( 香水工場の )
香る生活
秋空が高くなる季節
事務所のすぐ近くに、むかし富士銀行がありました。
みずほになって、これまた近くにある第一勧業銀行と統合して今ではその旧勧銀のビルに移転しました。
空いた旧富士銀香ビルは今、解体中です。
巨大な重機がコンクリートを砕く音が、朝から晩まで断続的に周囲に響きます。窓を閉めていても伝わる騒音に、忙しいときは悩まされていましたが、気候がよくなって気持ちも楽になります(夏場なら殺気立つ)。
騒音への抵抗力も増してきました。
空がどんどん高くなっていくこの頃です。
秋、サイコー
秋になると香水の香り方にも彩がでてきます。濃厚な香りも付けやすくなります。
女性ならおしゃれに気を遣いたくなる季節ですね。
つでに、食欲も旺盛に・・・ (2006-10-09)
みずほになって、これまた近くにある第一勧業銀行と統合して今ではその旧勧銀のビルに移転しました。
空いた旧富士銀香ビルは今、解体中です。
巨大な重機がコンクリートを砕く音が、朝から晩まで断続的に周囲に響きます。窓を閉めていても伝わる騒音に、忙しいときは悩まされていましたが、気候がよくなって気持ちも楽になります(夏場なら殺気立つ)。
騒音への抵抗力も増してきました。
空がどんどん高くなっていくこの頃です。
秋、サイコー
秋になると香水の香り方にも彩がでてきます。濃厚な香りも付けやすくなります。
女性ならおしゃれに気を遣いたくなる季節ですね。
つでに、食欲も旺盛に・・・ (2006-10-09)
( 香水工場の )
香る生活
ミント神戸オープニングセレモニー
黒の革靴は、夏場の長雨でところどころ白いカビがお目見え。クリーニングして陰干し。ひさしぶりスーツに腕を通すとどうもしっくりしませんが、この日はやむを得ません。
多少なりとも関係者の端くれに連なるので人並みのビジネススタイルでミント神戸のオープニングセレモニーに参加させていただきました。
スタッフの方々の邪魔にならないよう隅っこで、呼吸しているかしていないかわからない程度の存在感でオープニングを見守りました。
ナチュラル・グリーンで統一された「ミント神戸」。旧神戸新聞会館ビル。大震災を超えて新しいビルディングが完成しました。
「ミント」という言葉には、神戸を象徴する海(Marine)と山(Mountain)、そして出会い(Meeting)が込められているそうです。
ハーブのミントがこの施設のさまざまなテーマを象徴的するキーワードになっています。
香水の開発も、はじめからペパーミントにしろ、スペアミントにしろ、ミントありきという前提で開発がはじまりました。
食べ物には抜群の相性があるミントも、香水の素材としては、それなりにクセのある香りです。神戸の街の気品と優雅さを損なわない素敵なミント香水になったことを祈ります。
(2006-10-06)
多少なりとも関係者の端くれに連なるので人並みのビジネススタイルでミント神戸のオープニングセレモニーに参加させていただきました。
スタッフの方々の邪魔にならないよう隅っこで、呼吸しているかしていないかわからない程度の存在感でオープニングを見守りました。
ナチュラル・グリーンで統一された「ミント神戸」。旧神戸新聞会館ビル。大震災を超えて新しいビルディングが完成しました。
「ミント」という言葉には、神戸を象徴する海(Marine)と山(Mountain)、そして出会い(Meeting)が込められているそうです。
ハーブのミントがこの施設のさまざまなテーマを象徴的するキーワードになっています。
香水の開発も、はじめからペパーミントにしろ、スペアミントにしろ、ミントありきという前提で開発がはじまりました。
食べ物には抜群の相性があるミントも、香水の素材としては、それなりにクセのある香りです。神戸の街の気品と優雅さを損なわない素敵なミント香水になったことを祈ります。
(2006-10-06)
( 香水工場の )
香る生活
さめざめと秋雨前線
きのうは日曜日。日曜は働かないことにしていますが、案件の納品が近いことなどで朝から夜までみっちりやさせていただきました。
午後から降り出した雨は、さすがに夏場の雨とは違って肌寒ささえ感じられます。
関東上空には秋雨前線(あきさめぜんせん)が停滞しているそうで、継続的にしとしとと雨が降っています。
さて、きょうは月曜の朝。雨の降る月曜の朝はとても好きです。
濃いめのコーヒーで一週間のスタートに気合いを入れます。
