頭角を現しはじめているという構図が見えます。

伝統的に「軍需産業」とともに「ブランド産業」を重視するフランスでは政界・経済界挙げての挙国サポート体制もありブランド王国フランスを揺るがす勢力は今のところ見あたりません。

そんなこともあり、香水産業も研究所もパフューマーもボトルメーカーも香料メーカーもフランスに集まる図式ができあがっていますが、香水の展示会も例に漏れず、やはりフランスです。

異論はあると思いますが、現在世界の2大香水展示会は、おそらくイタリア・ボローニアの「コスモプロフ」とフランス・カンヌの「TFWA WORLD EXHIBITION(国際免税品見本市)」ではないでしょうか。

コスモプロフ、TFWAともに世界各地で開催されていますが、こと香水に関していえば、特に「ボローニア」と「カンヌ」が重要です。

毎年春に開催されるボローニアのコスモプロフは、今年の状況をこのブログでも連載で報告させていただきました。

カンヌのTFWA(Tax Free World Association)は毎年秋ですが、今年は10月22日〜10月26日に開催されました。「Tax Free」なので文字通り「免税品」展なのですが、世界の免税店で香水は定番であることから、自然と香水の一大展示会として発展してきました。

知人が今年のTFWA行ってきました。

「すごい状況になっている」

展示会場は「Palais des Festivals et des Congres」。
「カンヌ国際映画祭」が開催される赤いカーペットのあそこですね。

「とにかく新興の香水メーカーがいっぱいでていて、もう何がなんだかわからない」

「そういう新興パフーマリーは展示会にもでていないところが多く、商談はカンヌ市内のホテル、カフェ、レジャーボートなんかもいっぱい浮かべて海上で・・・」

「カフェなんかでは香水のバイヤーがいっぱい・・・」

香水戦国時代へ突入の様相を帯びた内容ですが、どうも、おもしろいことになってきたようです。フランスの動向はおそらく日本にも波及してくると予測されますが、消費者がどう動くか不明です。

現在日本では、近年あまりにも安易に乱発されるブランドさんの新製品や「限定品」に逆に消費者は「定番回帰」に向かっているという意見もあり、業界でも動向予測は意見が分かれるところです。



(2007-11-09)
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香る生活


スピリチュアルな香水
きょはカリフォルニア州のある香水メーカーさんの話です。

タイトルから危ない香りがしますが、宗教儀式と香り(芳香、お香、香水)は切っても切れない関係にあります。

またそれだけ古いというか人類の誕生とともに宗教が生まれ、宗教儀式には、火が焚かれ煙を出して香りを立てるという香りの儀式が伴うのは、世界の多くの民族に共通した現象です。

ところが、この香水メーカーさんの嘆きは「現代の教会ではお香や芳香が使用されることはほとんどなくなりました。礼拝における香りの重要性が理解されていないことは嘆かわしいことです」(evidently not understanding its spiritual significance in worship)

彼らの理論の一つは2004年ノーベル医学生理学賞を受賞したリチャード・アクセル博士(Richard Axel, M.D.)の研究です。

アクセル博士は、嗅覚と「匂いレセプター」(odorant receptors and the olfactory system)に関して驚くべき発見を成し遂げた方で、この受賞以降、フェロモンや匂いの記事やテレビ番組が日本を含め世界的に増加したといわれています。

(嗅覚研究者は世界的にかなり少ないので、こんな機会に嗅覚研究に関心を抱いてくれる研究者が増えることはいいことですね・・・)

そのアクセル博士が言うには遺伝子の5%程度が嗅覚に関するものであり、それは視覚や聴覚より凄い、ということがこの香水メーカーさんが重視する部分です。

アクセル博士の論文を読んだわけではないので、この5%説が士の論文でてきているのか不明ですが、仮にそうだとすると「未熟」とか「未発達」と呼ばれる嗅覚は、実は大変リソースが投資されている人体内のパーツということになりそうです。

(それにしては結果として未熟です)

しかし、このパーツ(嗅覚)は未熟ならが、実は恐るべきナゾのパワーが秘められている、としています。

嗅覚はイモーショナルでスピリチュアルな感覚。感情が伴うだけでなく人体に変化さえ及ぼすパワーがあるとしています。

ここまでは一般的に受け入れられる考え方です。次からは意見が分かれるかもしれません。

「スピリチュアルを体験するためのツールとしての香水」(Perfume as a spiritual tool)があってもよいではないか、それは今まで業界が注目してこなかった分野なのです(has never been an industry focus)という主張につながります。

この香水が祈りや礼拝、瞑想などによって得られた時のスピリチュアルな状態を再現するという理論です(inspired formulation can help access a state of spiritual connection you've previously achieved through prayer, worship, meditation, etc.)。


数ヶ月前ニューヨークから電話がありました。日本語だったのでとっても海外からの電話とは実感できなかったのですが、ニューヨークでは今「スピリチュアルブーム」だそうで「スピリチュアルグッズ」が飛ぶように売れているそうです。

ご要件は「スピリチュアル香水」の開発打診だったのですが、お話を伺って断りいたしました。

この案件ではお断りしましたが、スピリチュアル香水の考え方に反対というわけではありません。香水には精神に及ぼす力があることは確かですから。


※本日ご紹介した会社さんの記事はPress Release "Spiritual Perfume & Connecting to God"
(2007-11-08)
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香る生活


九州の櫨 #02 久留米の柳坂曽根
「櫨の実」から精製される蝋(ロウ、ワックス)は、「櫨蝋(はぜろう)」または「木蝋(もくろう)」と呼ばれます。化粧品原料としてのネーミングは化粧品連合会にて「モクロウ」という名称にて統一されています。では、さっそく、九州、櫨の旅パート2・・・

