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( 香水工場の )

香る生活


富士山のコメツガ林を登る

富士山を麓から登る


10月末に富士山に登りました。

もちろん、頂上を目指す元気はなく、香水「樹海(Jay)」の開発テーマとなったコメツガの群生林を見ることが目的でした。

実は「樹海」リリース時の7月にも見に行ったのですが、秋にも行きたいと念願を果たしてきました。

コメツガ自体は針葉樹で紅葉しませんが、雑木林は紅葉が美しい季節です。

富士山登山は、富士スバルラインを五合目まで車で行き、そこから頂上を目指す登山者が多いと思いますが、私の場合はほぼ麓から五合目を目指すというものです。

ルートは、富士浅間神社をスタート地点とする吉田口登山道。

五合目まで7時間くらいと思います。今回はタクシーである程度上がってからのスタート。日も短くなってきましたし。


江戸時代、メインの登頂ルート


吉田口登山道は、江戸時代、富士山信仰に魅せられた人々がもっとも愛した登山道らしいです。江戸方面から最短で富士山に登れるルートだったためでしょうか。

しかし、富士スバルラインが完成した昭和40年前後を境に、訪れる人もまばらな寂しい登山道になりはてています。


人気がない山道でナゾの集団に遭遇


そんな中、二合目の朽ちた神社周辺でうごめく人々の姿を発見!

誰もいない、何もいない、何も聞こえないと思われていた静寂な山中に7〜8人の人影が!

「おお!」とは心の叫び声。

大地を耕しているようです。

普段それほど愛想いいわけでない私ですが、山深く人に会うとホッとするというか、なつかしいというか、おもむろに近づいて「何を掘っているんですか!」。

唐突に突っ込みした。ここにはかつて富士山信仰に深く関わる神社が祀られていた伝説があり、その発掘調査とのこと。

山梨県埋蔵文化財センター

しかし、その伝説は江戸時代のもので、富士山信仰の起源となったであろう平安時代の神社の場所かどうかわらないという話です。


富士山信仰の発掘調査


平安時代にこんなところに人がいたこと自体、空想が炸裂します。しかし、空気が薄かったせいかとんでもない方向に炸裂していました。

「平安時代? こんな山奥に人が? それは日本人ですか? 日本語しゃべっていたんですかね?」

突拍子もない質問に失礼しました。この場を借りてお詫び致します。

学芸員の方は、笑いながら「おそらく」と返答されました。

こんなところまで発掘に来くとは本当に大変ですね、といえば「いや、この上に山道があり車で上ってきますよ」と。ズッコケ一方です。


見事なコメツガ群生


しかし、コメツガの林はこのあたりから見事な群生をなします。美しく険しく優しい樹木です。

三合目・四合目と上がるに従い、樹木の背は低くなり森林限界に達する五合目頃まで思う存分、コメツガの林と香りを堪能することができました。


帰りは、五合目からバスで降りました。

(2009-11-18)
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香る生活


在庫切れで「矢尽き、刀折れる」心境
ときどき、販売中の商品が在庫切れを起こします。

自然災害や戦争など、一企業の力ではどうにもならない不可抗力によるビジネスの停滞はやむを得ないのですが、「在庫切れ」は要はだいたい商品管理の問題。

段ボール箱のように大きく、残量が一目でビジュアルに把握できるものは、あまり失敗しません。

しかし、香水のように小さく商品棚にしまわれているものはときに失敗しがちです。

発送作業ルーム内の在庫がなくなり、次の在庫を倉庫に取りに行ったときに「!」と気づくパターン。



丸美屋のテレビCM(麻婆豆腐の素「出遅れた」篇)で、あまりのおいしさに、おかわりに行ったお父さんが

「ゴハンがない!」

と絶叫するシーンがあります。

このCMを自宅のテレビで見たとき、同じ経験があるだけに豪快に笑ってしました。


私自身、その数日後

「商品がない!」

と倉庫で絶叫することになるとは、夢にも考えませんでした。突然、在庫切れを知ったときの光景は、丸美屋CMのおかわりお父さんと同じでした。

そして、忙しいこの時期だけに張り詰めていた心が緩み疲労感が襲います。その心境は

「矢尽き、刀折れる・・・」



(2009-10-22)
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香る生活


「店舗ありますか?」
「店舗はありますか?」というご質問が増加気味です。

店舗はございません。

香水を売るのに店舗がないというのも不便ですが、昨年、新宿伊勢丹さんから撤退してからというのも「そのうちよいところが・・・」と期待しつつ待機状態です。

「店舗はありますか?」というご質問の増加は、新規潜在顧客の増加を象徴です。

費用的に大きな広告が打てない当社にとって、知名度をどうやって上げるかは以前から悩みの種。

「製品を世間に告知できない」「消費者に認知してもらえない」は中小メーカーの共通した悩みですが、「捨てる神あれば・・・」なんたらの諺どおり、なんとか活路が開ける場合もあります。