(2006-10-02)
午後から降り出した雨は、さすがに夏場の雨とは違って肌寒ささえ感じられます。
関東上空には秋雨前線(あきさめぜんせん)が停滞しているそうで、継続的にしとしとと雨が降っています。
さて、きょうは月曜の朝。雨の降る月曜の朝はとても好きです。
濃いめのコーヒーで一週間のスタートに気合いを入れます。
(2006-10-02)
( 香水工場の )
香る生活
フランクフルトで降ろされたベルガモット
香水「ミント神戸」の製造がようやく完了しました。
かなり前に処方は完成し、モニターさんなどの意見も揃い、クライアントさまのOKをいただき、後は工場生産のみ、という状況でありながら、ある香料の入荷が遅れました。
8月、フランスはバカンスシーズン。日本のお盆と同じようにビジネスが止まります。しかも、お盆より長い期間止まります。
フランスでは、9月に入って夏眠からようやく目覚めるようにビジネスは動き出す感じですが、こちらは待ったなし状態。
ジリジリした気持ちで毎日唯一入荷していないベルガモット(柑橘系天然香料)を待っていました。
QA(Quality Assurance=品質検査)がようやく通り、ついに出荷されたと聞いたときはホッしましたが、それも束の間。ニース発フランクフルト経由ベルガモットは「液体」という理由でフランクフルト空港で降ろされてしまいました。
夏、ロンドン・ヒースロー空港で起きたテロ未遂事件(液体爆弾によるテロ計画)の余波で、香料も危険物質と考えられるようになったようです。
柑橘の果皮を絞ったオイルでさえ降ろされるとは、よほど厳しいようです。
数日遅れのベルガモットは、成田で緊急通関、赤帽で東京横断、当社に入り、そのまま緊急に調合が施されて、その日の内に静岡にある製造委託先の化粧品会社さんへ。
なんとか影響を最小限に押さえて生産することができました。
それにしても今回入荷したベルガモットはよい品質だったと思います。
天然モノは、仕入れて封を切るとき、それが期待通りかどうか緊張します。この辺の心境は、毎日ネタを仕入れる寿司屋さんとやや似ているかもしれません。
封をちぎるように開けたイタリア産ベルガモット。その香りには、予想通り、深い落ち着きと気品がありました。神戸の街にふさわしい風格です。
神戸ミント・オープニングセレモニーで来場のお客様には、天然ミントと天然ベルガモットの競演を体験いただけそうです。
(2006-09-28)
かなり前に処方は完成し、モニターさんなどの意見も揃い、クライアントさまのOKをいただき、後は工場生産のみ、という状況でありながら、ある香料の入荷が遅れました。
8月、フランスはバカンスシーズン。日本のお盆と同じようにビジネスが止まります。しかも、お盆より長い期間止まります。
フランスでは、9月に入って夏眠からようやく目覚めるようにビジネスは動き出す感じですが、こちらは待ったなし状態。
ジリジリした気持ちで毎日唯一入荷していないベルガモット(柑橘系天然香料)を待っていました。
QA(Quality Assurance=品質検査)がようやく通り、ついに出荷されたと聞いたときはホッしましたが、それも束の間。ニース発フランクフルト経由ベルガモットは「液体」という理由でフランクフルト空港で降ろされてしまいました。
夏、ロンドン・ヒースロー空港で起きたテロ未遂事件(液体爆弾によるテロ計画)の余波で、香料も危険物質と考えられるようになったようです。
柑橘の果皮を絞ったオイルでさえ降ろされるとは、よほど厳しいようです。
数日遅れのベルガモットは、成田で緊急通関、赤帽で東京横断、当社に入り、そのまま緊急に調合が施されて、その日の内に静岡にある製造委託先の化粧品会社さんへ。
なんとか影響を最小限に押さえて生産することができました。
それにしても今回入荷したベルガモットはよい品質だったと思います。
天然モノは、仕入れて封を切るとき、それが期待通りかどうか緊張します。この辺の心境は、毎日ネタを仕入れる寿司屋さんとやや似ているかもしれません。
封をちぎるように開けたイタリア産ベルガモット。その香りには、予想通り、深い落ち着きと気品がありました。神戸の街にふさわしい風格です。
神戸ミント・オープニングセレモニーで来場のお客様には、天然ミントと天然ベルガモットの競演を体験いただけそうです。
(2006-09-28)
( 香水工場の )
香る生活
海外でビジネス?