「櫨」(ハゼ)といえば東京では魚のハゼをイメージしますが、九州では櫨の木と櫨の実がイメージされます。本州と比較して紅葉が乏しい九州では真っ赤に色づく光景はひときわ目立つ樹木です。


●久留米の柳坂曽根(やなぎざかそね)

福岡県久留米市には有名な「柳坂曽根」(やなぎざかそね)の櫨並木があります。「有名」と聞いていましたが、西鉄久留米駅からタクシーに乗って「柳坂曽根」と言っても「どこじゃろか?」といって思案のご様子。

いろいろ説明して「あー、こんへんじゃ『山本町のハゼ並木』といいますバイ」といって案内いただきました。

20分程度で柳坂曽根の櫨並木に到着。10月下旬の、まだ紅葉していない櫨並木を南北に歩きました。南方には東西に走る耳納連山があり、この一帯はとてもなだらかな丘陵になっており遠くまで見渡せます。どこかブルガリア「バラの谷」に似た風景です。

タクシーのドライバーさんによるとこの辺一帯は植木栽培が盛んで植樹関連の農家や業者、それに植木取引所のちょっとした一大センターになっているとのことです。

JR九大本線の数量両編成の電車が、凄いスピードで走っていましたが、とてものどかに見えました。秋の午後の日ざしを受けた丘陵地帯は、静かで穏和で天国のような光景です。

農作業をしてたおじいさん聞いてみました。

「この櫨は作物として植えているんですか?」

昔からここで農業をしているというそのおじいさんによればこの櫨並木の櫨の所有者は知らないとのこと、しかし、毎年11月から冬にかけて「山向こうの八女(やめ)から人が来て実をちぎっていく」そうです。

「ロウソクや化粧品の原料になるみたいですよ」。

ここの櫨は200年以上前、江戸時代中期、久留米藩が藩財政の立て直しのため櫨の木栽培と櫨の実生産を奨励、この地方の特産物として江戸や大坂に出荷され久留米藩の財政をうるおしたということです。

幕末は重要な海外輸出産物となり「ジャパンワックス」の名で高い評価を受けました(余談ですが、九州の諸藩の財政力は明治維新の動乱の原動力にもなっていくんですね)。久留米藩だけでなく九州一帯ではいたるところで櫨が栽培され、お百姓さんたちの現金収入の手段となっていました。

「はじめは田圃に陰ができることを嫌う百姓が多かったと聞いております」

主生産はあくまでも米。そのため櫨はあぜ道や土手など米が植えられない場所に植樹されたそうですが、現金収入になることがわかると植樹は最盛を迎えます。

櫨産業最盛期には、筑後地方から熊本、有明海を挟んだ島原地方は「櫨燃える国」と歌われ地盤産業として蝋農家、蝋屋(制蝋業者)、蝋問屋、そして季節労働者などの多くの雇用を生み出しました。


(2007-11-06)
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2007「ローズの贈り物」
先日投稿した2007年クロップの出来映えで心配していたローズオイルですが、結果的に価格は昨年の数十パーセント増しという強烈な高騰になりましたが、力強いローズオイルがブルガリアから届きました。

今年は『家庭画報』さんなど数社の雑誌さんが「ローズの贈り物2007」を誌上プレゼントにご採用いただいたおかげか、関心度も高くよい雰囲気になってきました。

どうせ、リリースするなら期待されながら出すのがメーカーサイドにとってもうれしいのが本音です。

リリースは1mLサンプルボトル、30mLボトル、そして数量限定「練り香水 ローズの贈り物」(非売品。「ローズの贈り物」30mLボトルにお付けするノベルティです)ともに11月25日です。

現在、11月の冷気の中で固まりだしたローズオイルを丹念に仕込み中です。

どうぞ、ご期待下さい。


(2007-11-05)
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香る生活


九州の櫨1 太宰府天満宮
久しぶりに九州に行ってきました。天神・太宰府・久留米・江の浦・島原と小股に移動しながら打ち合わせや見学です。仕事ながらとっても旅気分。

太宰府は平日にもかかわらず観光客で大賑わい。半数くらいが韓国人の修学旅行生で、中国人も多く福岡の国際化はとどまる気配がないようです。

受験シーズンともなれば賽銭箱には万円札も舞う太宰府天満宮。韓国の高校生たちも学問の神様へ受験祈願でしょうか、それとも物見遊山でしょうか。

とりあえず焼きたての「梅ヶ枝餅」でも食べて日本気分を満喫いただきたいと思いきや、日本の女子高校生にカタコト日本語で言い寄っていたりしてキャーキャーと騒ぐ子どもたちの光景もほほえましくもありました。

恋の国際化も進めていただきたいものです。

来春リリース予定の「枝垂紅梅」(しだれこうばい)は、特に太宰府をイメージしているわけではありませんが、あのロマンチックな飛び梅伝説の雰囲気を味わいたく足を延ばしました。

茶店に座して、茶を一杯所望(しょもう)。

こういうときは旨い八女茶だと気分がのるのですが、テレビ東京の旅番組のようには行きませんでした。

久留米には、有名な「柳坂曽根」(やなぎざかそね)の櫨畑(ハゼ畑)と櫨並木(ハゼ並木)があります。

「有名」と聞いていましたが、西鉄久留米駅からタクシーに乗り込んで「柳坂曽根」と言っても「どこじゃろか?」といって思案のご様子。

いろいろ説明して「あー、こんへんじゃ『山本町のハゼ並木』といいますバイ」ととっても強烈な久留米弁。



(2007-11-02)
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