対一般消費者マーケットでの「拾う神」は、「口コミ」ではないかと思います。



(私は以前、あるベンチャー企業の立ち上げに参加しました。2社。どちらも多くのベンチャー同様数年で危機が訪れました。万端手を尽くしそれでも「方策つきた」と思った頃に、予期せず大きな案件が舞い込んだり、出資者が現れたり。「案外、こういうのって、際どく持ちこたえるかも」という感慨を抱きました)



(2009-10-17)
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香る生活


2009年のローズオイル、税関通過中
今年のヨーロッパは雨が少なく、ワインの当たり年になりそうです。

バラとワインの当たり年に関連性があるのかどうかわかりませんが、バラも当たり年になったことを祈ります。

現地から聞こえてくる情報は「よい」「悪い」「例年通り」と錯綜しており、自分の目で確かめに行っているわけでないのでなんとも不安です。

昨日、依頼していた2009年産クロップのローズオイルが税関を通過中との連絡が来ました。

期待したい。

(2009-10-15)
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香る生活


日本のゼラニウムを守る小豆島・曽田香料植物研究所#1
産業としてのラベンダー畑
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きょうから何回かに分けて「曽田香料植物研究所」さんについて書きます。気合いを入れて書きますのでちょっと長くなるかも・・・

「曽田香料植物研究所」って何?という方が多いと思いますが、知る人ぞ知る研究所さんです。

現在は実質的な活動はあまりされていませんが、日本の香料植物の畑と香料ビジネスを精力的に開拓した曽田政治氏の記念碑的な施設で現在でも貴重で稀少な香料植物保存する施設さんです。

先日、投稿した小豆島「かどや」ゴマ油工場見学では、原料のゴマは「99%輸入」と書きました。私が調べたわけでなく工場の方の受け売りなのですが、概ねそうだろうな、と多くの人は納得です。

人件費が高く広大な土地に恵まれない日本ではゴマ栽培そのものが成立しにくいものがあります。土地や気候はまだしも完全機械化に難点がある作物は日本では致命的です。これはゴマに限ったことでなく、香水の原料となる香料植物全般に言えます。

北海道のラベンダー畑は有名ですが、精油採取のため畑というよりむしろ観光地であり観光農園という役割が大きいでしょう。しかし、もとは観光地でも観光農園でもなく、純粋にラベンダーオイルを生産するため畑だったことをご存じでしょうか?

その畑の近くには大がかりな蒸溜所があり、昭和40年代前後まで「産業として」ラベンダーオイルが生産されていました。

「産業としてのラベンダーオイル生産」の意味は、資本主義経済メカニズムの中、つまり、おカネを払う第三者の厳しい評価に耐えうる「品質と数量」が維持されていたということであり、何よりそれで食べていく人々が存在したということです。

産業は人々を養い社会を形成する原動力で、そこに携わる多くの人々の生計がかかってきますので、趣味や自家農園とは意味が違います。

北海道産のラベンダー・エッセンシャル・オイルの品質は、フランス・グラース産のラベンダーオイルに引けを取らないと言われていました。

日本では香料植物の生産はなされていないというイメージが強いのですが、そんな畑を開墾したとんがった男達が日本にもいました。

その代表のひとりが曽田政治氏です。日本の大手香料会社・曽田香料の創業者にして北海道の大平原にラベンダー畑を出現させた人物です。


ゼラニウム

(続く・・・)

(2009-10-11)
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香る生活


台風のあと
昨日投稿した「縦断中の台風、強風に混じる金木犀&銀杏の香り」のその後談です。

打ち合わせは、取引先に行くまでが大変した。首都圏の電車は概ね運休、タクシーはつかまらない状態ですが、さりげなく動いている電車もあって、それらと希にくる空車タクシーを乗り継いでたどり着きました。

止まったり動いたりしている電車の中で、たまたま持ってきた本が「関東大震災」に触れた部分にさしかかります。

大震災の惨状とは比較のしようがないのですが、首都圏の交通機関がほぼ麻痺するという事態に震災をやや疑似体験しているようでリアル。

一方「きょうは儲けさせていただきました」とタクシーの運転手さん。すべてが悪いことばかりでないようです。

夕方の帰り道、電車の窓からは、偉大な富士山のシルエットが紺碧の空を背景にくっくりと見えていました。合掌したくなるような美しさ。

台風も悪いことばかりではなかったようです。


(2009-10-09)
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