武蔵野ワークスはロシアでフローラル・フォーシーズンズを売り込もうとしたことがあります。
日本でもまだまだ立ち上げ中の当社が果敢にもかのロシアで商売とは、驚きですね。
日本ブームに湧くモスクワでは日本の事物は何かと人気で、たとえば寿司を食べるモスクワっ子の姿がたびたびテレビで報道されているのでご存知の方も多いでしょう。
実際現地では、日本では新橋あたりの焼き鳥屋風レストランが高級フレンチと同等以上の高級なレストランとして繁盛していました。
提灯がさがる高級レストラン、店先には黒光りのメルセデスばかりが並んだ焼鳥屋なんて不思議でしょう?
本当にすべての車がベンツでした。組長の祝儀会場かと見違えそうです。
住友商事さんのお誘いもあってフローラル・フォーシーズンズを「和の香り」というコンセプトで売り出そうという企てでした。
モスクワっ子の非常に濃厚な嗜好の前にマーケティング調査の段階で断念せざるをえませんでしたが、勉強になりました。
キッコーマンが米国人相手に醤油を売り込もうとした大事業には足下にも及びませんが、文化や嗜好の違う海外で嗜好品を売り込むというのは、並大抵ではできないと感じます。
たまたま日本ブームだったので売り子さんに着物でも着せればなんとかなるという人もいました。
しかし、異国趣味だけ売ればブランドが育つことはなくブームが去れば潮が引くように消え去る運命、ハナから見え見えです。
これはある外資系の化粧品会社さんの話です。
今ではしっかり日本市場に根を下ろすその会社は、日本上陸の頃、銀座の百貨店に化粧品を並べることまではできたのですが、知名度の低さもあってなかなか売れません。
売れなければ売場を他の会社に明け渡すことになります。売場を死守したい、ここから日本でのビジネスははじまるのだ!という強い信念の結果・・・
社員が顧客を装って毎日定期的に自社製品を買いに行くということでした。
社員によるサクラ作戦ってのは、涙ぐましくも笑える話ですが、気持ちはよくわかります。
大量のメディアに露出可能で一気に知名度を稼げる大資本ならまだしも地道にやらざるをえない中小は足と根性で這い上がるしかないのです。
(2006-09-28)
日本でもまだまだ立ち上げ中の当社が果敢にもかのロシアで商売とは、驚きですね。
日本ブームに湧くモスクワでは日本の事物は何かと人気で、たとえば寿司を食べるモスクワっ子の姿がたびたびテレビで報道されているのでご存知の方も多いでしょう。
実際現地では、日本では新橋あたりの焼き鳥屋風レストランが高級フレンチと同等以上の高級なレストランとして繁盛していました。
提灯がさがる高級レストラン、店先には黒光りのメルセデスばかりが並んだ焼鳥屋なんて不思議でしょう?
本当にすべての車がベンツでした。組長の祝儀会場かと見違えそうです。
住友商事さんのお誘いもあってフローラル・フォーシーズンズを「和の香り」というコンセプトで売り出そうという企てでした。
モスクワっ子の非常に濃厚な嗜好の前にマーケティング調査の段階で断念せざるをえませんでしたが、勉強になりました。
キッコーマンが米国人相手に醤油を売り込もうとした大事業には足下にも及びませんが、文化や嗜好の違う海外で嗜好品を売り込むというのは、並大抵ではできないと感じます。
たまたま日本ブームだったので売り子さんに着物でも着せればなんとかなるという人もいました。
しかし、異国趣味だけ売ればブランドが育つことはなくブームが去れば潮が引くように消え去る運命、ハナから見え見えです。
これはある外資系の化粧品会社さんの話です。
今ではしっかり日本市場に根を下ろすその会社は、日本上陸の頃、銀座の百貨店に化粧品を並べることまではできたのですが、知名度の低さもあってなかなか売れません。
売れなければ売場を他の会社に明け渡すことになります。売場を死守したい、ここから日本でのビジネスははじまるのだ!という強い信念の結果・・・
社員が顧客を装って毎日定期的に自社製品を買いに行くということでした。
社員によるサクラ作戦ってのは、涙ぐましくも笑える話ですが、気持ちはよくわかります。
大量のメディアに露出可能で一気に知名度を稼げる大資本ならまだしも地道にやらざるをえない中小は足と根性で這い上がるしかないのです。
(2006-09-28)
( 香水工場の )
香る生活
香水ビジネス5、原点回帰する香水
ヒット商品が必ずたどる道、"派生商品"
人気商品には消費者の需要に合わせて派生商品が生まれます。香水も同じです。
仮に当社に「ユニバース」という香水があったとします。運良く消費者の支持を得て売上げを伸ばすと、企画担当の私としては派生バージョンも売れるんではないかと期待が膨らみます。
その結果「ユニバース ライト」、「ユニバース サマー」、「ユニバース フォーメン」、なんてラインアップはありえないことではありません。
ついでに「ユニバース スペシャルコフレ」や「ユニバース バレンタインセット」、どうかすると「ユニバース ゴルフセット」というのもいいかも。
映画風に「ユニバース2」というようなシリーズ化もやってやれないことはない。
香水も他の製品同様、消費者の嗜好の多様化を受けて次々と派生商品がリリースされます。
自分の首を絞めるリスク
私たち消費者からすれば飽きないし、自分のテイストに本当に合うものが出てくる可能性が高くなります。
チョイスの幅も広がって歓迎されるのですが、派生バージョンは多彩な製品を楽しめる反面、多すぎれば開発サイドでは一つの製品へのリソースや情熱の投入濃度が薄くなるというリスクもつきものです。
密かに進行する病に似ています。
アイデンティティを失った近年の香水
過去5年間、香水市場では新商品が多く生まれその派生バージョンも多様化しました。
また、香りの性質も、ヨーロッパ伝統型(どちらかというと濃厚でセクシーでロマンチックな香り)から、日本や新興アジア諸国、ロシア、インド、ブラジルとかなり広範囲に嗜好が変化する世界市場に合わせて多様化の一途をたどってきました。
このような状況が世界の香水産業のここ数年の香水トレンドだったという印象があります。
商品ラインアップの煩雑ぶりと香りの多様化・・・ヨーロッパのブランド香水は、自分たちのコアな部分、香水に対するポリシーやコンセプトを見失いかけているようです、とヨーロッパの業界ウオッチャーは指摘します。
限定商品が乱発され、並行輸入の横行もブランドイメージを傷つけています。
原点回帰がはじまっている
ブランドさんたちのクラッシック回帰がはじまっています。
商品の絞り込みと香りの原点(香りに託すブランド・メッセージ)を見つめ直し、荒れたマーケットを立て直す動きが、どのような製品と流通形態となって市場にでてくるかまだ具体的には見えてきません。
しかし、既存のメジャーブランドは高価格帯に移行し、その空いた中価格帯をヨーロッパ発、新興香水ブランドが埋めてくる予感があります。
ブランド香水が家電量販店やディスカウントショップで販売される光景は、近い将来なくなると予測しています。
(2006-09-28)
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